『未来を想い描いて(仮)』#5
◀︎『未来を想い描いて(仮)』#4
直径1メートル、深さ10メートルの竪穴を2つ。
その底を横穴でつないだだけの、簡単な仕組みだった。
一方の竪穴でスライムを増やし、もう一方で倒していく。
それを繰り返すだけで、それほど時間をかけずにLV:9まで上がっていた。
簡単な割によく働いてくれる。
———
《ステータス(Status)》
名前(Name): 不明(Unknown)
種族(Race): 人間(Human)
年齢(Age): 17
職業(Job): シーフ(Thief)
レベル(LV): 9
HP: 31/31
MP: 4/4
筋力(STR): 4
敏捷(AGI): 21
感覚能力(PER): 31
耐久力(VIT): 11
知能(INT): 43
スタミナ(STA): 100/100
———
最大MPは、3から4にようやく増えた。
正直、少ない。
しかし、MP回復時間は15.00[s]から8.40[s]にまで短くなっていた。気配察知の継続時間は10.00[s]。なら、増えたMPをそのまま《気配察知》の常時運用に回せる。
連続使用と言っても、自分で10秒毎に《気配察知》を唱えるのは面倒だな、と考えていたら、
——
《気配察知(消費MP:1)を連続使用しますか?》
——
と、表示された。即、はい!
優れもののシステムだ!
20秒あれば、《穴掘り》を2回。
増やして、倒す。
その一連の流れを、安定して回せるようになっていた。
最大HPも10から31と、ほぼ3倍に増えた。これがどれくらいのレベルなのかはよくわからないが、3倍死ににくくなった。それだけは、確かだろう。
竪穴のそばにあった、腰掛けるのにちょうどよい大きな石に腰を下ろし、スライム牧場を引き続き動かしていた。
脳内マップの端に、小さな反応が灯った。
動きは今までのスライムとそれほど変わらない。おそらく、スライムだろう。そう判断した。
その判断が、間違いだった。
森の奥から、ぴょんぴょんと飛び跳ねながら何かが姿を現した。
形はスライムと同じだった。
けれど、色が違う。
今までのスライムは薄い青だった。
目の前に現れたそれは、濁った緑色をしていた。
見るからに、嫌な色だった。
「……色違い?」
このまま、スライム牧場の近くに居座られても困る。スライムを1匹だけ落としておいた予備の竪穴に、緑色のスライムを落とすことにした。
今までのスライムと同じなら、軽く蹴れば穴に落とせる。そう判断して、私は距離を詰めて、足を振った。
その瞬間だった。
緑色の液体を広範囲に飛ばしてきた。
「っ……!」
避けられなかった。
スライムの身体から飛び散った液体が、腕や服、頬にまでかかった。
鼻を刺すような、青臭い匂い。
その直後、肌の表面がじりじりと熱を持った。
《Status》
HP: 28 / 31
HPが、3減っていた。
「毒、か」
予想はついていた。
むしろ、この色で毒ではない方がおかしい。
でも、スライム牧場も上手く稼働し、レベルアップも順調だった。だから、どこかで大丈夫だと高を括っていた。
ダガーを探したときに、毒に対する薬やポーションの類は見当たらなかった。毒を消し去る魔法やスキルもまだ獲得できていない。
などと考えているうちに、
《Status》
HP: 25 / 31
HPが、また3削られた。再度HPが減るまでの時間は、1分ほど。
ただし、次も同じだけ減る保証はない。
「えっ……残り寿命、10分もない?」
緑色のスライムを安易に蹴飛ばしたことを後悔した。
でも、後悔している時間はない。
まず、毒の間隔。
次に、残りHP。
最後に、レベルアップまでに必要な経験値。
使えるものを、全部並べる。
まず、はじめに確認したいのが、レベルアップによるHP回復があるかどうかだ。
もし、なければ生き延びられる可能性はかなり低い。
スライム牧場をフル稼働して、レベルアップを図った。それと並行して、スライム牧場をどの程度離れても遠隔操作できるのかを探りだした。
なぜなら、毒を消す薬草の類を手に入れなければ、HPが減り続けるこの状況を抜け出すことは出来そうにないからだ。
徐々にスライム牧場から離れて行っても、操作は出来ている。さらに、距離を広げようとしたとき、LV:10にレベルアップした。
そして、幸いにもHPは全回復していた。
でも、《状態異常:毒》は消えてなかった。

※ featuring シンフォニム「心の移り変わり」
「安心、慢心、苦心」
※ このオリジナル創作小説をイメージしてSunoにつくってもらった曲です。
それぞれのことばが、
迷いながら創るあなたの、小さな創作のヒントでありますように。
#創作のヒント
#思考のヒント
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Photo: Unsplash
(c) s.f.出版
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