攻めたいのに、足元が整わない。そんな経営者の参謀でありたい
この度、私は執行役員として参画していた「経営者のおかん」を2026年6月より事業会社化し、代表に就任いたします。
今後は、2021年10月に創業したプロアスリートマネジメント事業とスポーツマーケティング事業「AZuRu(アズール)」と「経営者のおかん」2社を経営し、より顧客の事業パフォーマンス向上に貢献してまいります。
「経営者のおかん」とは、中小企業やスモールビジネスの経営者を対象に、コンサルティングとバックオフィス支援の両面から支える事業です。
サービス開始から4年が経ち、事業拡大に伴い、事業会社化する運びとなりましたが、決して事業計画通りに積み上がってきたわけではなく、常に目の前のお客様の悩みと泥臭く向き合い続け、ビジネスモデルの転換を図りながら、ようやく花が咲きはじめたのです。
経営者の孤独と不安を取り除く一助に
経営者のおかんは、創業〜5期目で独り立ちを目指す経営者を支える、業務伴走型の支援サービスです。具体的には、経理、労務、総務、士業連携、残高試算表の作成、意思決定の支援など。いわば事業を前に進めるための「守り」を共に創っていく仕事です。
私は、この事業を通して、様々な業界の経営者の方々と対峙する中で、何度もこう感じました。
社員には見せられない不安や家族にまで持ち帰れない重さがあり、資金繰り、採用、組織、税金、評価 etc.。誰かに相談したいのに、何から話せばいいかわからない。現場の最前線に立ち続け、会社の未来も描かなければならない中で、疲労困憊し、「自分自身が何に困っているのかさえ整理できない」時がある。
しかし、その状態のまま社長は会社を止めることはできず、日々意思決定をし続けなければいけません。
私は、そのような経営者と出会う度に、この人たちには、ただ正しいことを言ってくれる存在ではなく、背中側まで見てくれて、かゆいところに手が届く存在が必要だと身を持って感じました。
守りの支援と聞くと地味に聞こえるかもしれませんが、守りが盤石ではない経営ほど怖いものはありません。 数字が見えていない。判断基準が曖昧。制度がなく評価も曖昧。しかし、売上だけは伸ばしたい。未来だけは大きく描きたい。
そのお気持ちは痛いほどわかりますが、地盤が不安定な土地に大きな建物を建てる場合、必ずどこかで無理が生じます。 だからこそ「守ること」は「攻めないこと」ではなく、しっかり攻めるための準備なのです。
「寄り添う」という言葉の重み
経営者のバックオフィス支援も、アスリートマネジメントも通ずる部分がたくさんあります。AZuRu創業からしばらく経ったある時から「寄り添う」という言葉を、軽々しく使いたくないと思う機会が増えました。
なぜなら、寄り添うというのは、ただ相手に優しくすることや、その場を丸く収めることではなく、相手の「現実」に手を入れることだからです。
耳の痛いことを言わなければいけない時もあります。「それは今じゃない」「このままだと危ない」と、敢えて空気を悪くする側に回ることもあります。相手にとって心地よい存在でいることだけを選んでしまったら、きっと私はその人の未来に対して不誠実になる。
ただ、正直に告白すると、かつての私は相手を思いすぎるあまり、絶対に正しい「べき論(正論)」を用意し、相手の逃げ道を塞いで重圧(デバフ)をかけてしまうこともありました。熱量を持って相手の事業に入り込みすぎるあまり、かえって相手の主体性を奪いそうになることもあったのです。
その経験から、私たちは独自の支援スタイルに辿り着きました。 それが「セッティング&リマインダー」です。
べったりと入り込んで干渉し続けるのではなく、まずはカオスな状況から「今、本当に取り組むべき目標と道筋(マイルストーン)」を明確に『セット』する。
そして、決めた計画が日常業務に流されないよう、適切な距離感から進捗を確認し、時には耳の痛い小言も言いながら『リマインド(お尻を叩く)』し続ける。
さらに、もしもうまく進まないなら、その都度セットし直す。
AIにはできない、この人間臭い「セッティング&リマインダー」の仕組みこそが、経営者を依存させず、「自走(卒業)」へと導く最適な距離感なのだと気づいたのです。
目指すのは「対価のかからないコンサル」
もうひとつ、私たちがプロフェッショナルとして掲げている理想があります。
それは、私たちが間に入り不要な経費(生命保険・損害保険、クレジットカード、電気料金、通信費、OA機器全般、不動産関連、車両関連など)を見直してコストを削減したり、業務効率化によって経営者がフロント業務に集中し、新たな売上を生み出したりすること。
つまり、我々が生み出したコスト削減+売上向上の額が、結果的にお支払いいただくコンサルフィーを上回る「対価のかからないコンサルティング」の状態を作ることです。管理に対するフィーを頂くのではなく、実質負担ゼロ、あるいはプラスになる価値を提供し続けることこそが、私たちのゴールになるのです。
自らの人生を経営するひとりの人間
AZuRuでは、マネジメント契約する方々を、ただの競技者ではなく、自らの人生を経営するひとりの人間として捉えています。
競技成績や契約に留まらず、「なぜ、その競技を続けてきたのか」「競技を通して、どんな自分になりたいのか」「どのような価値を世の中に還元したいのか」まで含めて向き合う。そうした姿勢は、弊社ホームページの会社概要に、そしてnoteの記事にも一貫して書き記しています。
一般的なマネジメントが「競技人生のあいだ」に重心を置きやすい中で、私たちはもっと長い目で、人生に添い遂げたいという思いが強くなったのです。つまり、次の人生の航路まで共に考える「航海士であり参謀」のような存在でありたいのです。
早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け
アメリカの、アル・ゴア元米副大統領がノーベル平和賞授賞式典の演説で引用し、有名になったアフリカの諺(ことわざ)ですが、ここまで続けてこられたのは、私一人の力ではありません。
これまで関わってくださった方々。サービス初期からも契約締結いただき、信じてくださったアスリートや経営者の方々。厳しくも温かく支えてくれた先輩方や旧友たち。そして節目節目で、何も言わずに手を差し伸べてくれた方々。
うまくいかない時期ほど、そういう存在の有り難さを痛感し、自分では前に進んでいるつもりでも、実際には支えられていただけだった瞬間もたくさんありました。
さらに、背中を押してもらったこともあれば、立ち止まらせてもらったこともあり、あの時にかけてもらった一言。任せてもらった仕事や、信じて待ってもらえた時間がなければ、今の会社はありません。
だからこそ今、事業を少しずつ広げられるフェーズに入ってきたことを、私自身が成し遂げたこととしてではなく、ここまで関わっていただいた方々と共に辿り着いた通過点として受け止めています。
最近は、そこに嘗ての先輩や旧友などが、新たな仲間として加わってくださり、一人では抱えきれなかったことを、共に背負ってくれている。私だけでは見えなかった景色が見え始め、同じ方向を目指しながら、それぞれの強みで支え合える専門家にも恵まれました。
事業拡大というと、外からは前向きで力強い言葉に聞こえるかもしれませんが、私にとってそれは、ただ売上や規模を追いかけることではありません。これまで受け取ってきた信頼や期待に、もっと大きな形で応えていく責任が増えていくことでもあるため、有り難さと同時に、身の引き締まる思いで一杯です。
経営者のおかんの導入事例と支援事例



その他の支援事例として、提案から実行・実装まで深く入り込んだケースをご紹介します。
- 取引先の倒産に備える「経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)」の共済金貸付制度活用事例
(掛金の10倍の枠内で、無担保・無保証人・無利子で貸付、連鎖倒産を免れてV字回復)
- 「マル経融資(小規模事業者経営改善資金)」公的融資制度活用事例
(商工会経由で、日本政策金融公庫から無担保・無保証人で資金を借入し、多店舗出店を実行し事業を急拡大)
- 食品・衣料事業者の新規販路開拓(大手百貨店・小売店)事例
(ブランドアイデンティティの策定とコンセプトメイクから伴走し、大手百貨店・小売店と口座開設を実現)
- 「10人・30人・50人の壁」に直面する企業への人材領域の支援事例
(人事評価・等級制度の構築と確定拠出年金(DC)の導入を支援し、評価の透明化と福利厚生の拡充により従業員の定着率向上に貢献)
感謝を、これからの仕事で返していきたい
2社を経営することになった今、もちろん不安がなくなったわけではありません。むしろ、責任の重さは増しました。
これまでより、もっと多くの人の生活や期待が、私自身の判断に関わってきます。ひとつの決断が、誰かの未来の速度を変えてしまうかもしれない。その感覚は、正直、今も怖いものです。
経営者のおかんとして担う、足元を整えるための守り。AZuRuとして担う、人と価値をつなぎ未来を広げるための攻め。それぞれが連携することで、その会社にしか届けられない価値を、少しずつ形にできる気がしています。
順風満帆ではなかったからこそ、わかることがあります。迷いながらでも、怖がりながらでも、目の前の人に対して誠実であること。うまく見せることよりも、ちゃんと向き合うこと。その積み重ねだけが、最後には信頼になるものです。
これから先の挑戦は、何かを大きく見せるための拡大ではなく、これまでいただいてきた信頼や期待に、仕事の質と、向き合い方と、届ける価値で返していくための広がりだと思っています。
守りと攻めのあいだで。
理想と現実のあいだで。
孤独と希望のあいだで。
それでも前に進もうとする経営者や挑戦者に、これからも私は、添い遂げていきたい。
あの時、相談してよかった。
あの時、一緒に悩んでもらえてよかった。
そう思ってもらえる仕事を、これからも一つずつ、積み重ねていきます。
もし、私の考えに共感していただける部分があったなら、とても嬉しいですし、ご連携やご相談などありましたら、まずは気軽にお話ししましょう。
ご連絡は、お問い合わせフォーム、またはX(旧Twitter)のダイレクトメッセージからお待ちしております。
