一人遊びが好きな子から学んだこと
「先生、この子、いつも一人で遊んでいます。」
保育を始めた頃、私はそんな姿を見ると少し心配になっていました。
「友達と遊んだ方がいいのかな。」
「声を掛けて輪の中に入れた方がいいのかな。」
そんなことばかり考えていたのです。
でも、ある一人の子との出会いが、私の考えを変えてくれました。
その子は毎日のように園庭の隅で虫を探していました。
誰かと遊ぶわけでもなく、夢中になって石をどかしたり、草をかき分けたりしています。
ある日、私は隣に座って聞いてみました。
「何を探しているの?」
すると、その子は嬉しそうに答えました。
「ダンゴムシのおうち。」
私はその言葉に驚きました。
その子は、一人で遊んでいたのではありません。
自分だけの世界を広げながら、夢中になって探究していたのです。
それからしばらくすると、不思議なことが起こりました。
「何してるの?」
と、一人、また一人と友達が集まってきたのです。
その子は、自分から友達を誘ったわけではありません。
でも、自分が好きなことを楽しんでいる姿が、自然と周りの子どもたちを引き寄せていました。
その時、私は気付きました。
友達と遊ぶことだけが成長ではありません。
一人でじっくり考える時間。
好きなことに没頭する時間。
「これが好き」という気持ちを育てる時間。
そんな時間も、子どもにとってはかけがえのない時間なのだと思います。
もちろん、友達との関わりも大切です。
でも、その土台には、「自分はこれが好き」と思える気持ちがあるのかもしれません。
だから私は、一人遊びをしている子を見ると、「どうして一人なんだろう」と考えるのではなく、
「今、この子は何に夢中になっているんだろう。」
そんな視点で見るようになりました。
一人遊びは、友達との関わりの反対ではありません。
子どもが自分らしく育つための、大切な時間なのだと、私は子どもたちから教えてもらいました。
