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【風まかせ文芸部】名前|エッセイ


タイトル:名前の温度

名前は、最初にもらう贈り物だと思う。

自分では選べないのに、
一生を通して呼ばれ続けるもの。

だから不思議だ。

最初はただの音だったはずなのに、
いつのまにか、その人そのものになっていく。

呼ばれ方ひとつで、
少しだけ気持ちが変わることもある。

やわらかく呼ばれた日。
少し強く呼ばれた日。
何気なく、当たり前に呼ばれた日。

その積み重ねが、
名前に温度を与えていく。

ときどき、自分の名前を
少し遠くから見てみることがある。

この名前で、
どんなふうに生きてきたのか。

どんな人たちに呼ばれてきたのか。

その中には、
もう会えない人の声も、
ちゃんと残っている気がする。

名前は、ただの記号じゃない。

記憶と時間が重なって、
少しずつ形になっていくもの。

だから今日も、
自分の名前を呼ばれると、
少しだけ、今ここにいることを実感する。



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