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【風まかせ文芸部】炭酸|エッセイ
タイトル: 泡が教えてくれたこと
炭酸飲料を開けると、「シュワッ」という音が響く。
あの音を聞くだけで、少しだけ気持ちが軽くなる。
子どもの頃は、その刺激が少し苦手だった。
大人になった今は、むしろその刺激を求めるようになった。
人生も、どこか炭酸に似ている。
穏やかな毎日が続くことは心地いい。
でも、ときどき訪れる刺激や変化があるからこそ、日常は色鮮やかになる。
もちろん、刺激ばかりでは疲れてしまう。
炭酸も、勢いよく飲めばむせてしまうし、お腹もいっぱいになる。
だから、一口ずつ味わうくらいがちょうどいい。
焦らず、自分のペースで。
時間が経てば、炭酸は少しずつ泡を失っていく。
それを「気が抜けた」と表現するけれど、私はそれも悪くないと思う。
刺激が落ち着いたからこそ、本来の甘さや香りに気づけることがある。
人も同じなのかもしれない。
若い頃は勢いだけで走れる。
でも、経験を重ねるにつれて、穏やかさや落ち着きという魅力が増えていく。
派手ではないけれど、心地よい時間をくれる人になる。
そんな歳の重ね方も素敵だと思う。
今日もグラスの中で、小さな泡が静かに弾けている。
その一つひとつは一瞬で消えてしまう。
だからこそ、今この瞬間を大切にしようと思える。
炭酸の泡は消えても、その爽やかさは心に残る。
きっと人生も、それでいい。
了

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