Photo by
mopa
【風まかせ文芸部】半透明の海|エッセイ
タイトル:半透明の海
半透明の海を見たことがある。
波は青というより、水色でもなく、光そのものが揺れているようだった。
海底の砂紋まで見えるほど澄んでいて、小さな魚たちが自由に泳ぐ姿も隠れることなく映し出されていた。
その景色を眺めていると、不思議と心まで透き通っていく気がした。
人は、ときどき自分の心を隠したくなる。
強がったり、笑ってごまかしたり、本当は平気じゃないのに「大丈夫」と言ってしまったり。
それも、自分を守るためには必要なことなのだと思う。
でも、半透明の海は教えてくれる。
すべてを隠さなくても、美しさは失われないということを。
澄んでいるからこそ、光が届く。
見えるからこそ、安心できる。
人の心も、少しだけ素直になれた日は、いつもより優しい景色が見えるのかもしれない。
海は何も語らない。
ただ、寄せては返す波で、「そのままでいい」と静かに伝えてくれている気がした。
だからまた、心が少し曇った日には、半透明の海を思い出そう。
きっとあの景色は、今も変わらず、誰かの心へ光を届け続けている。
了

*下記企画に参加させて頂きました*
☆次の作品はこちらです↓↓↓
前回の作品はこちらです↓↓↓
最後までお読み下さり、ありがとうございます😊
いいなと思ったら応援しよう!
読んで下さりありがとうございます!励みになります!