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【風まかせ文芸部】7月32日|エッセイ
タイトル:7月32日があったなら
「7月32日」。
存在しない日付なのに、この言葉を見ると少しだけ胸が躍る。
もし本当に7月32日があったなら、何をしよう。
締め切りに追われる人は「あと一日ある」と安心するかもしれない。
夏休みの子どもたちは、もう一日だけ遊べると喜ぶだろう。
大人になってからは、一日があっという間に過ぎていく。
「もう月末か」と驚くことも少なくない。
だからこそ、存在しない一日を想像すると、時間が少しだけ優しく感じられる。
もちろん、現実に7月32日はやってこない。
時計もカレンダーも、誰に対しても平等に進んでいく。
だからこそ、「今日」という一日は特別なのだと思う。
明日へ持ち越したいことも、今日しか味わえない景色もある。
7月32日は存在しない。
でも、「もう一日あったら」と願う気持ちは、きっと誰の心にもある。
その願いは、時間を増やすことはできなくても、今日という一日を少しだけ大切に過ごそうと思わせてくれる。
もしかすると、私たちに必要なのは7月32日ではなく、今日を丁寧に味わう心なのかもしれない。
了

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