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ayanashi_taro
【毎週ショートショートnote】月見バーバー|一発芸.摩擦.図書館|ショートショート5
深い深い森の奥に、「月見バーバー」と呼ばれる不思議な床屋がありました。
満月の夜にしか扉は開かず、入るためには一発芸を披露しなくてはなりません。
魔法使いサヒラは、杖の先からふわふわの雲を生み出してみせました。
「合格よ」
髪の長い店主は、満月の光を宿した不思議なハサミを取り出しました。
切られるのは髪ではなく、摩擦のように心に巣食う後悔や迷い、そして失望……。
ハサミが動くたび、サヒラの錆びついた心は少しずつ軽くなっていきます。
「終わったわ。帰りに図書館に寄ってごらんなさい。
あなたの新しい物語が、そこで始まるはずよ」
散髪を終えたサヒラは、魔女の森を抜け、月光に照らされた古代図書館へと急ぎました。
そこには、まだ見ぬ運命の書が彼女を待っているのでした。
了

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