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irohairoha
【3つのお題に空想のひらめきを第42回】空にひらく小さなドア.雲の上の忘れ物.夜のすきまに落ちた夢|ショートショート
タイトル:空にひらく庭のドア
観覧車が、ゆっくりと空へ回っていく。
頂上に近づいたとき、
ふとガラスの外に、小さなドアが見えた。
空にひらく、小さなドア。
気づけば私は、それを開けていた。
外は、雲の上の庭だった。
鉢植えが並び、
見たことのない花が咲いている。
「いらっしゃい」
振り向くと、
誰かが土をいじっていた。
「ここ、何を育ててるんですか?」
聞くと、その人は笑う。
「忘れ物だよ」
手の中には、淡く光る種。
「雲の上の忘れ物。
拾われなかった想いとか、
言えなかった言葉とか」
種を植えると、
すぐに芽が出る。
夜のすきまに落ちた夢が、
ゆっくりと形になっていく。
花がひらくと、
どこか懐かしい光景が見えた。
「あ……」
思わず声が出る。
忘れたと思っていたことが、
そこにあった。
「持って帰る?」
そう聞かれて、少し迷う。
でも私は、首を振った。
「ここにあった方が、きれいだから」
その人はうなずく。
「また来ればいい」
気づけば、観覧車の中に戻っていた。
窓の外には、
もうドアは見えない。
でも胸の中には、
あの庭の景色が、静かに残っていた。
おしまい

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