〜第88夜〜「再生しない方がいい伝言」
🕯️ はじめに
留守電ってね……
便利なんですよ……。
出られなかったときでも、
相手の言葉が残る……。
あとから聞ける安心感、ありますよねぇ……。
でもね……
その“あとから聞ける”っていうのは……
本当に、“過去の音”なんでしょうかねぇ……。
えぇ……
“まだ起きていないこと”が、
先に残っている場合もあるんですよ……。
これはね……ある女性の話なんですが……。
仕事中で電話に出られなくてね……
あとでスマホを見たら、留守電が入っていた。
番号は、非通知。
まぁ、よくあることだと思って……
何気なく再生したそうなんです。
最初は、無音。
数秒間、何も聞こえない。
「あれ?」と思った瞬間……
かすかに、音がした。
……息遣いなんですよ。
ゆっくりとした、呼吸音。
そのあと……
小さな声で、こう言った。
「……まだ、聞いてないよね」
……えぇ?
ってなりますよねぇ……。
自分は今、聞いているのに……。
気味が悪くなって、途中で止めたそうです。
でもね……
その日の夜。
また、同じ番号から着信があった。
出なかった。
でね……また留守電が残る。
今度は……
最初から声が入っていた。
「……聞いたよね」
……えぇ。
まるで、“前回のことを知っている”ように……。
怖くなってね……
その留守電、削除したそうです。
でも……
消えないんですよ。
削除しても、戻ってくる。
しかもね……
再生回数が、“増えている”。
えぇ……。
自分は再生していないのに……
「3回再生済み」って表示される。
その夜……
寝ているときにね……
スマホから、音が流れたそうなんです。
勝手に、再生された。
あの留守電が……
暗闇の中で……
はっきりと、声が聞こえる。
「……まだ、間に合うよ」
えぇ……。
その直後……
部屋のどこかで、“物音”がした。
小さく……
でも、確実に。
でね……
その女性、気づいたそうなんです。
この声……
電話の向こうじゃない。
“部屋の中から聞こえている”って……。
そして……
最後に、こう言ったそうです。
「……今、後ろにいるよ」
📝 あとがき
留守電ってね……
“残された声”なんですよ……。
でもね……
その声が、どこから残されているのか……
それは分からない。
時間っていうのはね……
前から後ろに流れているとは限らないのかもしれません……。
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この留守電の正体――
なぜ“未来の声”が残ったのか
なぜ“再生回数が増えていたのか”
そして「聞く前に知っている存在」とは……
ここでしか読めない解釈をお話しします……。
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