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鬱病という深い闇を生きる──「治す」ことより、「共に生きること」を選んだ記録。



朝が、こわい。
今日という一日を、また生きなくちゃいけないのか……そう思うと、体が動かない。
目は開いているのに、世界が遠い。
音も、光も、誰かの声も──全部が、私から数メートル先にあるような感覚。
それでも私は、笑う。
「元気そうだね」と言われるのが、怖いから。
心が壊れていることを、誰にも気づかれたくない。
でも、本当は──気づいてほしかった。
救ってほしかった。
「大丈夫?」じゃなくて、「隣にいるよ」って、言ってほしかった。


私は、“薬を飲まない選択”をした


処方されたのは、睡眠導入剤だけだった。
抗うつ薬は断った。怖かったからだ。

体育大学を出て、解剖学も薬理も学んだ私には、薬の働きが“知識”として頭にこびりついていた。
「効き方」「副作用」「依存性」「離脱症状」──全部知っていた。
それが逆に、私を縛った。

だから私は、
砕いて、少しだけ、ほんの少しだけ導入剤を飲んだ。
まるで“薬を飲む”という行為の意味を自分で調整しないと、心が壊れてしまいそうだった。


鬱は、薬で治るものじゃなかった


私の中で本当に壊れていたのは、
脳じゃなくて──「自分を信じる力」だった。

眠れない夜、目を閉じていても、思考は止まらなかった。
罪悪感、不安、自責。
それが繰り返されるたびに、自分という存在が崩れていくのが分かった。

でも──
そんな夜を越えて、気づいたことがある。

私は「治す」のではなく、「共に生きる」ことを選んだのだ。



「薬を飲まなかった私」が、正しいわけじゃない。
「薬に頼らなかったから偉い」なんてことも言いたくない。
ただ、これが私の“回復のかたち”だったということを、
あなたに知ってほしい。


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