廊下の奥で笑う声〜第34夜〜
⚠️実話体験ベース+創作⚠️
いやぁ……今夜も、ね……ちょっと妙な話、させてもらおうと思うんですよ……えぇ……
あれは……まだ私が二十代の頃……夜勤のアルバイトをしていたときのことなんです……
その職場っていうのがね……古い施設で……廊下が長ぁく続いてるんですよ……薄暗くて……足音が、やけに響く……
夜中は照明も半分しか点いてないもんだから……影が揺れるんですよ……壁に……えぇ……
その日も……巡回の時間になって……ひとりで廊下を歩いてたんです……
奥に行くほど……空気が冷たくなって……足音が、やけにくっきり響く……「コツ、コツ……」って……
ふとね……奥の方から……「クスクス……」って、笑い声が聞こえたんですよ……
ん? と思って耳を澄ませると……女の人の声なんです……しかも……一人じゃない……二人……いや、三人くらい……
でもね……その先って……突き当たりの壁しかないんですよ……
私……嫌な汗が、すーっと背中を伝っていって……でも……引き返せない状況だったんです……
壁まで歩いても……誰もいないんです……
えぇ……おかしいなぁと思って……周りを見回してたら……
廊下の隅にね……小さな引き戸があったんですよ……普段は倉庫になってる場所で、鍵も掛かってるはずなんです。
でも……その時は……わずかに開いてて……そこから……また「クスクス……」って……
覗き込むと……真っ暗で、何も見えない……でもね、暗闇の中で……誰かの白い手だけが、すーっと引き戸を閉めたんですよ……
バタン……って音と同時に……廊下の蛍光灯が、一瞬、全部消えたんです……えぇ……
真っ暗闇の中で……耳元すぐそばで……「見ちゃったね……」って……
気づいたら私、廊下を全力で走ってました……足がもつれるくらいに……
後で聞いたら、その倉庫……昔、職員の寮として使われてた部屋なんだそうです……
けどね……ある年、夜中に三人の女性が……変な笑い声を残して亡くなったっていう……事件があったそうで……
今はもう、そこには誰も入れないはずなんです……鍵も……外されてるはずなのに……
あとがき
こういう話ってね……私も最初は、ただの偶然だと思おうとしたんですよ……
でもね……あの「クスクス」という笑い声……三つの声がぴったり重なるあの響き方……
今でも、夜道で同じような声を耳にすると……あの日の背中の冷たさが、すぐ蘇るんです……えぇ……
皆さんもね……夜の廊下や、誰もいないはずの部屋から声が聞こえたら……
覗き込むのは……やめた方がいいですよ……
もし……あなたが覗いたその暗闇の中で……“白い手”が動いたら……どうします……?
おわりに
今回のお話は、私が実際に体験した夜勤中の出来事をもとに、少しだけ創作を交えております……えぇ……
廊下の奥から聞こえた“あの笑い声”は、本当にあったことなんです……ただ……白い手が引き戸を閉めた場面や、蛍光灯が一斉に消えた描写は……想像を加えています。
でもね……創作部分を引いたとしても……あの時の“生ぬるい恐怖”は、今も鮮明なんですよ……
現実と想像の境目って……意外と曖昧で……だからこそ、怖いんです……
今夜、あなたの家の廊下の奥で……
「クスクス……」と笑う声がしたら……どうします……?
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