異星人アリサと閻魔さまのトリセツ第25話「アリサの学校創立計画」【7割リアル連載小説】
2024年の秋も深まりつつあった頃、真由美は無事に退院した。額にはまだ痛々しいたんこぶが残っていたものの、自力で歩けるほどに回復していた。
そんなある日の午後、アリサが真由美の家を訪れた。
「真由美、退院おめでとう!もう大丈夫そうね」
と笑顔で声をかけるアリサ。
「本当は無理させたくないけど、例の件、そろそろ進めないと間に合わなくなっちゃうのよ。来月は冥王星、それから来年3月に海王星、7月には天王星が移動するの。スンゴイことになるわよ。」
アリサは身を乗り出し、目を輝かせながら続けた。
「2025年から世界が本格的に激しく変わり始めるの。地球人も遂に覚醒するから、今のうちに人助けもビジネスも始めた方が断然有利よ」
アリサが興奮して甲高い声でまくしたてるせいで、せっかく治まっていた真由美の頭痛が再びぶり返してきた。真由美は面倒くさそうにため息をつきながら答えた。
「頭はまだ痛いし、味覚も嗅覚も半分くらいしか戻ってないのよ。私、コロナにでも罹っていたのかしら?で、ええっと……例のって何のこと?あなたが持ってくる話って、いつもバラエティ豊かすぎてワケわかめなんだけど。閻魔さまのこともそうだけど、死んでもいないのにあんな次元まで行っちゃうなんて異常だわ」
真由美は少し間を置いてから、さらに続けた。
「私、あなたとは違うのよ。これから20~30年で、この世とは人間らしくオサラバするつもり。でも、しっかり着実に、やり残しなしであの世へ行くわ」
「ハハハ……そうね。そう考えるのも無理ないと思うわ。真由美は両手に“M”の紋章がしっかり刻まれた、真正の地球人だもの。リアルな同胞たちと何かを成し遂げたら、この世からあっさりサヨナラしたいのかもね。まあ、その話はまた別の日にでも。でね、今日は今後のプランを話しに来たのよ。現在、“打って安心計画”の被害者が日本だけでも少なく見積もって50~60万人いるみたい。もちろん、テレビや新聞には出ていない情報だけどね。これからまだまだ増えていきそうよ。でも、中には毒に打ち勝った人たちも出始めているみたい。だから、当初心配していた状況から少し楽観できそうだわ。ホント、人類の進化ってすごいわよね。何でも蹴散らかして強くなるのが人類っていうか、実際問題、“ゆりかご”から宇宙へ飛び出していく人たちも大勢出てくると思うの。でね、まずはワクチンで親を奪われた孤児をサポートすることを考えたのよ。もう少し落ち着いたら、“ベルサイユのばら”シリーズで触れられていたような、ブランド力のある孤児院の設立もいいかなって。日本人には“クソ神のチップ”が組み込まれているから、きちんとレールに乗せれば天才や秀才が育つはずよ。例えば、数学と物理に特化した天才集団を育成したり、音楽、美術、文学の超スペシャリストを輩出する孤児院を作ったり、農業と料理のエキスパートを育てる施設を作ったりするとか。そしてね、ハリーポッターみたいな魔法学校の設立も面白いと思わない?そこでは、日本古来の忍術や占術を加味したプロフェッショナルを育成するとかね。夢が広がるでしょう?名前のある孤児院の出身者なら、世界から引く手あまたよ。それを思うと今からワクワクしてきちゃうわ。私たちが最初に手助けをするだけで、きっとすごく遣り甲斐があるものになるわよ!」
アリサの話を聞き終えた真由美は、心から感心した様子で声を上げた。
「アリサって、本当にすごい!どこからそんな発想が生まれるの?本当に良い案だと思うわ!もし日本で魔法学校を創立するなら、私、人間と動物のコラボでやってみたいことがあるの。昔、吉祥寺の映画館で観たハリウッド映画にインスパイアされたのよ」
真由美は嬉しそうに微笑みながら、新しいアイデアを思いついたように言葉を続けた。
「もう少し調べて、ドクター・ミネルバに相談してみるわ。三人で時間を作って話し合うのもいいわね。なんだか、日本から優秀な人材が沢山生まれてきそうな予感がしてきたわ!」
真由美の言葉にアリサは満足そうに頷きながら、新たな計画に向けての期待を膨らませていた。
◇
第26話へ続く
