異星人アリサと閻魔さまのトリセツ第24話「三途の川の奪衣婆(だつえば)」【7割リアル連載小説】
真由美は、単調な入院生活に明るさをもたらしてくれるアリサに深く感謝していた。病室にはテレビがあり、売店では雑誌や新聞を買うこともできたが、それらの情報はどこか信用できず、退屈を紛らわせるには物足りなかった。結局のところ、アリサの話が一番面白く、そしてリッチーを失った悲しみを癒してくれる存在だった。
「アリサ、先日、奪衣婆の話で盛り上がったよね?私ね、昔何かの本で、三途の川岸で閻魔さまの下で働く奪衣婆の話を読んだことがあるの。それで、実際に冥界で彼女に会ったような気がするのよ。記憶が曖昧なんだけど、変な女性に上着を剥ぎ取られたの。それとワイングラスも。その女性が上着を木に引っ掛けて何かしてたんだけど、上着はすぐ返してくれた。でもワイングラスだけは返してくれなかったの。それだけははっきり覚えてるわ。あ、そういえば、上着のポケットに入れてたナザールボンジュウのキーホルダーも無くなってた。それから誰かに導かれるように船に乗ったところまでは覚えてるんだけど……途中で寝ちゃったみたいで、どうやって閻魔宮殿に入ったのかは全然覚えてないのよ。アリサは奪衣婆に会ったことある?」

「ええっと、会ったというか、チラッと見かけた感じね。とにかく、私は三人の女神たちと熾烈な追いかけっこをしていたから、周りをじっくり見る余裕なんてなかったわ。でも、もし本気で奪衣婆に会ってたら、着ているもの全部を剥ぎ取られて、ロープで繋がれて三途の川を泳がされてたかもね。なーんて、ハハハ。ま、冗談はさておき、あの怖い三人の女神たちに比べると、奪衣婆は地味で大人しいわよ。一応女神だけど、なんていうか……女性の味方って感じかな。女性を虐げた男性にキツイお仕置きをするタイプなんじゃないかって勝手に思ってるの。私、奪衣婆とは相性が合うかもね。今、海外のセレブの人身売買問題とかあるでしょう?アメリカの超有名な女性歌手やハリウッドの俳優たちが過去を語ってるけど、デビューするためには著名な音楽プロデューサーと性的な関係を持たなきゃいけなかったとか、悪魔崇拝の儀式に参加を強いられたとか。人気子役が性加害を受けて精神的に追い詰められた話もあるわよね。それに、大人の俳優でも良い役を得るためには枕営業が必要だったという話も、きっと事実だと思うわ。そう考えると、日本の芸能界も似たようなものかもしれないわね。二世タレントならともかく、そうじゃなければ、よほど運が良いか、大手の事務所に所属しているか、強力なコネがあるか。それがなければ、芸能界で生き残るのは難しいと思うわ。逆に言えば、売れない人は枕営業をしていないってことだったりしてね。でも、弱者を食い物にしてきた連中ほど、死後は本当に悲惨な目に遭うのよ。冥界に行ったら、三途の川を普通に渡らせてもらえないんだから。女神たちはそんな汚い連中を船に乗せることを許さないし、奪衣婆に裸にされて永遠に泳がされる運命かもよ。そのうち、ピラニアや電気ウナギに襲われて、下半身の大切な部分を食べられてしまうかも。でも、そこは冥界だからね。身体の一部や下半身ごと食いちぎられても、適当に再生される。そしてまた最初から食いちぎられる。痛みと苦しみが永遠に繰り返される、まさに残忍な地獄のループってわけ」
真由美はアリサの話に興味を抱きつつも、不安を感じていた。彼女は推しのスターたちの未来や死後の世界について思い悩んでいたのだ。退院後にミネルバから詳しい話を聞くことを決意した。
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第25話へ続く
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サムネの奪衣婆は石川県珠洲市出身の山ちんさんに描いてもらいました🌹
此処からは👇つり革広告のように見てください♪
