異星人アリサと閻魔さまのトリセツ第26話「ドクター・ミネルバに輪廻転生について尋ねる」【7割リアル連載小説】
真由美は退院して間もなく、ドクター・ミネルバを訪問した。
冥界で閻魔さまと話していて、納得がいかなかったことが幾つもあったような気がするのだ。真由美は少し迷いながら口を開いた。
真由美「ドクター・ミネルバ、輪廻転生についてはどうお考えですか?実は、閻魔さまからこれまで信じていた内容とは違う説明を受けた気がするのですが、記憶が曖昧なんです。これまで私が聞かされてきた話では、人間は何度も輪廻転生を繰り返し、その前世の歴史が背骨や仙骨に刻み込まれていると言われていました。ところが閻魔さまは、この話を否定しているように感じました。ドクター・ミネルバも、やはり閻魔さまと同じ考え方なのでしょうか?日本人は生まれ変わりを信じている人が多いですね。例えば、『若くても人間性が高い人は生まれ変わりの回数が多い』とか、『大人になっても精神性が低い人は魂が若い』といったことを、当たり前のように話している人もいます」
ミネルバ「そうですね。日本人にはこうした話を好む人が多いかもしれません。でも、真由美さんには真実をお伝えしておきます。おそらく閻魔さまの話と同じになるでしょうが、魂は永遠であるものの、実際に輪廻転生する人は非常に少ないのです。私は宇宙人の一人として、この情報を生まれた時から聞かされてきました」
真由美「あら、やっぱり、そうなんですね……。でも、それだとロマンや、やり直すチャンスが消えてしまったように感じます。なんだか少し寂しいです。でも、前世の記憶を研究している方たちの興味深い文献や動画もたくさんありますよ」
ミネルバ「そのお気持ちは理解できます。そして、多くの研究が進められてきたことも承知しています。ただ、真由美さん、地球人には真実を知ってほしいのです。まず、人間の誕生の仕組みについてお教えしましょう。創造主は、過去に存在した人物の特徴や記憶をインプットした“種”を選びます。場合によっては、創造主の目的に合わせてその“種”を加工することもあります。そして、その“種”を新しい魂に植え付け、地上に送り出すのです」
真由美「ということは、ほとんどの魂は初めて下界に降りてきているということでしょうか?」
ミネルバ「ええ、その通りです」
真由美「そうなんですね……。ということは、子供が発語するまでに語る“前世の記憶”は、インプットされたものを事実だと信じて話しているのかもしれませんね。それに、大人でも自分の子供を亡くしたり流産したりした場合、新しく生まれてきた子どもを『この子は亡くなったあの子の生まれ変わりだ』と思うことが実際ありますよね。でも、それは人がそう信じることで心の慰めを得たいという気持ちから来ているのかもしれませんね」
ミネルバ「創造主はときに乱暴で、ところてんのように人間を下界へ押し出します。また、子供たちは植え付けられた前世の記憶を持ちながらも、現実の世界で混乱しないよう、徐々にその記憶を失っていきます。そのため、言葉を話し始める頃には、ほとんどの子供がその記憶を忘れている状態なのです。ただ、『僕はお母さんを選んで生まれてきた』『お母さんのお腹に前にいたけど流れちゃったから、また来たよ』『雲の上からずっとお母さんを見てたんだ』と話す子供も時々いるようです。それを聞いたお母さんたちは、興味を引かれてつい詳しく尋ねたくなってしまうのでしょうね。中には、お母さんを喜ばせたい一心で、少し脚色して話す子供もいるでしょう。それに、子供自身も何度か話すうちに、その記憶が実際にあったことのように感じてしまうのかもしれません。ただし、例外も存在します。それが動物たちです。特に犬や猫といったペットは、同じ魂が何度も生まれ変わると言われています。一般的には、犬は犬に、猫は猫に生まれ変わります。時々『徳を積んだ動物が人間に生まれ変わる』という話を耳にすることがありますが、これは事実ではありません。人間が生まれ変わるなら人間に、動物は動物にしか生まれ変わることがないのです。そういえば、真由美さんの犬たちも同じではありませんか?ペットの寿命は、昔に比べて長くなったとはいえ、人間ほど長くはありません。それは天界のルールによるものなのです。ペットには生前のミッションが決められていて、その使命を果たすために限られた命を燃やして生きています。そして、多くの場合、縁のある人間のもとでその役割を全うするように設定されているのです」
第27話へ続く
