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《大学教員がひも解く総合型選抜》基礎編 #3 一般選抜と年内入試、どう選ぶ?

こんにちは。
大学教員が指導する総合型選抜専門塾「リタック・ユース・アカデミー」(通称:リタアカ)の塾長です。

これまで国内外の大学で教育・研究に携わりながら、高校生向けに総合型選抜・学校推薦型選抜の指導も続けてきました。
これらの経験に基づき、このブログでは大学教員の視点から年内入試を読み解いていきます。

さて、前回の記事では、一般選抜と年内入試の違いについて解説しました。
今回は、受験生が一般選抜と年内入試のどちらを受けるか迷ったときに、何を基準に選べばよいのかについて見ていきます。

前回の記事はこちらから読めます↓



1. 一般選抜と年内入試、選び方の基本

一般選抜と年内入試のどちらを受験するべきか迷った時は、自分の特性に合わせて選択するのが基本です。

前回の記事で述べたように、両者では審査内容が異なります。
そしてそれぞれの選抜方式には、明確に向き不向きが存在します。

とは言え、「そもそも自分にはどちらの選抜方式が向いているのか分からない」という受験生に向け、それぞれの選抜方式に向いているタイプについて解説します。


2. 一般選抜に向いている人

はじめに、一般選抜に向いているタイプの特徴を挙げます。

① 学科試験が得意
これは説明するまでもないかも知れません。
一般選抜は学科試験による選抜であるため、学科試験が得意であることは大前提です。

② 定期試験よりも実力テストの方が得意
一般選抜では調査書などの提出がありません。
そのため仮に評定が低くても、実力テストなどで高得点が取れるタイプであれば、学科試験一発勝負の一般選抜では有利です。

③ 志望校は決まっているが、入学後にやりたいことが決まっていない
年内入試では受験時に、大学入学後や将来の計画について、具体的に説明することが求められます。
これが固まっていない場合は、無理に作り出すより一般選抜を受験した方が安全です。

④ 志望校を「好き」「得意」「興味がある」という理由で選んでいる
年内入試で求められる志望動機は、何でも良いわけではなく、社会的な意義が求められます。
志望動機が「好きだから」「得意だから」「興味があるから」など、社会的な意義を含まない場合は、一般選抜の方が適しています。(※1:文末で解説)

⑤ 志望校が3校以上ある、または志望分野が複数ある
年内入試は1校の準備に膨大な時間がかかるため、たくさんの大学を受験することは現実的ではありません。
そのため3校以上の受験を検討している場合は、一般選抜の方が余裕を持って対策ができます。

⑥ 理系志望である
理系学部は文系に比べて一般選抜の枠が大きく、総合型選抜などの募集人数が限られる傾向にあります。
そのため理系学部では、一般選抜の方が合格しやすい場合が多いです。


3. 年内入試に向いている人

続いて、年内入試に向いているタイプの特徴を挙げます。

① 定期試験の成績が良く、評定が高い
一部の総合型選抜を除き、年内入試では調査書の提出が求められます。
特に学校推薦型選抜では、一定以上の評定でないと出願できない大学が大多数です。
そのため定期試験の成績が良く、評定が高い人は合格率が高くなります。

② 将来の希望や大学でやりたいことが具体的に決まっている
年内入試では受験の時点で、将来の希望と、そのために大学で何を修得したいのかを説明することが求められます。
そのため、これらのことが具体的に決まっている人に向いています。

③ 志望理由に社会的意義がある
年内入試の志望動機には、どのような社会的意義があるか?が問われます。
志望動機を「好きだから」「興味があるから」などの自分だけの理由で終わらせず、社会との関わりの中で説明できる人は年内入試に向いています。
(※1:文末で解説)

④ 志望校が2校以内である
年内入試では志望理由書などを、その大学に合わせて時間をかけて考える必要があります。
また試験内容も、小論文、プレゼンテーション、探究レポートなど、大学によって異なります。
そのため複数の大学を併願するのは時間的に厳しく、志望校が2校以内に絞られている人の方が、準備を進めやすいです。

⑤ 文系志望である
文系学部は理系学部に比べて、年内入試に積極的な大学が多く、募集枠も比較的大きいです。
そのため文系志望では、年内入試が選択肢に入りやすいです。


4. 一般選抜と年内入試、選択の実際

ということで、自分の特性に合わせて選抜方法を選択するのが基本なのですが、実際にはこれはあくまでも「理想論」です。
実際の受験はここまで単純ではありません。

現場で見ていると、志望校の倍率などを考慮し、一般選抜と年内入試の両方を受ける人が増えています。
おおまかには次のようなグループに分けられます。

A. 一般選抜メイン型
本命は一般選抜だが、年内入試にもダメ元で挑戦する。
志望校の年内入試の倍率が高い場合に多い。

B. 年内入試メイン型
最初から年内入試をメインにし、年内入試で複数校を受験。
どうしても難しい場合には一般選抜も視野に入れる。

C. 完全ハイブリッド型
最初から一般選抜と年内入試の両方を並行して進める。

いずれにせよ、両方の選抜方式を受けることで、チャンスを増やすことができます。

ただし注意すべきなのは、一般選抜と年内入試の対策を同時に進めるのは非常に大変だということです。
そのためC. 完全ハイブリッド型よりも、A. やB. のように、一般選抜か年内入試のどちらかに主軸を置きつつ併願する方が現実的です。


5. まとめ

一般選抜と年内入試のどちらを選ぶか、あるいはどちらを主軸にするかのは、自分の適性によります。

世間では一般選抜が王道で、年内入試はそれより下のもののように見られることがあります。
しかし実際にはこれまで述べてきたように、両者は審査内容が異なり、向いている受験生も異なるため、単純に優劣で語れるものではありません。

世間のイメージに引きずられるのではなく、自分に合った入試方式を選ぶことが大切です。

次回は、これも世間でよく言われている「年内入試と学力低下」について考察します。

(※1)志望動機に求められるものは、社会的意義以外にもあります。これについては、別の記事の中で詳しく解説します。

次の記事はこちらから読めます↓

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