「忙しい自慢」をしていた、かつての僕へ
「忙しい人」は、仕事ができる人じゃなかった。
「すみません、今ちょっと立て込んでいて」
これ、ぼくの口ぐせでした。
施設の事務長として、現場のフォローに、シフト調整に、家族対応。
手帳は予定でびっしり。
気づけば一日が終わっている。
そんな毎日を「がんばっている自分」だと、どこかで誇らしく思っていたんです。
でも、ある本のこの一節を読んで、えっ?と思った。
「忙しい人」は「仕事ができる人」ではない。
むしろ「自分のスケジュールさえコントロールできない人」だ。
キツー!
…これ、ぼくのことやん、と。
忙しさは「ステータス」になってしまう
その本にはこうも書いてありました。
「忙しいように見えること」には、自分の社会的ステータスを上げる効果がある、と。
ドキッとしませんか。
介護の現場って、まさにこれが起きやすい世界だと思うんです。
「私、こんなに大変なんです」が、いつのまにか勲章みたいになっていく。
残業して、休憩を削って、誰よりも動いている人が「えらい」とされる空気。
でも、よく考えてみてください。
本当に組織が回っているなら、特定の誰かがそんなに忙しくなるはずがないんですよね。
忙しさは、能力の証明じゃない。
仕組みが整っていないことの証明なんです。
離職率60.3%だった頃のぼく
恥ずかしい話をします。
ぼくの施設は、かつて離職率が60.3%ありました。3人採用しても、1年経てば2人近くが辞めていく。そんな状態です。
当時のぼくは、必死でした。
辞めそうな職員と面談し、求人を出し、欠員を埋めるためにみんなにお願いをしに現場に回る。
とにかく動いた。
動いて動いて、それでも人は辞めていく。
今ならわかります。
あの頃のぼくは、まさに「自分のスケジュールさえコントロールできない人」でした。
目の前の火を消すのに精一杯で、「なぜ火が出続けるのか」を考える時間を、自分で奪っていたんです。
本に書いてあった通りでした。
忙しくすることで、本当に向き合うべき大切なこと『職場の構造そのものの問題』から、無意識に目をそらしていたんです。
「忙しさの魅力」が半減した日
転機は、忙しさを手放す決断をしたことでした。
ぼくは思い切って、自分の予定を「本当に大切なこと」中心に組み直しました。
やろうと思えば仕事なんていくらでも増やせる。
だからこそ、自分なりの境界線を引いたんです。
具体的にやったのは、こんなことです。
火消しに使っていた時間を、「火が出ない仕組みづくり」に振り替えました。
職員一人ひとりが何に困っているのか、どんな未来を描きたいのか。
それを聞く時間を、スケジュールの真ん中に置いたんです。
すると不思議なもので、「忙しさの魅力」がスッと半減しました。
バタバタ動いている自分が、急にかっこ悪く見えてきたんです。
離職率は9.1%になった
3年後、離職率は60.3%から 9.1% になりました。
特別なことをしたわけじゃありません。
ぼくが「忙しい人」をやめただけです。
↓
スケジュールをコントロールできるようになると、職員と向き合う余白が生まれる。
↓
余白が生まれると、職員が辞める前のサインに気づける。
↓
サインに気づけると、人が辞めなくなる。
↓
人が辞めなくなると、もっと余白が生まれる。
この好循環の入り口は、「忙しさ」という勲章を、自分で外したことでした。
あなたは今、忙しいですか?
もしあなたが今、「忙しくて余裕がない」と感じているなら。
それはあなたの能力の問題じゃありません。
仕組みと、優先順位の問題です。
そして、それは変えられます。
今日、手帳を開いてみてください。
その予定の中で、「本当に大切なこと」はいくつ入っていますか。
忙しさは、いつだって手放せる。
ぼくがそうだったように。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
「これ、私のことだ」と思った方は、ぜひスキやフォローで教えてもらえたら、すごく励みになります。
他の記事も読んでいただき、コメントなどいただけると嬉しいです☺️
