ジョン・ディクスン・カー『火刑法廷』
ジョン・ディクスン・カーの『火刑法廷』について書いておきます。
火刑法廷とは、魔女裁判の一つです。毒殺を犯したと疑われた者が
魔女として拷問を受け、有罪になれば火刑に処されるという恐るべき
虐殺裁判、魔女狩りです。
wikipediaでは(中世の)フランスで行われたと書いてありますね。
その戦慄すべき魔女狩りを題材にとった最高の本格推理小説が、
ジョン・ディクスン・カーの『火刑法廷』です。
個人的には、『火刑法廷』は、古今東西のあらゆる本格推理小説の頂点に
立つ最高峰、必見の作品だと私は思います。
ハヤカワ・ミステリ文庫の『火刑法廷』の裏カヴァーに書いてある紹介文によれば、編集者のエドワードがドル箱作家の原稿をみて、それに添付
されている十七世紀の毒殺犯の写真が自分の妻にそっくりである事を
発見する、その後、墓を暴きに行ったエドワードは、棺の中から死体が
消失しているのを発見するとあります。(かなり省略していますが)
さて、その後、物語は更に奇怪な展開を見せます。毒殺魔が部屋から
魔女のようなありえない消え方をしますが、ジョン・ディクスン・カー
は、棺からの死体の消失、魔女の消失という不可能犯罪としか思えない
不可思議な事件の謎を素晴らしい手腕で収束させていきます。
有名な名探偵のフェル博士やヘンリー・メリヴェール卿が登場しない
作品ですが、かわりの名探偵らしき人物が登場します。しかし、その後で
また、驚愕の物語展開が待ち受けています。
これを読まずに本格推理小説を語るのは不可能だろうと私は思いますね。
この作品の終わり方には、格別な『奇妙な味』があります。ネタバレは
避けなければいけませんから、是非、お読みになり、その味をよく味わってほしいと思います。
また、物語の雰囲気がとても良いです。私の場合、魅入られたように
初めから終わりまで一気に読んでしまいました。中世の時代の恐怖が
じわじわと拡がっていきます。カーのこの物語の雰囲気作りは、本当に
見事としか言いようがありません。
火刑法廷は、まさにカーの作風と抜群に相性が良いテーマでした。
ジョン・ディクスン・カー(カーター・ディクスンという別名義もある)
の作品の中で、この『火刑法廷』に比肩しうる作品は、おそらく
『三つの棺』しかないと私は思います。
この『三つの棺』には、有名なフェル博士の密室講義が含まれているのですが、その中に他の作家の推理小説のネタバレが含まれていますので、
その点だけは『推理小説の明確なルール違反』だと指摘せざるを得ない
のですが・・・
ほかには、カーター・ディクスンの名義で『プレーグ・コートの殺人』と
いうのがあります。これも最高傑作です。『黒死荘の殺人』や
『黒死荘殺人事件』という別名も存在する作品です。
ハヤカワ・ミステリ文庫から『プレーグ・コートの殺人』(1977年)
講談社文庫から『黒死荘殺人事件』(1977年)
創元推理文庫から『黒死荘の殺人』(2012年)
最後に、私の推理小説の宣伝を載せさせていただきます。
最後に凄絶な論理のアクロバットがあります。
ガチガチの本格推理小説ですが、ユーモア推理小説でもあります。
どうかお愉しみください。決して後悔はさせません。
何とぞ、よろしくお願いします。
魔女スライザロウリアの村の完全密室 殺人事件(超格安まとめ版) ネタバレは絶対におやめください。|majutsushinozetto
