やってきたことのご紹介①:東京都「令和6年度学校外の子供の多様な学びに関する調査研究事業」
合同会社raco projectの阿部です。本日は(番外編を除くと)5回目の投稿です。
前回までの4回は「私が現在考えていること」を中心に投稿させていただきました。
今回から何回かは、阿部という人間はどんなやつなのか、のイメージをもう少し具体的に持っていただけるよう「私がこれまでやってきたこと」をご紹介していくような記事投稿をしていければと考えています。
本日は、2024年4月ごろ、私がraco projectを立ち上げてすぐの頃にキックオフがあり、1年間にわたり取り組んで2025年5月実施の「成果報告会」でひと段落となった、東京都「令和6年度学校外の子供の多様な学びに関する調査研究事業」についてのお話をさせていただきます。
はじまり
2023年の12月くらいに私が楽天ソシオビジネスを離れることを決め会社設立の準備をしていた時期に、明星大学教授の星山先生から「阿部さんと一緒にやりたい東京都の調査研究事業がある」とお声がけをいただきました。
星山先生とはボーネルンド時代から「子ども分野」における企業×アカデミックの取り組みをいくつもご一緒させていただいており、私の「企画とりまとめ力」「整理可視化力」「プロジェクトマネジメント力」などを買ってくださっていて、「この調査研究に取り組むとしたら阿部さんと一緒にやりたい」とおっしゃってくださりました。
教育分野(特に困っている子ども達の領域)の取り組みに関わりたい、というのは私が会社設立をした動機の一つでもあったので、それならぜひ、と私も心躍らせたのを今でも覚えています。
プロジェクトのデザイン
そして2024年の2月くらい?のまだ寒かったころ、国立にある「矢川プラス」の近くにあるカフェで、星山先生と、この調査研究事業でもご一緒する矢川プラス館長の細田さんと私の3人で、カフェで2-3時間くらい語りまくり、「やりたいこと」のディスカッションをさせていただきました。
その場で私は紙に「要するにこういうことですかね」とデッサン的に描いてまとめながら、その日家に帰って、そのデッサンをスライドに落とし、「こんな感じで相違ないでしょうか?」とおふたりに共有しました。星山先生からは「そうそうこれ!これで行きましょう!」と即レスが。その時にざっと作成したスライドがこちらです。これは結局、最後の「成果発表会」まで「この研究のコンセプトを説明するもの」として使い続けるものとなりました。





これが、このプロジェクトの基本的なデザインです。星山先生の「虹色アセスメント」を構成する「感覚特性プロファイル(SP=Sensory Profile™)」についてはこちらで、「虹色特性」についてはこちらの本で紹介されています。
ちなみに、私自身も「感覚過敏(特に聴覚)」の当事者で、生い立ちにおいてずっと生きづらさを感じて生きてきました。最近まで「感覚過敏」という言葉自体がほとんど知られていなかったですし、自分でも「なぜ辛いのか」がわからず、説明・言語化できずに過ごしてきました。親からも「お前は大げさだ」と頭ごなしに否定され傷つき、周囲の理解も得られませんでした。
ここ数年のエピソードでいうと、TOEICのリスニングテストの会場スピーカーの高音キンキンの音が鼓膜を突き刺すような痛みで意識がもうろうとしてしまい、本番で点数をとれず苦労しました。事務局の方に相談しても「難聴の方は聞いたことがあるが、“聞こえすぎる”というケースは対応したことがない」という返答でした。(最終的には専門医療機関を探して診断書を書いてもらい、特別な配慮を受けて受検したところ目指す点数を獲得できました)
ですので、今回の調査研究事業は私にとっては「当事者研究」といえるようなものでもありました。
また、コンテンツ提供にあたっては、私の20代のころからの音楽仲間で、いまは子ども分野の造形ワークショップデザイナーや各種CM、TV番組音楽などでも才能を爆発させている、シーナアキコさんにも協力いただきました。彼女はあそびのアトリエ「ズッコロッカ」という最高な施設の運営もしています。
実際のとりくみと成果
このコンセプトを元に、実際にどんな取り組みを行い、そこからどんな成果を得られたかは、下記の動画でプレゼンテーションを見ていただくのが一番わかりやすいと思います。
プレゼンは全体で10分くらい、星山先生が冒頭と最後、私がメイン部分を担当しています。下記の画像をクリックしていただくと、動画リンクに飛ぶことができます。プレゼンは全ラボで最後、動画1:29:10~です。ちょっとお手数ですが、1:29:10まで動画の時間を送ってご覧いただければ幸いです。

研究から得られた主な知見はいくつもありますが、主に下記のふたつを特にクローズアップしています。
研究から得られた知見-1
子どもを変える必要はない。条件が整えば子どもたちは動き出す
本来子どもが持っている輝きを発揮できる環境はどのようなものかをあれこれと試しながら、彼らの様子をよく見て、時間をかけながら一緒に考える必要がある
大人側が参加させよう、改善しよう、コントロールしようとすればするほどに閉じていく反応を全身で表明したCさんは、全ての子どもたちの思いを代弁している。
研究から得られた知見-2
参加者の保護者への感覚特性に関するヒアリングから、ほぼ全員が感覚過敏は高い/非常に高いという結果があり、学校に馴染みにくい子どもの多くに過敏性があると理解される
感覚過敏の研究は近年盛んにおこなわれているが、過敏性の強さや鈍麻が学校という集団行動の場においてどのような困難さを引き起こすかについてほとんど知られていない
多数派と異なる行動、例えば、集団から逃げる、隠れるなど多くの大人が理解しにくい行動の原因が感覚特性にあるのではないかという観点の多くは知られてこなかった
今回の実践研究を通じて、その仮説が立証できたと思われる。見かけだけでは分からない 繊細さ、感覚過敏に我々は着目しなければならない
成果発表では時間の問題でところどころ飛ばしながらプレゼンをしたので、当日のプレゼン資料自体も下記に掲載してみます。よろしければご覧ください。
あらためて、このnoteについて
これまでの投稿でも申し上げていますが、このnoteは
自分の中に生まれた疑問についていろいろな人にお話しして考え抜いたら解明でき始めた、という、自分自身を紐解いていくお話、
そこから発展して、生産性の競争が激化する現代において、ホモ・サピエンスとしての「生存戦略」とともに、感情・尊厳を持つヒューマン・ビーイングとして「どのように生きるか」をいかに追求するか、というお話、
そして、これまで歩んできた道とこれから続いていく日々の振り返りや、記録、考察を重ねながら、それを言語化し、これを読んでくださる方に対して具体的にどんな価値を提供できるか、を探究するお話、
これらを書き連ねていく物語(厳密にいうとナラティブ※)になってきています。
※以下の整理です。
✔ 「物語(ストーリー)」= あらかじめ構成された筋書きのある話
✔ 「ナラティブ」= 出来事や経験の意味づけのプロセス(必ずしも筋書きが完成していない)
現在は1on1コーチング、経営・事業戦略領域、組織開発・組織エンゲージメント向上領域、人事制度構築領域、DEI領域、障害者雇用領域、その他社会課題解決領域、教育領域(発達支援領域)などでさまざまな活動をしております。
どんな趣旨でも結構ですので、読んでいただき、なにか感じてくださった方は、下記からお気軽にお声がけいただければ大変嬉しいです。
第6回の投稿はこちらです。
