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【企業小説・國定長三郎】改訂1話・古のオペレーター【無料】


皆さん、お疲れ様です!
長三郎です!

フォロワー1000人突破しました!
ありがとうございます!
記念として以前から考案していた
企業小説を書き始めました。

「半沢直樹」「トヨトミの野望」から
感銘を受けまして決意しました!

終盤を有料とさせていただきました
続きを読みたいと思ってくれた方、
作品を気に入ってくれた方、
長三郎の活動を応援してくださる方、
ぜひ購入していただけたらと思います!
2026/4/9 更新
内容を大幅改訂し、全編無料にしました!
是非最後まで読んでいただけたらと思います。




【企業小説・國定長三郎】
1話・古のオペレーター

むかし、むかし、約20年前、
あるところに、
國定長三郎という主人公がいました。
この男、175cm、80kgと体格が良いのですが
如何せん頼りない18歳。
高校を卒業後ほぼ毎日、
國定は教習所へ免許を取る為に通っていました。
何やらブツブツと念仏のように唱えています。

「自由になりたい・・・」
「ああ・・・自由になりたい・・・」
「3月生まれというだけで春休みが台無しだ!」

「今はとにかくやり切って免許を取る!」
「来月からは社会人だ!働く!稼ぐ!出世する!お金持ちになる!自由になる!親を支える!」
「どんな事があろうがやってやる!!!」

独り言を言っていると、國定は視線を感じた。
還暦を超えた女性がじっとこちらを見ている。

國定は記憶にない人だが、声をかける。
「以前どこかでお会い・・・」
「あんた穏やかじゃないねぇ・・・」

こちらを遮るように発言してきた。
「いつも誠実でいなきゃダメよ」

國定は驚きのあまり目を見開く。
何か言い返そうとするが声が出ない。
そこへ丁度、送迎用のバスが到着した。
國定は足早にバスへ飛び込んだ。

「なんなんだ!あの婆さんは!そんな事を言われなければ俺の心は穏やかで誠実だ!」 
バス内の全員が國定を訝しげに眺めていた。

2006年4月、國定は不死鳥ペイントに入社した。

不死鳥ペイント・・・塗料を製造をする大規模な化学工場である。発注先では車、建造物、家具、新聞、雑誌、書籍、容器etc生活のあらゆる物に製品が使用されている。社名は日本が、この会社が、何度でも復活する事を信じて命名。


國定は堂々とした振る舞いで出勤した。
「今日はオリエンテーションで説明を聞くだけで終わりだ、何も問題ない。この会社の事も事前にある程度予習してきたんだ、備えあれば憂いなしってな」

「前半終わりか、トイレに行こう」
國定はトイレに向かっていたところ、
誰かとぶつかってしまった。
「いて〜お前、何処見て歩いてんだよ!」
「す、すいません、よく見ていませんでした」「新人か、名前は?」
「國定です。」
「名前覚えておくからな、ちゃんと前見ろよ」
「はい・・・」

ぶつかった社員が去っていった。
國定は気持ちが一変し俯く。
(こんなはずではなかった、いろいろな人と上手くやれたらと思っていた矢先に・・・あの人と部署が同じだったら嫌だな・・・)
國定は目が虚ろになり、口角が下がり、意中の子に振られたような顔つきになった。

國定は気持ちを入れ直し会場へ戻る。
「オリエンテーション後半、所属部署がここで決まるみたいだが何処になるのだろうか」
司会をする総務部の人が発表した。
「製造二課に配属するのは、大城君、堀君、國定君です。」
「俺は製造二課か、他に2人いるみたいだ」
「これにて、オリエンテーション終了です。お疲れ様でした」

誰かが國定へ近づき声をかける。
「國定君で合ってる?はじめまして大城です」「あ、こちらこそはじめまして國定です。」

大城マークビー。18歳。100kg超えの巨漢。
のんびり屋。柔軟さとポジティブさを持つ。
ファンタオレンジ好き。

「國定君、これからよろしく!同い年だから、タメ語で良いよね?」
「ああ、全然問題ないよ、先に話しかけてもらえてありがたい。これからいろいろあるだろうから、その度に話せたら良いな」
「いろいろあっても、まあ大丈夫っしょ。製造二課配属の人があと1人いるみたいだけど何処だろ・・・あれだ」

國定と大城は椅子に座ったままの人物を見つけ2人で声をかける。
「はじめまして、堀君で合ってる?」
「でしっ」
「はじめまして、國定です、よろしく!」
「はじめまして、大城だよ、よろしくね!」
「堀です、お願いします」
「堀君も同い年だから、タメ語で良い?」
「でしっ」

堀 直輔。18歳。160cm55kgで小柄。
人見知り、内向的。ガンダムシリーズ好き。

國定は安堵した。
「同じ配属の2人と言葉を交わす事が出来て、心の拠り所を見つけられた。トイレで誰かとぶつかってしまった時はどうしようかと思ったが、何とか大丈夫そうだ」
國定は気持ちを立て直し翌日を迎える。

翌日。
國定は出勤して初めての作業着に着替えた。
「ここから、社会人として始まるんだ」
始業チャイムが鳴り案内されて外へ。
ラジオ体操の音楽が聴こえて全員で体操する。
その後、朝礼を行い解散になった。
(毎日、ラジオ体操と朝礼するのか、自ずと社会人としての実感が湧いてきた)

また案内され製造二課の工場へ向かう。
國定は目に入る景色を見て驚く。
「ものすごい数の装置が並んで動いている。嗅いだ事の無い独特の臭気が漂っている。これが塗料の臭いなんだな。」
進んでいくと、作業している人を目にする。
(あの先輩たちの様に、この現場で活躍していくんだな。既に働いてるからシフト勤務の人たちみたいだ。24時間フル稼働って話だからな。いずれは俺もシフト勤務に・・・ってまだ先か)

國定、大城、堀は初めての部屋へ案内された。「操作パネルにパソコン、ファイルがいっぱいだ、此処が製造二課のコントロール室か」
1人の男が口を開く。
「おはようございます!今日からフレッシュな新人3人が仲間入りしました!大城君、堀君、國定君です!最初は慣れないだろうけど頑張っていきましょう!」
発言したのは製造二課の羽川富雄課長だ。

羽川富雄。55歳、製造二課、課長。
感情の起伏が激しい。ゴルフ、クラウン好き。
ヘルメットを被ったまま家まで帰る。
通称「ヘルメット課長」

「この化学工場では有害物質を扱います。危険な作業があります。正しい保護具の着用、作業方法の遵守が絶対です!そしてミスは致命傷になりますからね・・・新人の皆さん良いですか?
「はいっ!!!」
大城、堀、國定は同時に返事をした。
國定は俯く。(大丈夫だろうか、なんだか緊張してきて吐きそうだ。ミスしたらヤバい、間違いなくクビだ)

「今日、大城君と堀君は谷さん、國定君は鮫島さんから作業を教わります。谷さん、鮫島さん、良いですね?」
「はいっ!!!」

國定は目を見開いた。
返事をした谷という人物、トイレでぶつかった人物であった。(うわ~昨日、ぶつかってしまった人だ、俺の担当ではなくて良かった)

國定は鮫島の元へ向かう。
「國定です。よろしくお願いします。」
「ああ、よろしく頼むよ。そんなに力まなくて大丈夫だから、まあ見ててよ」

鮫島直樹。55歳。羽川課長と同期。
50歳まで製造一課シフト勤務リーダーを担当。
年齢を理由に50歳から製造二課の日勤へ異動。
長年、尽力してきた「古のオペレーター」

鮫島は作業を進めながら話す。
「10代か若いね、私と違ってピチピチだ。國定君はこれからたくさん覚えて活躍するだろう。失敗もたくさんするだろうけど、あまり気にせず頑張ってほしい。私が出来るのは君たちに現場での作業を教える事くらいだから」

「鮫島さん、ありがとうございます。しっかり覚えて1人前になります。」(とても謙虚で期待してる良い人だ。この人が師匠となって指導してもらえてとてもありがたい。)
「あっはっは、嬉しいねえ。その意気だ!國定君、先ずは充填作業から覚えてもらう」

充填とは・・・完成した塗料を装置で濾過しながらドラム又は缶へ詰めていく作業。

2人で装置がある現場へ到着、鮫島が口を開く。
「此処では何事も指差し呼称が大切だ!」
「余程、重要な作業でない限り他の人がダブルチェックしないから自分が間違えたらそれっきりだからね!」
「化学工場では自動で進んでいくから間違った時に取り返しのつかない事なるよ。」
「指差し呼称良しっ!!!」

國定は鮫島の気合に圧倒される。
(凄まじい迫力だ、鮫島さんが仕事に対して真剣に向き合って来たのが所作から分かる)
「國定君もやってみて。指差し呼称良しっ!!」「はいっ!指差し呼称良しっ!!!」
「うむ、良いじゃないか。その調子だ」
「よし、これからドラムに製品を充填していくから・・・」
説明の途中で、鮫島が気を失い倒れてしまう。

「鮫島さん?、だ、大丈夫ですか?」
鮫島から返事が無い。
(まずい、どうしよう、鮫島さんがおかしい)「鮫島さん!!!鮫島さん!!!」
「誰か呼ばないと」

國定は誰かを呼ぶ為、叫ぼうとする。
(あれ?おかしい、声が出ない。足がすくんで、力が入らず動けない。俺はこんな時に何をやってるんだ!)
國定は両足を全力で何度も叩き、力を入れる。「誰か見つけないと」
國定は走り出す。
「誰でも良い、誰か、鮫島さんを助けて」
國定は大城、堀、そして2人の教育担当である
谷を見つけた。
「トイレでぶつかった谷さんだ、そんなの気にしてられない、谷さん!!!」
「國定か、そんなに慌ててどうしたんだ?」
「鮫島さんが倒れて意識が無いんです。助けてください、お願いします。」
「分かった、先に救急車だな。連絡する。」
「さ、鮫島さん、さっきまで普通だったんです」「國定!大丈夫だから、一旦落ち着け!」
「す、すいません・・・」

30分後、救急隊員が駆けつけ救急搬送された。
後に脳梗塞で入院したと報告が入る。
命に別条はないが復帰は未定。
國定の教育担当が変更される事となった。

お昼休憩となり國定は食堂で昼食を取る。
「俺はすぐに動けなかった。まさか、こんな事が実際に身近で起きるなんて・・・会社の予習なんてまるで意味を成さなかった」
母親が作ってくれたのり弁当を食べるが
味がしなかった。
「落ち込んでる場合じゃない!進むんだ!鮫島さんと1人前になるって約束したんだ!!なんだってやってやる!!!ごちそうさま!!」
國定は気持ちを入れ直して弁当を完食する。
緊張が解けて食後の眠気に襲われた。

同じく食堂では
鮫島の救急搬送にも動じない、
大城を超える巨漢の男がいた。
午後から長三郎を待ち受けるのは・・・
2話へ続く。

2話はこちらです。
初執筆より半年経ち
大幅改訂を致しました。
如何でしたか?
この物語が楽しんでいただけたら
幸いです!
改訂するきっかけとなった書籍を
以下の記事で発信しています。


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