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帯広畜産大学バレイショ遺伝資源開発学研究室発・研究最前線 2025年秋

實友玲奈(帯広畜産大学バレイショ遺伝資源開発学研究室准教授)=文

将来にわたって安定持続的かつ安全・安心なバレイショを生産するためには、画期的な品種を作り出す必要があります。しかし、画期的な品種開発につながるような潜在能力の高い親系統を作り出すことは、時間もコストもかかるため、公的機関や民間企業によるバレイショ育種体制では困難といわざるを得ません。本研究室は、野生種やアンデス原産地の在来種の持つ優秀な遺伝的特性を導入し、潜在能力の高い親系統を育成することなどを目的に活動しています。

現在、①2倍体近交系を用いた種子播きF1バレイショ育種に向けた研究②温暖化に対応できる品種育成に向けた研究を行っています。その概要を紹介します。

①2倍体近交系を用いた種子播きF1バレイショ育種に向けた研究

種イモ(塊茎)ではなく、真正種子による増殖、生産を実現するためには、花粉をしっかり出す親系統の作出と、塊茎収量に優れ、均一な特性を持つF1品種が必要になります。そのために花粉形態の研究を行っており、自家受粉で実ができるかどうかや、花粉が異常だった系統を正常に戻すために必要な遺伝子を探索しています。イモの形成に関する研究も実施しており、塊茎重、塊茎数、および塊茎肥大性がどのように決まるのか、独自の材料を用いて調査しています。

塊茎肥大性の遅い系統(左)と早い系統(右)。出芽後40日の様子。

②温暖化に対応できる品種育成に向けた研究

近年猛暑に見舞われている十勝地方ですが、このような暑さでも塊茎収量が高く、品質が低下しない材料を当研究室が所有している遺伝資源のうち、まずは200系統から探索しています。また、同じく猛暑でバレイショ栽培に苦しむタイの王立農業研究所と高温耐性バレイショをテーマにした共同研究を実施予定です。

耐暑性試験中の遺伝資源。高温で徒長している。

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