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バレイショ栽培化の秘密を探る研究

實友玲奈(帯広畜産大学バレイショ遺伝資源開発学研究室准教授)=文

前回に引き続き、本研究室で現在行なっている最新の研究について紹介します。

イモの収量は、1株から収穫されるイモの「数」と「重さ」によって決まります。イモの数が多いと1個当たりの重さ(1個重)は小さくなり、逆に1個重が大きいとイモの数は少なくなるという、トレードオフの関係があります。そのため、両方の形質を同時に高めることは容易ではありません。

私たちは、バレイショ野生種と栽培種とを交雑して作出した180系統を用い、イモ数とイモ重にかかわる遺伝領域を調べました。その結果、ある特定の遺伝領域について、野生種型を持つ系統ではイモ数が多くなる一方で1個重は小さくなり、栽培種型を持つ系統ではイモ数は少なくなるものの1個重が大きくなる傾向が見られました。

この遺伝領域は、バレイショの「栽培化」にかかわる重要な領域である可能性があります。野生種のバレイショは、多くの子孫を遠くへ残すことが生存に有利であったため、長いストロン(地下茎)の先端に小さなイモを複数形成します。一方、栽培種は約4,000年にわたる人為選抜により、短いストロンの近くに大きなイモを形成するようになりました。

そこで現在私たちは、イモ数やイモ重を決定する塊茎形成過程の要因として、「ストロンの長さ」に注目しています。このストロンの長さを制御する遺伝領域が、イモ数やイモ重にも関与しているのではないかと考え、若い植物を掘り上げてストロン長を測定する研究を進めています。

この研究が進展すれば、バレイショの栽培化にかかわる鍵遺伝子の解明につながるだけではなく、イモ数の多い品種(個数型)や、1個重の大きい品種(個重型)の育成への貢献も期待されます。

長いストロンを持つ系統(左)と短いストロンを持つ系統(右)

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