大赤字!?ソラジマ第7期決算公告を読み解く—流動負債倍増も赤字拡大
ふざけんなよ!ネガティブなニュースを出すなよ!
と思われていると思いますが重要なのは課題改善の問題提起であり実態把握です。が、わたしが関わっていた当初からそれを歓迎しない傾向にありました。
——以前の記事で、ソラジマの決算公告が公表されないことや、
そのおおよその数字を推測しました。
内容はざっくりとYouTube事業の時の赤字拡大率を計算し、webtoon事業でも同様の規模で拡大するとしたら赤字拡大幅はほぼ一緒になる、という予測で
その予測通りの数字になっています。
あれから約1週間、ついに決算公告が公開されました。今回は、その数字を踏まえ、これまでの経緯や考えられる背景について整理します。
1. 公告が遅れた背景(推測を含む)
通常、決算公告は事業年度終了後、比較的早い時期に準備され、数か月以内に公表されるケースが多いです。今回は、それに比べて遅めの公開となりました。
この遅れの理由としては、いくつかの可能性が考えられます。
公告後の信用低下を避けたかった可能性
数字を早期に公表したくなかった可能性
公告前に追加の資金調達や融資を先行させた可能性
特に最後のケースは、今回の時系列と照らし合わせると一定の可能性があると考えられます。資金確保を先に行い、その後で数字を出した、という流れです。
2. 数字で見える現状(事実部分)
今回発表された数字は、大枠では前回の予測記事と近いものでした。
資産の変化
項目 第6期 第7期 増減額 増減率
流動資産 1,258,356千円 1,333,652千円 +75,296千円 +6.0%
固定資産 513,996千円 859,683千円 +345,687千円 +67.2%
資産合計 1,772,352千円 2,193,336千円 +420,984千円 +23.7%
ポイント
総資産は約4.21億円増加(+23.7%)
特に固定資産が大きく増加しており、設備投資や長期保有資産(無形資産含む)取得があった可能性がある
固定資産が約8億円ある状態で約7,500万円の赤字という構図は、投資対効果という観点で課題を抱える可能性があります。
これは不動産に例えると、8億円で購入した物件が年間7,500万円の損失を出しているイメージです。
前期で言うと5億のマンションで5000万の損失を出しているので3億追加で改装したが赤字は2500万膨らんだということになってしまいます。赤字の幅が広がっているのがわかりますでしょうか。
※ここは本来、正確な読み解きが必要な部分であり、無形資産とはつまりWebtoonの著作物を指すと考えられます。仮に自己評価を高く設定している場合、実際の赤字構造が見えにくくなる恐れがあります。そのため、厳しい判断にはなりますが、正確に損切りを行う必要がある局面です。固定資産の計上額が実態を伴わない形で増えると、資産規模が大きく見えても実質的な改善にはつながらないことがあります。ここで強調したいのは、
問題提起はあくまで課題解決のために行っているという点です。
3. 負債の変化
項目 第6期 第7期 増減額 増減率
流動負債 354,743千円 803,147千円 +448,404千円 +126.4%
固定負債 206,992千円 254,454千円 +47,462千円 +22.9%
負債合計 561,735千円 1,057,601千円 +495,866千円 +88.2%
ポイント
負債は合計約4.96億円増加
流動負債が倍以上に膨らみ、短期借入金や未払金の増加が考えられる
固定負債も増加し、中長期的な借入も拡大している可能性
資産合計とは負債も含めての合計です。融資を受けてそれがどんな資産になって何を生み出しているのかがわかる仕組みになっているのが
このバランスシートと呼ばれているものです。
どんな計算をしても左の資産と右の資産がぴったり一致するものです。
4. 純資産の変化
項目 第6期 第7期 増減額
資本金 100,000千円 100,000千円 ±0
資本剰余金 1,111,502千円 1,111,502千円 ±0
資本準備金 1,111,502千円 1,111,502千円 ±0
利益剰余金 △1,478千円 △76,361千円 △74,883千円
新株予約権 593千円 593千円 ±0
純資産合計 1,210,023千円 1,135,140千円 △74,883千円
7488万の赤字であることがわかります。
5. 赤字の性質(推測を含む)
今回の数字を見る限り、ソラジマの場合は
「売上が伸びても同じ比率でコストも増える」
構造的赤字の可能性があります。
こうした場合、黒字化は容易ではありません。
※この構造はこちらの記事で解説しています。
赤字幅は前期(約5,161万円)から今期(約7,489万円)へと約2,328万円増加(増加率約45.1%)しています。この増加率を流動負債に当てはめると、前期流動負債3億5,474万円に対し、理論上は(増加率約45.1%)約5億1,457万円となる計算です。今期で示された流動負債は約8億円であり、この差額約3億円は、資金繰越や他の要因によって赤字が圧縮された可能性があります。実際の赤字規模については、これらの推定からおよそ3億円程度と考えられる、というのが今回の推測の根拠です。前回の記事で言っていた数字とほぼ一致します。
6. 資金繰りのタイムリミット(一般的推測)
現金残高や赤字幅を踏まえると、現状が続けば2年程度で資金ショートに至る可能性があると考えられます。新たな出資や融資がなければ、資金繰りの厳しさは増していくでしょう。
過去には、YouTube事業で約1億円の赤字を出した際、当時はブルーオーシャンとされていたWebtoon事業へ方向転換したことで資金ショートを回避した事例があります。今回も、仮に同様の事業転換が行われると推察すると、外注クリエイターの方々は契約条件や事業の方向性について、特に注意しておくことが望ましいでしょう。
7. まとめ
今回の決算公告は、単なる数字公開にとどまらず、企業の現状を示す重要なシグナルと考えられます。課題は赤字の有無よりも、その解消に向けた現実的な戦略の見えにくさです。経営陣が率直な情報共有と改善策の実行に踏み出せるかが、今後の行方を左右するでしょう。
会社が立ちいかなくなった場合、先に銀行返済、次に出資者への返還が優先され、給与がどうなるかは不確定です。これは経営判断の大きな転換点といえます。この2期分の決算書をAIなどで確認し、現状を正しく把握して自身を守る行動をとることをおすすめします。
個人的感想と推察
流動資産、流動負債、固定負債の増え方を見ると、長期の折り返し融資や新規融資、短期継続融資を受けた可能性があります。数字上は現預金があるように見えるため、追加融資の理由としては「資産が増えています」というアピールが一因となった可能性も考えられます。ただし、そのために流動負債が倍増する状況は、資金繰り上の負担増につながる懸念があります。
「8億を使って7,500万円の赤字」と「5億を使って3億の赤字」を比較した場合、後者の方が構造的改善案を示しやすいと考えられます。仮に資金の見せ方を優先する経営判断が行われると、抜本的な改善は進みにくい恐れがあります。数字上では8億を投じて赤字が拡大している方が、維持コストや追加資金の必要性が大きくなるため、資金需要も膨らむ構造です。
私の関わっていた当初から、この「本質」についての指摘を歓迎しない傾向が見られました。経営スタイルが大きく変わらないまま規模だけが拡大すると、影響を受ける人員や関係者が増え、リスクも拡大します。現状を正確に把握し、改善に向けた行動が必要です。使用している資金が自己資金ではないことを、関係者全員が改めて理解することが重要です。
