【赤字まみれのWebtoonの現実ー売上に彩られた決算書の不都合な真実】
売上〇億円突破!
なんとも魅力的な言葉ですね。
赤字──それは「成功」ではありません。
こんにちは、個人漫画家のポルリンです。
私はこれまで5年連続でクラウドファンディングを成功させ、
個人でキャラクター事業を展開しながら、
クリエイターのマーケティングについてもnoteで発信しています。
以前、Webtoon企業(ナンバーナインやソラジマなど)の決算書を分析した記事を書きました。
こちらの記事、noteマネーにもピックアップされ
Google検索のトップにきています。ありがとうございます。
今回はその続編として、
「市場が拡大し、売上が伸びているのに、なぜ報酬は増えないのか?」
決算書とビジネスの基本から、その理由を解説します。
■ 売上がいくらあっても、赤字なら意味がない
「売上〇億円突破!」
──この言葉を聞いて、あなたは「その会社は成功している」と感じますか?
財務の基本を知っている人なら、皆このように答えます。
「利益を生んでいない売上には価値はない。」
1クリエイターが言っても説得力は無いと思いますので参考の動画です。
どれだけ売上を上げても、
利益が出ていなければ意味がありません。
むしろ、売上が増えるほど赤字が膨らんでいるなら、
それは「失敗を拡大している」ということです。
■ Webtoon企業の決算書が語る「不都合な真実」
では実際に、業界の決算書を見てみましょう。
WEBTOON Entertainment Inc.(米国)
上場市場:NASDAQ(ティッカー:WBTN)
2024年通期業績:
売上高:13.5億ドル(前年比 +5.1%)
為替影響を除いた売上高:14.4億ドル(前年比 +13.0%)
純損失:1億5,290万ドル
https://ir.webtoon.com/financials
YLAB STUDIOS JAPAN株式会社
親会社:韓国のWebtoon制作会社YLAB。
2023年12月期 決算:
最終損失:9,600万円
https://gamebiz.jp/news/393526
株式会社ナンバーナイン
2024年10月31日 決算
純損失:5,800万円
https://catr.jp/companies/21c4c/51231/settlements/69062/390435
株式会社ソラジマ
2024年03月31日 決算
純損失:5,161万4,000円
https://catr.jp/companies/53964/174456/settlements/17e5a/373788
株式会社フーモア
2025年01月29日 決算
純損失:908万
https://gamebiz.jp/news/402954?utm_source=chatgpt.com
知っていましたか?ほとんどの企業が赤字です。
これは、市場が拡大しても売上が立っても
利益が出ないビジネスモデルであることを、
数字が物語っています。
■ 「赤字は投資」という言い訳にごまかされるな
「今はシェア拡大のための投資フェーズだから」
「将来回収するために、今は赤字でいいんだ」
──そんな声もよく聞きます。
たとえば楽天モバイルは、電波が悪いと言われながらも、
基地局を増やし続けました。
それは安定した収入源が他にあったからです(楽天市場、楽天証券など)
最近ようやく、全国で使えるレベルの電波を手に入れています。
これは明確に「投資」ですし他の安定した収益もあるので投資する余裕があったのです。投資とは余裕資金から行うものです。これは基本です。
基地局という資産が残るからです。
しかし、Webtoonはどうでしょうか?
作品は、基地局のように「作れば作っただけ利益を生み続ける」ものではありません。
旬が過ぎれば読まれなくなり、
新刊が出なければ既刊も動かなくなる。
それを一番わかっているのは、
出版社、編集者、そして私たち作家自身です。
■ 売上が拡大すれば利益が出る──は間違いです。
「今は赤字だけど、売上が拡大すれば黒字化できる」
「市場が拡大していけば大丈夫」
「インプレッションが増えれば、読者が増えれば」
──そう考えていませんか?
でも、その売上を拡大するために
いくら必要でしょうか?
市場の拡大についていくためのコストは?
インプレッション数を増やすための広告費は?
読者を増やすための施策にかかる金額は?
作家の皆さんが勘違いしがちなことがあります。
作品は「面白いから売れる」のではありません。
売るから売れる。見せるから見られる。
もちろん、一定以上の面白さは必要です。
でも「見せる場をつくる」ためには、お金が必要なのです。
売上が拡大したとき、そこには必ず「かかるコスト」も増えていきます。
収益化ができていない段階では、売上と比例して赤字も拡大する──
これはわたしの予想を言ってるのではありません
財務の基本の話をしているだけです。
運転資金とは売掛金+在庫-買掛金
電子なので在庫は存在しないと考えるかもしれませんが、
その作品を見られるために継続して作品を描き続けなければならないため
「在庫」と考えて良いでしょう。でなければ「打ち切り」はありません。
作品を在庫と考えたらそれを売るために必要な資金が「運転資金」なのです。タダで売れる訳じゃないんです。
つまり規模が拡大したら使うお金も増えるんです。これが現段階で収益化がたっていないと売上を上げても黒字化しない正体です。
これはビジネスと資金繰りの基本です。
個人のクリエイターが言っても信憑性はないと思いますので
こちらの動画がとてもわかりやすいです。
■ 「何本打ち切りました!」とは言わない業界
「この作品が絶好調です!」
──そう聞いたことがあると思います。
でも、その一本を生み出すまでに、
いったい何本の作品が犠牲になったか?
そのヒット一本を作るまでに、
どれだけの人件費と制作費を溶かしてきたのか?
この計算を、エンタメ業界はなぜかしません。
「〇〇万部売れました!」とは言うのに、
「何本打ち切りました!」とは言わない。
普通の企業なら、
失敗も含めてトータルでいくら儲かったのかを計算します。
でもこの業界は、赤字の部分をなかったことにしている。
なぜか?
それが自分たちの責任だと思っていないからです。
作家のせいにするのは簡単ですがWEBTOONは企業が著作権を持つスタイルなのでそれは通用しません。これに似たスタイルがゲーム会社です。
ゲーム会社が1つのヒット作を産み出すまでにかかったコストはしっかり計算されます。しかしWEBTOONの経営陣が集まって話していたミライ会議では「いいクリエイターが居ない」などの会話がされており、作品数に比べてヒット数が少ないのは自分達の責任とは微塵も思っていない会話がそこに広がっていました。
■ 「一人当たりの粗利」という基本
ビジネスの基本指標に、こんなものがあります。
「一人当たり月80万円の粗利が必要」
これは社員だけでなく、
関わっている外注スタッフやクリエイターまで含めた数字で考えねばなりません。まさかクリエイターは外注だからそんなに必要ないなんて思ってませんよね。
たとえば20人が関わっていれば、
月1,600万円以上の粗利が必要。
Webtoon企業はこの計算をしていますか?
社員+関わったクリエイターが一体何人いるのでしょうか。その粗利は?
事業が拡大すればするほど人件費もかさみますしやることも増えます。
何十人がかりで赤字を垂れ流しているのか?
これが「健全な事業」だと本当に思いますか?
企業もクリエイターももっと数字を気にするべきです。
■ 個人クリエイターが出せる利益は、実はとても大きい
私は個人で事業を運営し、
5年連続でクラウドファンディングを成功させています。
「カフェちゃん」というキャラクター。
知らない人も多いでしょう。
その程度の知名度でも、
月100万円以上の粗利を出せる事業を個人で回しています。
必要なのは、「出版社が大きいから」「企業だから」ではなく、
ビジネスの基礎を理解しているかどうか。
ボクが言いたいのは個人のクリエイターの力は
もっと大きく広げることが出来る。
作品を自分の資産にすることが出来る。ということです。
■ なぜこんなことが言えるのか?
それは、自分自身をモデルにして証明しているからです。
私は個人で、利益剰余金(ためた利益)を
多くのWebtoon企業よりも高い水準で維持しています。
もちろん売り上げはとても敵いません。
個人でやっておりますので。
でも利益はどこよりも出しています。
これは、「ポルリンだから特別にできた」という話ではありません。
ビジネスの基礎があれば、誰でもできる話です。
■ クリエイターには、その力がある
私は、クリエイターにはその力があることを知ってほしい。
そして、これを交渉の材料にしてほしい。
どちらが自分にとって利になるのか?
本当に企業と組むべきなのか?
自分でやった方がいいのか?
冷静に考えるための判断基準として、この事実を参考にしてください。
現段階で収益化がたっていないビジネスモデルで報酬が増える訳がありません。あなたが社長ならどうしますか?原価を削るか人件費を削るかするでしょう。でも市場は拡大していくのでやることはたくさんあります。山ほどあります。市場の拡大についていくために更なるお金を投入しますよね。制作するクリエイターにお金の投入するのではなく市場の拡大に投入したい。そう思うはずです。
アニメもマンガもゲームもクリエイターの名前は作品に刻まれています。
それが我々の「生きた証」だからです。
「あなたの名前はどこに書かれていますか?」
あなたの作品の資産はありますか?
こちらについて配信でも解説しました。
表ではなんと言っていても裏ではクリエイターのことをどのように思っているのでしょうか。一つの証拠がこちらです。
■ マーケティングのことなら、ここでいつでも無料で公開しています
マーケティングやビジネスのことがわからなくても大丈夫です。
私はこのnoteで、
ノウハウを無料で公開しています。
「自分にはできない」と決めつける前に、
ぜひ学んでみてください。
クリエイターの未来は、
もっと自由で、もっと健全であるべきです。
とかくこの業界はこの手の話題を数字で語ることを嫌いますし
数字で語るクリエイターも嫌われます。
数字に強い人には色々バレているから言われたくないし雇おうとしません。だから誰も口にしてきませんでしたが、そろそろちゃんと向き合った方が良いと感じます。

