第3回|4年半の片思いが成就した瞬間に覚えた、わずかな違和感。それが前兆だった...
このNOTEは、不倫を繰り返して妻子と別居した私の「異常さの原因」を掘り下げるために書き始めました。
まず、妻との出会いから、書き起こしています。
◇ ◇
生来の計画性の無さがたたり、
就職が決まらないまま大学を出てしまった23歳の春。
フリーター生活をしながら細々と就活を続け、奇跡的に志望業界から内定を得たのは、9月のことでした。
「やっと、彼女に会いに行く資格ができた」
真っ先に浮かんだのは、
大学入学直後に一目惚れし、4年半、片思いしていた彼女の顔でした。
恋愛という観点から見ると、僕の大学生活は全く不毛でした。
4年間、ほぼ彼女なし。
2年半ぶりに送信した、ガラケーのショートメール。
待ち合わせたのは、幹線道路沿いのデニーズでした。
再会した彼女は、4年半前と変わらず僕の話に心から共感してくれて、
優しい微笑みを向けてくれました。
やっと、僕の暗黒時代にも終わりが来るかもしれない。
そんな予感に胸を躍らせて、
その日は夜遅くまで彼女と話し込みました。
しかし、それがまさか、
彼女を不幸にするカウントダウンへの始まりだったとは…
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築40年、6畳一間の和室。冷凍たこ焼きと「人生で一番幸せな日」
当時、彼女も僕も、一人暮らしをしていました。
2年半ぶりに再会した翌週の金曜日、彼女が僕の部屋に遊びに来てくれて、
週末の夜を一緒に過ごしました。
当時、僕はまったく料理ができず。
おもてなしのために用意したものと言えば、
レンジでチンする冷凍のたこ焼き。
スーパーの総菜コーナーのピザ。
缶ビール。
…今思うと、何ともお粗末です。
おまけに僕の部屋は、築40年は立っているおんぼろアパート。
部屋は6畳一間の和室でした。
それでもこの時は、ウキウキ感しかありませんでした。
彼女も、同じ気持ちだったと思います。
彼女とはこの日もたくさん話をしました。
ハッキリ告白したわけではないけれど、
「これからも一緒にいたいね」
とお互いの気持ちを確かめ合った…
という感じ。
夜は、狭いシングルベッドで一緒に休むことに。
彼女の体調の都合で、この日、結ばれることはありませんでしたが、
たぶん、人生でいちばん、
幸せな気持ちだったのがこの日でした。
次の土曜日の朝。
僕がまだ眠りこけている間に彼女は起き出して、
コンビニでパンと卵とハムを買ってきて、
ガスコンロが一口しかない狭い台所で朝ご飯を作ってくれました。
彼女は平日が仕事。僕は土日がバイト。
この時期、週末を一緒に過ごすことはできませんでした。
僕は満ち足りた気持ちで彼女をバス停まで送ったあと、
原付でバイト先へ。
こうして、僕の人生で一番幸せな一日が終わりました。
入社前の自己研鑽を捨てて、ドラクエ6に没頭。僕の「ものぐさ」な本性
彼女は毎日、9時から18時まで仕事。
僕はと言えば、土日メインのバイト以外はすべて自由時間という、
人生でもっともお気楽な時期でした。
内定先の会社には
「もう大学も卒業しちゃって暇なので、10月から働きたい」
と伝えたのですが、
人事担当者はニコニコしながら
「いやいや、今のうちに遊んでおいた方がいいよ。
春になったら、一緒に仕事しよう」
といって、取り合ってくれず。
結局、僕が望んでいた10月入社は叶わず。
本当に志の高い人間なら、翌年春までの半年間に英語を勉強するとか、資格をとるとか、自己研さんに励むのでしょう。
そうしないところが、
一皮むけば「ただのものぐさ」でしかない僕の情けないところ。
結局、彼女と過ごす時間と、バイトの時間以外は、
ドラクエ三昧の日々を送りました。
将来を考えて、そこから逆算し、いま何ができるかを見定めて、行動に移す。私の最も苦手とするところです。
この時もまた、貴重な自己研さんの時間をムダにして、
だらだらと過ごしたわけです。
前にも書きましたが、うつの後遺症を引きずっていて、
新しい一歩を踏み出すエネルギーが出ない、という面もあったように思います。
不毛だった大学4年間を埋めるような、彼女との濃密な時間
とはいえ、この就職が決まってから入社するまでの半年間は、
彼女と心が通じ合っていた貴重な期間でもありました。
平日の夜は、仕事が終わって帰ってくる彼女を駅まで迎えに行って、
そのまま彼女の家へ。
一緒に夕食を取り、
シャワーを借りて、
彼女の部屋の小さなベッドに一緒に寝て、セックスをする。
翌朝は一緒に朝ご飯を食べて、彼女を送り出す。
僕は遅れて身支度をして、彼女に渡された合い鍵で戸締りをして、
そのままバイトへ。
バイトがない日は自分のねぐらに帰って、
魔王ミルドラースを倒す旅へ。
(暇な時間は全て、ドラクエ6につぎ込んでいました)
半同棲のような生活をしていました。
大学時代は、恋愛経験も性体験も「ほぼゼロ」
順番が前後しますが、彼女と初めてセックスしたのは、
最初に彼女の家にお邪魔した時でした。
それ以来、彼女の家に泊まるときは、毎日のようにしていました。
付き合い始めの新鮮さもあったし、
なにせ僕は大学4年間ずっと彼女がいなかったし。
ぼくのそれまでの経験人数は2人。
1人目は、高校3年生の夏から、浪人時代の夏まで付き合っていた彼女です。
2人目は、大学3年の秋、珍しく参加した合コンで知り合った女の子。
連絡先を交換して、2人だけで食事に行って、そのままセックスして。
それでおしまいでした。
(大学時代、こんなことは後にも先にもこの1回でした)
人生でいちばん、自由に恋愛して、自由に女の子と遊べるはずの大学時代、
僕はずっと「彼女なし」で、体験したセックスはわずか1回。
恋愛とか、性的な満足という意味では、不毛な大学時代でした。
その不毛な時代に、ようやく、終わりが来ました。
大学入学直後に一目惚れした相手と、
4年半後に結ばれて、
その間の空白を埋めるように、
2人で時間を一緒に過ごして、
たくさん話をする。
一緒に過ごせる夜は、たっぷりセックスする。
なんだか絵にかいたような恋愛物語です。
芽生え始めた違和感。4年半越しの成就の陰で、僕が感じていた「興奮」の欠落
でも、この頃から、
僕の心の中には、違和感が芽生えていました。
「彼女とのセックスに、俺はあまり興奮していない…」。
そんなことを、ぼんやり感じていました。
でも、そのことには見て見ぬふりをしてフタをしていました。
「僕はいま、幸せなんだ」と思い込もうとしていたのかもしれません。
僕たちは付き合い始めて半年後、同棲を始めます。
’(つづく)
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