個性のあるエッセイを書くには。1000本以上のnoteを書いたライター・いしかわゆきに聞いてみた
読者が思わず読み進めたくなる文章には、共通点があります。
それは、書き手の体温が感じられること。完璧な構成や文章のうまさよりも、言葉の奥にその人らしさがにじむ文章が、心を動かします。
では、どうすれば「自分らしい文章」を書けるのでしょうか?
2025年6月16日、個人の情報発信をサポートする「パーソナル編集者®︎」ユーザーコミュニティでは、作家・ライターのゆぴさんと代表のみずのによる「第4回noteコンサル会」を開催しました。
質の高い記事が集まり、参加者の皆さんからのコメントも活発だった今回のコンサル会。ふたりのアドバイスの内容も一段とレベルアップした印象です。
読者を飽きさせない構成のヒントや、読者が浸れる写真とキャプションの使い方など、記事の魅力をさらに引き出すための具体的なコツが登場しました。
その様子の一部をレポートでお届けします!
登壇者プロフィール

いしかわゆき(ゆぴ)
Webメディア「新R25」編集部を経て2019年にライターとして独立。取材やコラムを中心に執筆する。ADHDとHSPを抱えながら、生きづらい世界をいい感じに泳ぐために発信を続ける。著書『書く習慣~自分と人生が変わるいちばん大切な文章力~』は4.5万部超でベストセラーに。その他著書に『ポンコツなわたしで、生きていく。』『聞く習慣』『ADHD会社員、フリーランスになる。』など。
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みずのけいすけ
goodbuff inc. 代表。企業と個人のブランディング支援をしている。2006年、明治大学政治経済学部を卒業後、広告代理店でのプランナー勤務を経て、株式会社マイナビでメディア運営に従事。2018年、note株式会社に入社後、プラットフォームの急拡大期にディレクターとして関わり、2021年に独立。これまでに、のべ500社以上の情報発信をサポート。法人のメディア運用や、SNS活用法のアドバイスを行っている。
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オリジナリティのある文章を書くヒント
序盤はクスッと、終盤はグッと。心を揺さぶる“緩急のある構成”
まずは、エッセイやコラムを中心にnoteで活躍中のアルロンさんの記事。
「#創作大賞2025」にも応募している作品で、「おじいちゃん子の僕にとって、思い入れの強い記事なので、純粋な感想をもらえるとうれしいです!」とコメントをいただきました。

ゆぴ:すべての描写がていねい!「みかんの皮を剥いてくれた」シーンなんて、よくこんなにもディティールを覚えていますね。
「じいちゃん、がんばれ。」のくだりも、かなりグッとくる。やばい、泣いてしまうかもしれない…。
みずの:いい記事!他の参加者からも続々とコメントが届いていますね。
ゆぴ:一つひとつのエピソードもすてきだけど、何より構成がいいと感じました。
序盤は、小学生時代に描いた「似顔絵」が出てきたところからスタートして読者のワクワク感を高め、ユーモアを交えながら、後半のシリアスな展開に突入する。緩急が大きくて、前半と後半のギャップが読後の満足感をより高めてくれる気がします。
過去の話も、美談だけでは終わらせない生々しさがあって、読み応え抜群です。
みずの:じいちゃんを看取ったシーンでも終わらせられるのに、その後のお葬式の様子まで描いているのが、リアリティがありますね。
アルロン:「エモい」だけではない生々しさや、手紙で始まって手紙で終わるという、全体の流れは自分でもこだわったポイントなので、注目してもらえてうれしいです!
みずの:多くの人に届いてほしい記事ですね。
💡noteのポイント
・序盤は“クスッと笑えるユーモア”、後半は“泣けるエピソード”など読者の感情をゆさぶる構成・表現の工夫を
・細やかな描写でリアリティと余韻を生む
誰が、なぜ、書くのか? “書き手の温度”が読者を引き寄せる
続いては、日本のお酒をこよなく愛するライターこと、キノシタさんのワイン紹介記事です。
「キャリア系の記事は伸びるものの、お酒紹介記事は伸び悩んでいて…」と、もっと読まれる記事にするための具体的なアドバイスを求めている様子です。
ゆぴ:パッと見た感じ、とても文章が上手だと感じました。でもなぜ伸びないんでしょう…。伸びているお酒紹介記事を観察して、その要素を取り入れてみてもいいですね。
みずの:僕は、「なぜキノシタさんがこの記事を書くのか」のスタンスを、記事でももっと見せてほしいと思いました。今はハウツー記事に寄りすぎているから、ご自身が楽しみながらワインを飲んでいることがより伝わると、もっとオリジナリティが出て読まれそうですね。
ゆぴ:たしかに、「47都道府県のお酒を飲んだ私」「月一でホームパーティを開く私」など、キノシタさんを知らない人でも読みたくなるような権威性や人柄が一言で伝わるといいですよね。
導入やタイトル、プロフィールに取り入れるだけでも、記事に興味を持つ人が増えると思います。

みずの:「うん、もう推したい酒だけで、残りの人生とカロリーを満たしたい」。ここ、お酒好きが伝わって最高!太字にして目立たせましょう。
ゆぴ:あとは、タイトルも「ワインセトリ」だと馴染みがなくて興味を引きづらいから、「ワインのセットリストを組んでみた」ぐらい説明してあげたほうがわかりやすそう。
アイキャッチももう少しワイン感が伝わる写真を選べるとベストだと思います!
💡noteのポイント
・最初の数行で「なぜこの記事を書くのか?」が伝わると、読みたくなる
・権威性や人柄、書き手ならではの経験で記事に説得力を生む
読者の心を動かすのは、“上手さ”ではなく、“らしさ”。
最後は、育児の思い出を綴ったやきいもさんのこちらのnote。
「忘れたくない感情を文章に残せたnoteで、今読み直しても、“書いてよかった”と心から思える記事になりました」とコメントをいただきました。もっとよくなるポイントがあれば、“強めのフィードバック”がほしいとのこと。
ゆぴ:目次で始まるのが、ちょっともったいないかも。ワードチョイスはどれもすてきなので、「衣替えの季節」からはじめたほうが、より読者の心に入りこめると思います。
あと、写真の入れ方も工夫できそうですね。キャプションでやきいもさんの想いが伝わる部分もあれば、逆にキャプションがないほうが写真に浸れることも。
1枚目のベビー服は、キャプションなしの写真だけにして、まずはそこにパッと目がいくほうが演出的にいい気がします。

ゆぴ:見出しも、まだまだ工夫できそうですね!段落の内容を要約した見出しではなく、もっとやきいもさん“らしさ”が乗るといいんじゃないかな。たとえば本文中に記載されている「たかがベビー服、されどベビー服。」とか。とてもいい1文だと思うので、このまま見出しにできますよね。
みずの:見出しらしい見出しがなくても、今回の記事は写真が多いから写真で話を切り替えるのも一つの手ですね。それにしても、お子さんへの愛を感じるいい写真ばかり。
ゆぴ:そうですね。アイキャッチも、「みんなのフォトギャラリー」ではなく、ベビー服の写真でもいいと感じました!
やきいも:自分の写真にあまり自信がなくて、ギャラリーのアイキャッチにしていました。
ゆぴ:すてきですよ!我が子のベビー服はママ・パパにしか撮れない写真なので、お子さんがいるすべての大人の目を引く記事になるはずです。
あと私の1番の推しパートは、後半の「60サイズの服」の話。それぞれのサイズに子どもの成長がつまっていそうで。やきいもさんにしか書けない思い出もセットで書くことで、全ママ・パパが泣きます。

みずの:すでに9人のママさんからコメントがついているのも、この記事にやきいもさんの想いが乗っているからこそですね。
💡noteのポイント
・あえて写真のキャプションをつけないことで、読者が“浸れる時間”をつくる
・エッセイの見出しは要約ではなく、書き手の言葉を乗せる
次回のコンサル会は7月7日。創作大賞締め切り前、最後の開催です!
すでに読み応えのある記事ばかりなのに、「まだまだよくなるポイントがこんなにも見つかるのか!」と、驚きの連続だった6月のコンサル会。
ゆぴさんとみずのさんの的確なフィードバックを聞いていると、自分の記事への向き合い方も変わり、書くことへの気持ちが一層高まりました。
第5回は、7月7日に実施しました。レポート記事は後日投稿予定です!
※「パーソナル編集者®」ユーザー限定のイベントです
制作:ふたり広報(執筆:水元琴美 / 編集:金井みほ / 撮影:三浦えり)
