ミオ&マオが「性」に行動を支配される場合の薬物治療について解説
性的な行動を減らしたいのに、何度試しても止められない。
仕事や人間関係、健康に影響が出ても続いてしまう。
一般にセックス依存と呼ばれる状態の一部は、強迫的性行動症として医療的な支援の対象になります。
ただし、性欲が強いこと自体を病気と判断するわけではありません。
薬にできることと、薬だけでは解決しにくいことを分けて考えてみます。
▼この記事で分かること

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性欲の強さだけでは診断されない
ミオ:
セックス依存って、性欲が強い人のことなの?
マオ:
そんなことない。性欲の強さや性的な好みの違いだけで、強迫的性行動症と判断されるわけじゃないよ。
ミオ:
じゃあ、何が問題になるの?
マオ:
性的な衝動や行動を繰り返し制御できず、減らそうとしても難しい状態が続いていること。
さらに、仕事、健康、人間関係などに大きな影響が出ているかが重要になる。
ミオ:
後悔しているだけじゃ診断にならないんだ。
マオ:
うん。道徳観や倫理観に反したという罪悪感だけでは診断されない。
本人が困っていることは大切だけど、罪悪感と行動を制御できない状態は、同じではないんだ。
ミオ:
治療は性欲をなくすためにするの?
マオ:
そうじゃない。衝動に生活を支配されず、自分で選びたい行動を選べる状態を目指すんだ。
衝動の背景も一緒に確認する

ミオ:
意志で止められないなら、やっぱり依存ってこと?
マオ:
強迫的性行動症はICD-11では衝動制御障害に分類されている。
ただ、行動だけを見て決めつけると、背景を見落とすことがある。
ミオ:
背景って、例えば?
マオ:
孤独やストレス、落ち込み、不安などから一時的に離れるために、性的な行動を繰り返している場合がある。
その後に後悔や生活上の問題が増えて、さらに苦しくなることもある。
ミオ:
苦しさを忘れるための行動が、次の苦しさを作るのか。
マオ:
そういう循環が起こることはあるね。
スマートフォンや匿名で利用できるサービス、すぐに使える決済環境が、行動を止めにくくする場合もある。
ミオ:
本人の根性だけで対抗するには、環境が強すぎることもありそうだな。
マオ:
だから、本人を責めるより、どんな場面で行動が始まりやすいかを一緒に整理することが大切なんだ。
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薬は衝動を和らげる補助になる
ミオ:
結局、薬を飲めば止められるの?
マオ:
飲むだけで性的な行動を止められる、という薬ではないよ。
研究では、SSRIのパロキセチンやナルトレキソンが検討されているけど、効果の評価は一貫していない。
ミオ:
効く人もいるけど、誰にでもとは言えない?
マオ:
そう。医師による評価では改善がみられても、本人が回答する尺度ではプラセボとの差が明確でなかった研究もある。
ミオ:
じゃあ薬は意味がないの?
マオ:
そうでもない。薬によって衝動や頭から離れない考えが少し弱まり、心理療法や生活の立て直しに取り組みやすくなる可能性はある。
ミオ:
薬が治療の本体というより、取り組む余裕を作る感じか。
マオ:
そうともとれるな。薬には副作用もあり、国内での承認状況や使える条件も薬ごとに異なる。
抗アンドロゲン薬も、一般的な強迫的性行動症に広く使う薬ではない。
自己判断で薬を始めたり、手元の薬を増減したりしないことが大切だよ。
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抗うつ薬は性的な関心や機能に影響することもあります。治療目的の作用と副作用を混同しないためにも、変化があれば処方医へ相談することが大切です。
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『抗うつ薬で性欲が落ちた?原因と相談のポイント』
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心理療法と環境調整が治療の土台

ミオ:
薬だけじゃ治らないなら、何をするの?
マオ:
認知行動療法やACTなどを通して、衝動が起こるきっかけや、その後の行動を整理する。
衝動を無理に消そうとするだけでなく、衝動があっても別の行動を選ぶ練習をするんだ。
ミオ:
でも、衝動が強い瞬間に落ち着いて考えるのは難しくない?
マオ:
だから環境も変える。特定のサイトへのアクセスを制限する、決済方法を見直す、端末を使う時間や場所を決める。
行動までの手間を増やして、立ち止まれる時間作るんだ。
ミオ:
意志だけに任せず、仕組みで助けるわけか。
マオ:
相互援助グループなど、人とつながる支援が役立つ場合もある。
大切なのは、一人で秘密を抱え続けないことだと思う。
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行動を止めにくくする仕組みや、薬だけに頼らない治療の考え方は、ギャンブル依存にも共通する部分があります。
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『【ミオ&マオが解説】ギャンブル依存に薬は効くのか』
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受診では生活への影響を伝える

ミオ:
病院では、全部正直に話さないとだめかな。
マオ:
話しにくいよな。でも、診断名を自分で決める必要はない。
まず、どんな行動にどのくらい時間を使っているか、減らそうとしてどうだったか、仕事やお金、人間関係にどんな影響が出ているかを伝えればいい。
ミオ:
性的な話を細かく説明するのは、かなり勇気がいるな。
マオ:
言える範囲からで大丈夫。
ただ、気分が異常に高ぶる時期がある、薬を変更してから行動が変わったなどの情報は重要だよ。
双極症の躁状態や薬の影響など、別の原因を確認する必要があるから。
ミオ:
全部をセックス依存だと決めつけないためにも、相談が必要なんだな。
マオ:
そう。治療の目的は、性的な関心をゼロにすることではない。
行動に生活の主導権を握られず、自分が大切にしたい暮らしへ戻っていくことだよ。
ミオ:
薬に任せきるんでも、意志だけで耐えるんでもない。
マオ:
背景と環境を整理して、必要なら薬の力も借りる。
一人で結論を出さず、できるところから一緒に組み立てていこう。

