抗うつ薬で性欲が落ちた?原因と相談のポイント
抗うつ薬で性欲が落ちたときの相談ポイント
抗うつ薬を飲み始めてから、性欲がなくなった。
触れられても身体が反応しにくい。
パートナーとの時間を避けるようになった。
こうした変化は、治療中だから我慢すべきものではありません。
ただし、原因がすべて薬とは限りません。うつ病の症状、身体の病気、ほかの薬、ストレスなども関係します。
まずは変化を整理し、安全に相談する方法を考えてみましょう。
▼この記事で分かること
・うつ病そのものが性欲に与える影響
・抗うつ薬で起こりうる性機能の変化
・原因を整理する4つの確認項目
・診察で伝えたい具体的な内容
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うつ病そのものでも性欲は低下する
うつ病では、気力だけでなく、これまで楽しめていたことへの興味や喜びも失われることがあります。
この変化はアンヘドニアと呼ばれ、食事や趣味だけでなく、性的な関心にも現れます。
疲労、不眠、自尊心の低下、パートナーとの関係、妊娠への不安なども影響します。そのため、性欲の低下だけで薬の副作用と判断することはできません。
大切なのは、自分の気持ちが弱くなったのではなく、治療の中で確認すべき変化として捉えることです。

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抗うつ薬は身体の反応にも影響する
SSRIやSNRIなど、セロトニンに関係する抗うつ薬では、性欲低下、興奮しにくさ、勃起や潤滑の問題、オーガズムの遅れなどが起こることがあります。
デュロキセチンの添付文書にも、性欲減退、オーガズム異常、射精障害、勃起障害などが副作用として記載されています。
性機能は、次の4つに分けると伝えやすくなります。
・性的な関心や欲求が減った
・興奮しても身体が反応しにくい
・勃起や潤滑が続きにくい
・オーガズムまで時間がかかる、または達しにくい
どの段階で困っているかによって、考えられる原因や対応が変わります。
薬以外の原因も一緒に確認する
性機能には、糖尿病、心血管疾患、ホルモンの変化、神経の病気なども関係します。
降圧薬をはじめ、抗うつ薬以外の薬が影響する場合もあります。さらに、ストレス、関係性、失敗への不安など、心理・社会的な要因が重なることも珍しくありません。
診察では、次の4点を整理して伝えると役立ちます。
時期
薬を始めた後か、増量後か。それ以前からあったか。
症状
性欲、身体反応、勃起や潤滑、オーガズムのどこが変わったか。
影響
自尊心やパートナーとの関係に、どの程度影響しているか。
ほかの変化
月経、睡眠、気分、体重、飲酒、持病や併用薬に変化がないか。
メモにして持参しても構いません。すべてを一度に詳しく話す必要もありません。

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自己判断で中止せず調整を相談する
性機能への影響が疑われる場合も、対応は薬を我慢するか、すぐにやめるかの二択ではありません。
症状や回復の程度を見ながら経過をみる、用量を検討する、別の作用を持つ薬へ変更するなど、複数の選択肢があります。どの方法が適するかは、うつ病の状態や再発歴によって異なります。
海外ではブプロピオンが選択肢になることがありますが、日本ではうつ病治療薬として承認されていません。個人輸入による使用は避け、国内で可能な方法を主治医と検討する必要があります。
まれに、SSRIやSNRIの中止後も性機能の変化が続く例が報告され、PSSDと呼ばれることがあります。ただし、発生頻度や原因には不明な点が多く、誰にでも起こると考える必要はありません。
不安から急に減量・中止すると、離脱症状やうつ病の再燃につながる可能性があります。
薬を安全に続けながら、生活の大切な部分も守る。
そのための調整を、診察室で一緒に探していくことが大切です。

性の悩みも治療の一部として話してよい
性欲や性機能は、生活の質やパートナーとの関係に関わる大切な健康課題です。
恥ずかしさがあるのは自然なことです。それでも、医療者にとっては食欲や睡眠の変化と同じように、治療を考えるための重要な情報になります。
うまく説明できなくても、
薬を始めてから性の面で困っています
と伝えるだけで、相談は始められます。
自分を責めず、薬も急にやめず、今の治療と大切にしたい生活の両方について話してみてください。

