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【ミオ&マオが解説】ギャンブル依存に薬は効くのか

ギャンブルをやめたいのに、衝動を抑えられない。借金や家族への影響が分かっていても、また賭けてしまう。

これは、単純な意志の弱さや性格の問題ではありません。では、衝動を抑える薬はあるのでしょうか。現在研究されている薬の役割と、回復の中心となる心理・生活面の支援を、ミオとマオが整理します。

▼この記事で分かること

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⏱この記事は約6分で読めます

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ギャンブルを止める特効薬はない


ミオ:
ギャンブル依存を止める薬って、あるの?

マオ:
現在、日本ではギャンブル障害そのものを適応として承認された薬はないんだ。海外のガイドラインでも、薬物療法は最初に選ぶ治療ではなく、心理療法を補う位置づけになっている。

ミオ:
じゃあ、薬がないなら治療もできないってこと?

マオ:
そんなことはない。ギャンブル障害には、脳の報酬への反応だけでなく、気分、考え方、借金、孤独、賭けやすい環境などが関係している。薬が中心ではないからこそ、ほかの治療を組み合わせる意味があるんだ。

ミオ:
意志だけで耐えるか、薬で止めるかじゃないんだな。

マオ:
そう。本人を責めるより、続いてしまう仕組みを一つずつ変えていく治療が大事。

衝動を弱める薬の研究


ミオ:
承認された薬はなくても、研究されている薬はある?

マオ:
比較的研究されているのが、レビア(ナルトレキソン:アルコール依存治療薬)やセリンクロ(ナルメフェン:アルコール依存治療薬)などのオピオイド受容体拮抗薬だよ。ギャンブルで得られる興奮や満足感に関わる報酬反応を弱め、強い衝動を抑えられる可能性が検討されている。

ミオ:
飲めば、賭けたい気持ちが消える?

マオ:
うーん…レビア(ナルトレキソン)は、心理療法を行っても十分な改善が得られない場合や、再発を繰り返す場合に検討される薬なんだ。誰にでも同じ効果が期待できるわけではない。

ミオ:
日本で使うときは?

マオ:
ギャンブル障害への使用は適応外になる。医学的な必要性、安全性、本人への説明と同意を含めて、主治医が慎重に判断する必要があるよ。

ミオ:
普通に処方してもらえる薬、という扱いではないんだな。

マオ:
そう。肝機能や腎機能、服用中の薬も確認する。特にオピオイド鎮痛薬を使っている場合は重要だから、自己判断で試したり、薬を変更したりしてはいけない。

併存症と服用薬を見直す


ミオ:
抗うつ薬や気分安定薬は使えないの?

マオ:
研究はされているけれど、ギャンブル行動そのものを抑える効果については、まだ根拠が限られている。ムコフィリン(N-アセチルシステイン)やトピナ(トピラマート)なども検討されているけど、誰にでも使える標準治療とはいえないよ。

ミオ:
じゃあ、薬を使う意味はどこにある?

マオ:
うつ病、不安症、ADHD、双極症などが一緒にある場合、その不調を治療することには大きな意味がある。気分の落ち込みや衝動性、躁状態がギャンブル行動に影響していることもあるからね。

ミオ:
ギャンブルだけを切り離して考えないってことか。

マオ:
その通り。それと、服用中の薬が影響していないかも確認したい。パーキンソン病に使うドパミンアゴニストや、エビリファイ(アリピプラゾール)では、衝動制御の問題としてギャンブル行動が現れたり、悪化したりする可能性がある。

ミオ:
薬が原因かもと思ったら、すぐやめたほうがいい?

マオ:
自己判断で中止や減量はしないでね。いつから行動が変わったか、服用中の薬は何かを医師や薬剤師に伝えて、一緒に見直すことが大切だよ。

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回復の中心は心理と生活の支援


ミオ:
薬より心理療法が中心なのは、どうして?

マオ:
ギャンブルを続けてしまう引き金を知り、衝動が起きたときの行動を変える力を身につけるためだよ。認知行動療法では、賭けたくなる状況や考え方を整理して、別の対応を練習していく。

ミオ:
一回学べば、もう再発しない?

マオ:
そこは言い切れない。でも、再発したときも本人の失敗だけで終わらせず、どんな状況で対策が崩れたのかを見直す材料にできる。

ミオ:
日本にはどんな支援がある?

マオ:
集団プログラムのSTEP-G、自助グループのGAなどがある。家族と金銭管理を考えたり、自己排除の仕組みを利用したりする環境調整も重要だよ。

ミオ:
意志を鍛えるより、賭けにくい仕組みを作る。

マオ:
うん。薬が脳や併存症に働きかける選択肢だとすれば、心理療法や生活支援は、衝動が起きても行動に移しにくくする土台なんだ。

一人で抱えず相談につなげる

ミオ:
どのくらいになったら、医療機関に相談したほうがいい?

マオ:
ギャンブルを隠すための嘘が増えた、返済のためにさらに賭けようとしている、生活費や他人のお金に手をつけた。そうした変化は、相談を考えたいサインだよ。

ミオ:
もう死ぬしかない、と考えるほど追い詰められている場合は?

マオ:
その気持ちも隠さず伝えてほしい。ギャンブルの問題だけではなく、今の安全や心の状態を含めた支援が必要になる。

ミオ:
受診では何を話せばいい?

マオ:
いつから、何に、どのくらい賭けているか。借金、家庭、仕事への影響、眠れない、気分が沈む、イライラするといった症状も伝えよう。服用中の薬が分かるお薬手帳も役立つよ。

ミオ:
全部きれいに整理してから行かなくてもいいんだな。

マオ:
もちろん。うまく話せない部分も含めて相談だからね。薬だけに答えを求めず、心理療法、金銭管理、周囲とのつながりを組み合わせていく。自分一人の意志ではなく、仕組みと支援を使いながら進めていこう。

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