潰される 質問攻めに 声震え 自信を無くす 弱き心よ┃特別養子縁組┃やっと漕ぎ着けた1次面接②
男性の社会福祉士の方と女性の看護師の方の2人の面接官、そして記録用に録音を担当する看護師の方が部屋の片隅に1人。そんな中で始まった面接は、最初はよくある自己紹介のような会話から始まり、色々な話をしながら段々と本題に入っていく。
なぜ特別養子縁組で子どもを授かりたいと思ったのか、里親研修の講義で学んだことはどうだったか。真実告知は何歳でどのようにするか、今から2人でそのことについてきちんと考えているか。子どもがよくないことをしたときには、どのように伝え、教えていくか、しつけとはどのようなことなのかなど、延々と尋ねられた。
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書類審査の段階で書いていた内容と、ほぼ同じ質問だと感じつつも、実際に面と向かってそれを答えられるか、そこから質問を広げた時に、内容からずれることなく話せるか。書いたままのことを本当に心からそう思っていてすぐ言えるのか、また、その思いが夫婦で一致しているかなど、きっと表情も見て再確認されているのだろうと思えた。


そんな質問からの私達の考えでした
本当はもっと大変で、こんな綺麗事では済まされないと思うも、本当にどんな子でも受け入れる覚悟はあるか、重症心身障害などへの理解もきちんとあるかなど…色々な質問を受けては答えを返していた。
養子を迎えるについての考え方に、夫婦で温度差があるように思われたらよくないので、児童相談所の家庭訪問の時のように、質問には一方がずっと答えるのでなく、交互に話すことにしていた。導入段階の質問は、優しめの口調で穏やかな表情の社会福祉士の男性の方だったが、時間が経つにつれ、質問をされるのが女性の看護師の方へと変わっていく。
看護師の方が次第に厳し目のことを言うようになり、私が話す順番だったが自然と涙と鼻水が出てきて答えるのが辛くなってしまい、それを察した主人が私の顔を覗き込み、アイコンタクトで変わって話してくれた。
私達の考えや迎える子どもへの思いなど、色々な質問に対して私達が確信を持って返す言葉をすべて否定されるように言ってくるので、それ書類に書いていましたよね…と内心思ってしまうほど、それはもう辛い時間だった。その時に、ふと「 何故この方はこんな言い方しかできないのだろう?同じ質問内容でも、言い方ひとつで答えたくなる気持ちも全然変わってくるのに…」…とそのような思いがよぎったが、ある方から言われた言葉をふと思い出した。
それは自分が傷付いたと思うその言葉は、自分の捉え方の問題で、それを言った人は相手を傷つけようとして言っているわけではない…という言葉だった。いや…誰がどう考えてもその言葉は傷つくように言っているよね…と思う時もあるが、それでもその相手は、自分の気持ちをただストレートに伝え、相手が傷つくとかは何も考えずに素直に言っているだけのことで、「 傷ついた…」というのは言われた側の捉え方だというのだ。
確かにそう言われてみれば分からなくもないが、当時の職業柄なのか、やはり「 自分が言われたらどう思うかな?…悲しくなるよね…なんで〇〇ちゃんそんなこと言っちゃったのかな…」なんて子どもに話すことが多かったからか、この方はどうしてそんな言い方になるのだろうと、ついそう思ってしまう自分がいた。
けれど、気を付けないとこの思いも、心のどこかでその人を責めてしまうことになるのだろうな…と感じながら、主人が代弁してくれて少し落ち着けた時に、涙を堪え鼻を拭きながらも、そのことについて思い返していた。
手間味噌ながら、色々な人から芯が強いよね…とか素直だよね…とか言われることも多く、今の時代はポジティブな考え方に切り替えることが多いので、単に我が強いことも『 自分のやりたいことを貫き通すことが出来る』とか言われるのかもしれない。けど私のそれは、端的に言うと、意地っ張りな所からきているので、芯が強いとかでなく人前で泣くのが嫌だという、ただそれだけのことだった。
人前では泣けない、泣きたくない…そんな昔から変わらない負けん気が出てきて、鼻水と涙が出てきて少し上を向いてはここまで来て泣くまいと、鼻をすすり目尻を指で拭い、気持ちを切り替えていたが、看護師の方はそんな私にも情け容赦なく、立て続けに質問攻めして畳み掛けてくる。
主人に代わってもらい少し落ち着いて、次は私が答えようと思い話を聞いているも、いざとなると看護師からの厳し目の質問に、またしゃくり上げながら震える声で答えることになり、頑張りたかったけど思うように話せず、帰りたい気持ちでいっぱいだった。
もう本当に受かる自信が全く無く、絶対落ちる自信はあった。
壁掛け時計を横目で見ると、もう5時手前。外は変わらず明るく、あと少しで3時間近く経とうとしているのも全然気付かないくらいだった。
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