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運慶仏をつくる【第13話】 玉眼との戦いは終わらない 後補編

今度こそ、玉眼との最終決戦だ

やはり「戦争を終わらせるのは難しい」のだろうね。
再び、玉眼と戦うことになってしまった。

そもそものきっかけは、復元彩色バージョンに黒眼を入れたことだ。
「開眼供養」というほどだから、眼を入れるのは(たとえプラモデルでも)最後の最後にするべきなんだろうが、つくりおきしたΦ1mmほどの黒眼をなくさないように、さっさと貼りつけてしまうという作戦だ。

古色彩色バージョンでは事前調査の不足で玉眼(というLED電飾)にしてしまったが、復元彩色バージョンは実物どおりに彫眼とした。
おかげで、LEDを発光させるために眼球の部分をくり抜いたり、透明の白眼を組み込んだりといった作業が不要になり、キット本来の造形をそのまま生かすことができた。
そのせいもあってなのか、古色彩色バージョンで使った小サイズ(Φ1.2✕1.0✕0.8mm)の黒眼よりも、大サイズ(Φ1.5✕1.2✕1.0mm)の黒眼のほうが眼球全体とのバランスがよさそうだったので、そちらを使うことにした。
海住山寺の持国天像を目指し、虹彩の縁は金色ではなく赤色にした。また、図録の写真 *1では眼球が血走っているように見えるので、アクリジョンのクリアレッドで眼のふちをひと塗りしてみた。

なかなか持国天らしいお顔になったかと思うが、眼の充血ぐあいはもうひと工夫必要かな。

なかなかいいじゃないか。
これにて一段落。胴体の塗装再開に入るつもりでいたのだが、ここで玉眼との予期せぬ戦いが発生してしまったというわけだ。
というのは、彫眼した復元彩色バージョンの持国天のお顔を見ていて、ひょっとしたら古色彩色バージョンの黒眼も大サイズに換装したほうがいいんじゃないかと考えてしまったのである。

思わぬ戦闘再開だ。
とはいっても、アクリジョンのクリアで仮止めしているだけなので、簡単に取り外せる。
せっかくだから、まぶたの造形もやりなおすことにした。
学生時代にちょっとだけかじった彫刻のように、正面からのかたちがそこそこうまくいっても、側面から見ると納得できなかったり、なかなか満足できる出来にならなかったのだが、なんとか折り合いをつけて戦闘を終結させた。

これが再修正したお顔だ。

復元彩色バージョン史上もっともイケメンになったと思うのだが、どうだろうか? 白眼は、復元彩色バージョンにあわせてクリアレッドで軽めに縁取りした。

アップにするとこんな感じ。

クリアレッドをちょっと足しすぎたかな。経年劣化した玉眼の雰囲気を出したかったんだけど。

ツーショットで睨み合うお二人もどうぞ。

BGMには、サラ・ブライトマンの「クエスチョン・オブ・オナー」がよく似合いそうだ。

味方同士ということで、隊列を組ませてみた。

仏敵になりさがって、こんな奴らとは戦うのはちょっと避けたい。

古色彩色バージョンは、これにてほんとうに完成だ。
今度こそ玉眼成就ということにしよう。今夜は、奈良の辛口「春鹿」で開眼供養かな。

次回からは、復元彩色バージョンにもう少し色を重ねていく。

*1 『 特別展 みほとけのかたち -仏像に会う-』(展覧会図録)奈良国立博物館、2013年、63p。および『興福寺中金堂再建記念特別展 運慶』(展覧会図録)東京国立博物館、2017年、196p。


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