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与座、ペットヌン勝利、シャドーはNC~7月開催、ONE Friday Fights 116と Fight Night 33より

8月1日に上梓した著作「ムエタイ裏街道」の準備に思いのほか時間が掛かり、7月の後半は記事更新がほぼできない状況だった。タイムリーではないが、7月にルンピニースタジアムにて現地観戦したONEチャンピオンシップの2大会について、取り上げたい。

ONE Friday Fights 116 については、7月18日に行われ、与座優貴三浦彩佳、和田竜光、箕輪ひろば、谷津晴之の日本人5選手が出場した。タイでも注目を集める与座優貴は、元ONE王者のペッタノン・ペットフォーガスと対戦し、谷津晴之が元ラジャダムヌン王者のペットヌン・ペットムエタイジム(アイザック・モハメド)と対戦した。

また、ONE Fight Night 33 については7月12日に行われ、セミファイナルでは、ONEムエタイフェザー級3位のシャドウ・シンハーマウィンは、モハメド・ヨネス・ラバー(アルジェリア)と対戦した。


ペットヌン・ペットムエタイジム(アイザック・モハメド)対谷津晴之

タイ在住のアルジェリア系フランス人のペットヌン(アイザック)は19歳の元ラジャダムヌンスタジアム認定ライトフライ級王者で、通算戦績は33勝13敗、昨年12月に来日し、RWS JAPANで、吉成名高の持っていたラジャダムヌンスーパーフライ級王座に挑戦したが5回判定負けした。その後、先に参戦した弟のペットサーンを追いかけ、今年5月にONEデビュー、イタリアのアントニオ・ピアラにKO勝ちした。ただし、5分間にダウンを6度応酬という激戦で、ペットヌンは2度倒されている。今回の谷津戦がONE第2戦となる。

一方の谷津は22歳、新興ムエタイジム所属で、日本国内ではNJKFで活動している。昨年5月よりONEチャンピオンシップに参戦し、4戦4勝(3KO)と負けなし。日本人選手には珍しく、4戦は全てムエタイマッチという本格派である。元ラジャ王者のペットヌンを倒せば、タイでの知名度も一気にアップする。

117ポンド(53.1キロ)契約、ムエタイ3回戦で行われたこの試合、ゴングと共に、ステップを踏んで左右ローキックを繰り出す谷津だが、距離が詰まると、ペットヌンの左フックを喰らい、バランスを崩す。好戦的なペットヌンの攻撃に巻き込まれた谷津は、危険な距離でパンチを繰り出してゆくも、そのパンチはペットヌンを捕えられない。時折、精度が勝るペットヌンのパンチをもらい、顔が跳ね上がる。それでも初回中盤は、谷津が右フックを決めて、連打を繰り出し、ペットヌンに打ち勝つシーンも。ここでペットヌンが後退して、谷津はチャンスを手繰り寄せたかのように見えた。

しかし、ペットヌンは落ち着いて対処し、ラウンド残り30秒に左フック2連打を命中させて谷津はダウン。立ち上がった谷津は再開後、決死の打ち合いに挑み、パンチを振るも、やはりペットヌンのほうがパンチの精度が高い。最後はペットヌンの右ハイキックが谷津の首元にきまり、後方へ倒れた谷津にレフェリーは試合をストップ、初回2分54秒でペットヌンがKO勝ちを収めた。

この日の興行のメインにはペットヌンの弟のペットサーン(ナーヤン・モハメド)が登場、3月の前戦でスプリットで負けた因縁の相手、アダム・ソー・デチャパンと再戦し、今度は2ラウンドKO勝ち。明白な勝利を収めている。

対峙する両者、この試合までお互いONEでは無敗
ペットヌンの左フックに腰を落とす谷津
ハイキックに沈んだ谷津、レフェリーは即試合をストップ

※試合映像(タイ以外の国で視聴できない可能性あり)


与座優貴対ペッタノン・ペットフォーガス

27歳の与座は元K1王者、5月にONEで5戦5勝だった、ロシアのエルブルース・オスマノフを圧倒してONEのリングでデビュー。この試合が2戦目となる。通算戦績は20勝2敗、K1時代から11連勝を続けている。対するのは古豪で元ONEキックボクシングバンタム級王者(ONEバンタム級=65.8キロ)のペッタノン。12歳でデビューしたペッタノンは、39歳のこれまでで359勝56敗の400戦以上の試合をこなしてきた。

ペッタノンはONEではタイ人では珍しく、ムエタイではなく、全てキックボクシングを戦ってきた(3勝1敗)。2022年に秋元皓貴を下して王者になった後でドーピングに引っ掛かり、王座を剥奪された。サスペンド期間を経てONEに復帰したが、試合数がここ5年間で4試合というのも少ない。前戦は、昨年6月のアラヴァディ・ラマザノフ(ロシア)戦で、これに2回KO勝ちしている。現在は、ONEのキックボクシングランキングにはバンタム級3位にランクされている。

バンタム級キックボクシング3回戦で行われたこの試合は、この日の第4試合に組まれたが、観客席からの声援もメインイベント並みで、この日一番の盛り上がりとなった。

初回は与座が矢継ぎ早にローキック、カーフキックを繰り出す。ペッタノンの上体はあまり仕上がっていない印象。それでも動きはムエタイの達人の雰囲気で、決定打はもらわないが、コツコツと左カーフキックをもらってしまう。

2回には与座の左カーフキックでバランスを崩すペッタノン、なんとか持ちこたえたが、与座の左フックからの連打でダウン。立ち上がったペッタノンを攻める与座だが、倒し切ることはできない。3回もペッタノンは首相撲やホールディングも使用してサバイブする。ホールディングで、ペッタノンは減点される。判定決着となったこの試合、3対0で与座が勝利した。

セコンドにはスーパーボン、一方の与座のセコンドには野杁の姿が。スーパーボンと野杁は11月の東京大会(ONE173)で対戦する。
対峙するペッタノンと与座
39歳のペッタノン、端々にテクニックは魅せるものの、与座を止められず。

※試合映像(タイ以外の国で視聴できない可能性あり)

与座の勝利をうけて、ONE側は11月の日本大会(ONE173)でスーパーレック・キアトモー9対与座のビッグマッチを用意した。与座のスタイルがスーパーレックに通用するのか興味深い一戦である。

与座対スーパーレックは日本で


三浦彩佳対ジュリアナ・オタロラ

この日の第2試合に出場した三浦彩佳は女子アトム級(52.1キロ)のMMAマッチ5分3回戦を、コロンビアのジュリアナ・オタロラと戦った。三浦は2019年よりONEに参戦し、ここまで8勝4敗。MMAのONE女子ストロー級(56.7キロ)王座に挑んだ試合を含め、3連敗を喫した時期もあったが、現在は4連勝中。試合では、ONEデビュー戦のオタロアを初回開始早々に寝技に持ち込むなど、ペースを握ったまま圧倒し、最後は腕ひしぎ(アヤカロック)を決めて、初回3分54秒でオタロラがタップ、ONE5連勝を飾った。

リング上での勝利者インタビューでは、ONE日本大会(ONE173)でMMAの女子アトム級の王者、デニス・ザンボアンガ(フィリピン)戦が実現することをONE側より告げられた。2022年1月のストロー級王座挑戦以来のタイトルマッチとなる。

この日、ONEのMMAの日本人常連選手である、箕輪ひろば、和田竜光は共に判定負け。日本人の2勝3敗という結果となった。

オタロアと対峙する三浦彩佳
寝技に持ち込まれ、オタロアはなかなか逃げられない
一本勝ちが決まり、コーナーに駆け上がる


シャドウ・シンハーマウィン対モハメド・ヨネス・ラバー

ONE Fight Night 33 のセミファイナルに出場したONEムエタイフェザー級3位のシャドウ・シンハーマウィンは、ONEフェザー級(70.3キロ)ムエタイ3回戦で、モハメド・ヨネス・ラバー(アルジェリア)と対戦するも、2回NC(無効試合)という意外な結末に終わった。

シャドウは元RWSウェルター級トーナメント覇者のシャドウ、昨年2月のONE初戦は判定負けだったが、以後は5連勝。ONEフェザー級(70.3キロ)のタイトルマッチを目指す25歳。一方のラバーはONEでは2勝1敗、ベテランのセーマペッチ・フェアテックスとは1勝1敗と星を分け合っている。

試合は、初回終盤に右フックでラバーを倒したシャドウが、このままラバーを仕留めると思いきや、2回開始早々、シャドウのヒジがラーバーの顔面をかすると、左のヒジが右目に入ったようで、そのまま戦意喪失。サミングでラバーが続行不可能となり、裁定は無効試合となった。シャドウにとっても不運な試合であった。

シャドウは、9月6日のONE FIGHT NIGHTに出場し、バムパラ・コウヤテ(フランス/マリ)と対戦する。バムパラはONEでは2勝1敗だが、前戦ではタワンチャイ、スーパーボンの好敵手であったジョー・ナタウットを初回KOで倒しており、危険な相手とも言える。

シャドウのローキック
シャドウ対ラバー戦は意外な結果となった
サミングにて負傷のラバー
9月6日に次戦が決定したシャドウ

※ルンピニースタジアムでの現地観戦、写真は著者撮影のもの。

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