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センアーティットがONEデビュー戦に勝利、シャドウはKO勝ちで本契約へ~ONE Friday Fights 100 (2025年3月14日)

3月28日にタイを襲った地震の影響で、当日ルンピニースタジアムで開催予定だった ONE Friday Fights 102とラジャダムヌンスタジアムのラジャダムヌンノックアウトの格闘技(ムエタイ)イベントが中止となりました。この日の為に準備されていた選手、関係者の方々は残念な想いをされたことでしょう。お気持ちをお察しいたします。そして、ミャンマー、タイの地震で被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。

さて、ONEチャンピオンシップについては3月23日に大変盛り上がった日本大会がありましたが、ここでは、少しさかのぼって、3月14日の ONE Friday Fights100 をレポートしていきます。3月中にアップしそびれていた記事になります。



ONEチャンピオンシップが毎週金曜に開催しているイベント、Friday Fightsがこの3月14日で100回を迎えた。ONEの顔とも言えるロッタン、スーパーレック、タワンチャイが集結した3月23日の日本大会、Fight Night 72 に注目が集まる中で、その直前にルンピニースタジアムで行われた Friday Fights 100では、タイで人気のファイター、次世代の強豪を揃える豪華興行となった。

この日、ムエタイ16人兄弟の14番目にあたるセンアーティット・ルークサイゴンディンスーパー・ヤイ・チャン(ミャンマー)を相手にダウンを奪う快勝で、キックボクシングルールで行われたONEデビュー戦を白星で飾った。また、元RWS(ラジャダムヌンワールドシリーズ)王者で、昨年ONEに転向したシャドウ・シンハーマーウィンハッサン・バーダニラッド(イラン)を右ヒジでKOして6連勝、ONEチャンピオンシップとの本契約を勝ち取った。今回は、Friday Fights100 について、この2試合を中心に取り上げていく。

ONEの日本語表記がサンガルティット(Sangarthit )となっているが、センアーティット、またはセーンアティットが正しい。タイ語で「太陽の光(แสงอาทิตย์)」の意味がある。

センアーティット対スーパー・ヤイ・チャン

センアーティットの姉アイダロッタン・ジットムアンノンと結婚している為、センアーティットはロッタンの義理の弟にあたる。この日もセコンドには元プロボクサーの実兄と共にロッタンの姿があった。ロッタンは9日後に日本大会での武尊戦が控えている中でのセコンドである。

幼少期よりムエタイのリングに上がり、MMAグローブムエタイの元祖であるMXムアイ・エクストリームにも参戦していたセンアーティットは、プロボクシングでは元WBAアジアスーパーライト級王者で世界ランカー、19戦19勝(10KO)の戦績を残していた。ONE初戦は自身初めてのキックボクシングルールで、3分3ラウンドの試合。契約体重はプロボクシングのスーパーライト級と同じ140ポンド(63.5キロ)、61.2キロがリミットのONEフライ級と65.8キロリミットのONEバンタム級との中間の体重となる。キックボクシングルールについては、ボクシングで培った技術がより活かせるのではという目論見もあるようだ。

ロッタンや、兄たちとルンピニーで姿を現したセンアーティット
リングに上がる前にルークサイゴンディンジムを主宰する父が激励、左は母

対戦相手のスーパーヤイチャンは、ミャンマー出身の20歳、これまでミャンマーラウェイなどを含めて22勝1敗、ONEでは2024年から2戦しており、これまで1勝1敗、1敗はスプリットの判定負け、1勝は今年1月にダンク・ルークポーパヤラスアにKO勝ち。嵐のようなパンチ連打でダンクを仕留めている。

スーパーヤイチャンはONE3戦目

共にオーソドックスの二人、試合はセンアーティットが序盤から左ジャブから右ストレートでスーパーヤイチャンを攻める。ボクシング時代のまま、やや前傾姿勢ではあるが、ローキック、左前蹴りも見せる。スーパーヤイチャンはフットワークを使いながらローキックから左ミドルで攻めるが、センアーテイットのパンチを警戒している様子が伺える。

ボクシングスタイルのセンアーティット、ONEの中では独特のスタイルと言える
右フックでダウンを奪うセンアーティット

2回1分、センアーティットの左右フックがスーパーヤイチャンの顔面を捉える。スーパーヤイチャンが意を決して打ち合いに出るが、センアーティットの右フックが側頭部に当たり尻もちをつくダウン。即座に立ち上がったスーパーヤイチャンは両手を広げて”効いていない”とアピールする。クリンチでセンアーティットの攻撃を遮断し、自らも攻撃の圧を強めてピンチを逃れるスーパーヤイチャン、そのままこのラウンドを終了。3回開始前にセンアーティットはコーナーに登り、観客を煽る。しかし、3回もスーパーヤイチャンの出入りと思い切りのいい攻撃に、センアーティットは詰め切ることができない。判定は3‐0でセンアーティットを支持し、ONEデビュー戦を白星で飾った。9日後に武尊戦を控えるロッタンに勝利のバトンを渡す形となったセンアーティット、今後のONEのリングでの活躍が期待される。

勝利を収めたセンアーティット。次戦はムエタイか、はたまたボクシングマッチか。


シャドウ対ハッサン・バーダニラッド

元RWSウェルター級トーナメント覇者のシャドウ、昨年2月のONE初戦は判定負けを喫したものの以後は4連勝、前戦は12月のFriday Fights92のメインイベントに登場して古豪、シッティチャイ・シットソンピーノンに判定勝ち。ファンに新旧交代を印象付けていた。ONEフェザー級(70.3キロ)の上位に喰い込み、タイトルマッチを目指す25歳。

この日の相手は元アマチュアムエタイでイラン代表の経験を持つ25歳のハッサン・バーダニラッド、これまで33勝12敗2分(ONE発表は28勝6敗)の戦績を誇る。ONEは初参戦となるが、タイではテレビ中継もある人気興行のLWCスーパーチャンプを主戦場にしてきた。

179センチのシャドウに対して、ハッサンは183センチ

3分3ラウンドのフェザー級(70.3キロ)、ムエタイルールで行われたこの試合、ハッサンは初回から積極的に攻めてビックパンチを振るうが、距離を取り冷静に対処するシャドウ、ミドルやハイキックを繰り出しながら左縦ヒジのタイミングを計る仕草も見られる。2回、圧を強めるハッサンに対して正面から打ち合うシャドウ、2分半過ぎにはボディへの左右フックから顔面への乱れ打ち、最後は右ヒジを鼻あたりに叩き込み、ハッサンはその場で失神してコーナーを背に座り込むようにダウン。レフェリーが試合をストップした。

シャドウの右ヒジが炸裂
失神したハッサンにレフェリーは即ストップ

この試合でKOボーナス35万バーツを獲得すると共に、ONEとの本契約(330万バーツ)が結ばれることが勝利者インタビューでインタビュアーから告げられ、歓喜のシャドウは「俺にもできたのだから、皆できる(頑張ればできる)。ONEが機会を与えてくれて感謝している」と述べた。水曜の記者会見でKOを予告していたというシャドウ、インタビュアーに尋ねられると「KOは先生みなさんのお陰です」とトレーナーへ感謝を伝えていた。ちなみにトレーナーの1人は、ボクシング元世界王者のデンカオセーンで、この日のセコンドでもその姿が見られた。ONE本契約選手となり、今後はタワンチャイスーパーボンらとの絡みも楽しみなシャドウ、日本大会でタワンチャイを衝撃KOで下した野杁正明との対戦も見られるかもしれない。

ONE 5連勝でようやく本契約


ジャオスアヤイ、スアキムも連勝でONE本契約選手に

第9試合に登場したジャオスアヤイ・モー・クルンテープトンブリーはロッタンとも戦い、判定まで粘ったデニス・ピューリック(カナダ)に左前蹴りで2回KO勝ち。ONEでの戦績を7勝2敗とし、本契約を獲得した。

ジャオスアヤイは会心の勝利

ジャオスアヤイは2019年から2022年にかけてK-1に参戦し、フェザー級トーナメントで活躍、ONEでは前戦でヨードレックペッド・オー・アチャリアをKO、前々戦ではスリヤンレック・ポー・イェンイェンをダウン応酬の激戦の末、判定で下していた。ヨードレックペッドは日本大会で吉成士門と対戦、スリヤンレックは龍聖と対戦しており、ジャオスアヤイと日本人選手との対戦も出てくるかもしれない。

続いて第10試合に登場したスアキム・ソー・ジョー・トンプラジンも日本のリングで那須川天心と対戦するなど、来日経験が多い選手。元ルンピニースタジアム認定バンタム級、スーパーバンタム級、スーパーフェザー級王者と3階級を制覇した実績がある。この日はコマウット・FAグループを右ヒジの連打で2回KOで下して、ONEで5勝2敗として本契約に辿り着いた。

スアキムは右ヒジでコマウットをKO
 

※テレビ(Youtube)観戦。写真はYoutubeのOneチャンピオンシップ動画から。(日本からは視聴不可)以下はセンアーティト対スーパーヤイチャンのミャンマー版の動画。


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