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ペットヌンが逆転KO、テンヌンも2戦目でKO勝ち、佐藤知稀、酒寄珠璃の試合~ 2025年5月のONEフライデーファイトより

6月に入ってしまったが、5月に印象に残ったONEチャンピオンシップの試合を幾つか挙げたい。今回取り上げるペットヌン・ペットムエタイジムはRWSから、テーンヌン・フェアテックスはタイファイトから活動の場をONEに移したように現在も続々とONEに有名選手が集まってきている。

佐藤知稀酒寄珠璃が出場した、5月2日のONEフライデーファイト106については、ルンピニースタジアムで観戦した。このページでONEを専門に扱っているわけではないが、ONE観戦の機会も増えてきた。


ペット三兄弟がONEに揃って登場、ペットヌンが逆転の判定勝ち

5月9日のONEフライデーファイト107では、タイ在住のアルジェリア系フランス人である、ペットヌン、ペットソン、ペットサンのペット三兄弟が揃ってONEのリングに登場した。ちなみにペットはムエタイのリングネームでよく使われている単語で、ダイヤモンド、宝石のこと。ヌン、ソン、サンはタイ語で1、2、3の意味である。三兄弟のうち、最も実績があるのが元ラジャダムヌンスタジアム認定ライトフライ級王者のペットヌンで、昨年12月にはRWS JAPANに参戦し、吉成名高の持っていたラジャダムヌンスーパーフライ級王座に挑戦したが5回判定負けしている。

昨年は吉成名高と対戦したペットヌン

三人のうち一番下の16歳のペットサンは2月にONEデビューし、2回KO勝ちしている。ペットヌン、ペットソンはこの日がONE初戦となるが、兄弟で最も注目される19歳のペットヌンは、アントニオ・ピアラ(イタリア)と対戦した。試合は、117ポンド(53.1キロ)の契約のムエタイ3回戦で行われた。

通算32勝13敗の元ラジャ王者、ペットヌンと同じくこの日がONEデビュー戦となる、これまで5戦5勝のピアラ、初回、ゴングと同時に荒々しくパンチを振り回して攻め、それにペットヌンも付き合う。右ヒジを喰らったピアラが試合開始15秒でダウン。立ち上がったピアラに、試合再開後容赦なく左右フックを打ち込むペットヌンだが、攻め急いでディフェンスがおろそかになったところでピアラのパンチを浴び、逆転のダウンを取られる。立ち上がったペットヌンがピアラを攻め立て、再び逆転となる2度目のダウンを奪う。そして詰めに入ったところに、ビアラのパンチをまた被弾し、うつ伏せになる状態で、ペットヌンが2度目のダウン。立ち上がったところで初回終了のゴング。

2回に入ると地力の差が顕著になり、ペットヌンがヒジとパンチでもう2度、ダウンを追加してレフェリーストップを呼び込んだ。僅か5分間で6度のダウン応酬という激戦を制したペットヌン、吉成名高もONEアトム級(52.2キロ)に参戦する為、リベンジを狙ってくるだろう。

ONE初登場のペットヌンは元ラジャ王者
ペットヌン、まさかのダウン
初回に2度、2回に2度倒してKO勝ち。

※試合映像(タイ以外の国で視聴できない可能性あり)

三兄弟のうち、この日勝利したのはペットヌンのみ。ペットソンは日本から参戦の古村光に初回KO負け、ペットサンはアダム・ソーデチャパン(タイ/マレーシア)に3回判定負けを喫した。この兄弟、実際はペット五兄弟らしく、3人に続く、ペットシー、ペットハー(タイ語でシーは4、ハーは5)も控えているそうだ。

また、アルジェリア系フランス人選手というとONE世界バンタム級ムエタイ暫定王者のナビル・アナンもそう。ナビルの弟のヨニス・アナンはRWSでキャリアを積んでいたが、6月27日のONEフライデーファイト114でONEデビュー戦を行う見込みである。

テーンヌン、ONE2戦目でKO勝利

テーンヌン・フェアテックスはタイファイトを主戦場に、ミドル級以上の重量級で通算101勝14敗4分の戦績を残している32歳。2019年から、ONE登場までに32連勝を飾っていた。ONEデビュー戦は、今年2月のONEフライデーファイト97でドミトリー・メンシコフ(ロシア)を相手に行われたが、初回2分過ぎにドミトリーの右アッパーからの左フックでテーンヌンがダウンし、失神KO負け。

しかし、その後、メンシコフはドーピング検査でひっかかり、テーンヌン対メンシコフ戦の結果が、ノーコンテスト(無効試合)に変更された。しかし、テーンヌンが試合で受けたダメージは取り消すことができない。メンシコフ戦から3か月経過し、5月16日のONEフライデーナイト108で仕切り直しの試合が組まれた。

対戦相手はジェーメイン・クポグホモウ(フランス/ギニア)で、筋骨隆々で185センチの長身の選手である。試合はONEライト級(77.1キロ)でのムエタイ3回戦だが、身長178センチで体重に余裕のある体型のテーンヌンに比べて、クポグホモウはナチュラルなライト級に見える。戦績は通算14勝2敗、ONEはデビュー戦となる。

試合は開始直後から激しくパンチとキックを交換する両者、初回1分20秒にクポグホモウの右ショートフックがテーンヌンの顎をとらえると、テーンヌンはダウン。前戦のメンシコフ戦の悪夢がよみがえる。立ち上がったテーンヌンだが、グポグホモウの詰めは鋭く、右アッパーで再びダウン。立ち上がったテーンヌンを仕留めに掛かるグポグホモウだが、テーンヌンは真っ向から打ち合い、左フックを側頭部クリーンヒットさせるとグポグホモウはバランスを崩す。逆転の目が見えてきたところだがグポグホモウの逆襲に合いテーンヌンはグロッギーに。ここで初回終了ゴングが鳴り、テーンヌンが救われた格好に。

2回もグポグホモウの激しい攻撃にさらされるテーンヌン、打ち合いの中でグポグホモウの左ミドルをキャッチし、左ストレートをその顔面に叩き込むテーンヌン、この一発でダウンしたグポグホモウはカウント以内に立ち上がれずにKO負けとなった。

大逆転KO勝ちとなったかつてのタイファイトのスター選手であるテーンヌン、ONEライト級では体重に余裕があるために、今後はONEフェザー級(70.3キロ)への転級も視野にいれていくという。

リング上で対峙するテーンヌンとグポグホモウ
グポグホモウの猛攻に2度ダウン
テーンヌンが逆転のKO

※試合映像(タイ以外の国で視聴できない可能性あり)

佐藤知稀は無念の敗退、酒寄珠璃は観客を魅了し判定勝ち

佐藤はオーストラリア在住で、試合前などプーケットに長期滞在し、タイガームエタイで練習を積んでいる33歳の日本人選手。通算戦績は8勝4敗1分、昨年よりONEに参戦して2勝1敗、前戦は昨年11月のフライデーファイトでオマール・ドリッシ(イタリア)に2回KO勝ちを収めている。5月2日のONEフライデーファイト106で対戦したのは、通算50勝15敗のシルビュー・ヴィテズ(ルーマニア)。ONEでは1勝5敗ながら、セクサン、ヨードレックペッドなど有名選手と対戦している。日本でK-1に出場して芦澤竜誠と対戦したこともある。

ONEフライ級(61.2キロ)ムエタイ3回戦で行われたこの試合、リング上で対峙すると178センチの佐藤が171センチのヴィデスよりひと回り以上大きく見える。体格差を活かしたい佐藤だが、ヴィデスの荒々しい左右フック、組みヒザに押されてしまう。状況を打開できず、2分40秒、左右フックから縦ヒジの連打からのボディへのヒザで佐藤はダウン。立ち上がってヴィデスの連打にさらされるも、ここでゴング。

2回、ボディにパンチを集めて活路を見出した佐藤だが、逆転の前にヴィデスの縦ヒジ、バックヒジ(バックスピンエルボー)で右目上をカット、激しい流血に試合はストップされ、ヴィデスのTKO勝ちとなった。

初回終了間際にダウンの佐藤
2回、ボディへのパンチで逆転の目が出てきたが、’、
佐藤の大流血に、試合は2回でストップ

5月2日のONEフライデーファイト106、第1試合に登場した酒寄珠璃は元消防士キックボクサー、シェン・イーヤン(中国)と118ポンド(53.5キロ)契約キックボクシング3回戦を戦った。この試合をスプリットで勝利した酒寄、4月25日はONEフライデーナイトはお休みで、この日が2週間ぶりとなったONEの興行、その第1試合ということで来場のファンはいつも以上に盛り上がり、きびきびしたファイトでタイのファンの心を掴んでいた。

2週間ぶりのONE再開に、酒寄の入場から会場のテンションは高い
酒寄対イーヤンの攻防


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