見出し画像

今年も体力に投資していく

連日、テレビからはミラノ・コルティナオリンピックの熱戦が伝えられていますね。

雪煙を上げて急斜面を滑り降り、氷上で華麗に舞う彼らの姿を見ていると、同じ人間とは思えないほどの身体能力、エネルギーに圧倒されます。

その対極にあるのが、かつての私でした。

駅の階段を登っただけで息が上がり、週末は平日の疲れを癒やすために家でじっとしているだけ。なんとなく体調が悪いのが当たり前で、スポーツを楽しむ陽キャな人々は、まるで別の惑星の住人のようでした。

しかし、今の私は違います。3年前から続く「歩く習慣」によって、人生で最も体調が良い──いわば自分史上最高のコンディションにあるのです。

体力がつくと、景色が変わります。「疲れているからできない」がなくなり、人生の選択肢が広がる。それはどんな色のメダルにも代えがたい、生きる力そのものです。

今回は、虚弱傾向にあった私が、体力を手に入れてできるようになったこと、そしてその方法について、お話ししたいと思います。

過去の私と同じような、体力がなくて困っている方への何かしらのヒントになればうれしいです。



体力がつくと人生が変わる

体力がつくと、具体的に何が変わるのか。「健康になった」といった抽象的な話ではなく、生活の中で実感した変化を紹介します。

まず実感したのは、日常生活の基本的な動作が楽になったことです。

移動が楽になった

まずはわかりやすいところで、階段の昇降。
以前は少し登っただけで息が上がっていたのに、今では駅の長い階段を息切れせずに最後まで登れます。試したところ、一段飛ばしでも大丈夫でした。

以前は罰ゲームのように感じられた坂道も「筋トレになるな」と思えるようになり、スーパーから重い荷物を持ち帰るときも「むしろご褒美」と感じられるようになりました。

ちょっと前までやりたくないと思っていたことが、むしろ体を鍛える良い機会と感じられる。自分でも驚きです。

歩くスピードも速くなりました。
かつてはすべての人に追い抜かれるほどのおだやかなスピードで歩いていたのに、先日はGoogleマップで45分と表示された道を、30分ほどで歩き切ってしまいました。

家事が苦痛じゃなくなった

家事も劇的に楽になりました。特に実感したのは、寝具のシーツ交換です。

以前は、シーツを外す途中で息が上がって床に座り込み、休みながらでないと作業を続けられませんでした。それが今では、シーツを外して、そのまま連続で新しいシーツを取り付けられます。

この休憩なしで最後までできる感覚は、他の家事でも同じです。
大きな鍋やフライパンをひっくり返して洗うのも、腕を伸ばして換気扇を外して洗って取り付ける掃除も、以前ほど重労働に感じなくなりました。

体力がつくと、次に起きるのは「行動範囲の拡大」です。

近所を散歩したくなった

以前の私は、土日に家から出る気になれませんでした。
ところが今の私は、平日休日問わず、毎日1時間近所を歩いています。

きっかけは、コロナ禍でリモートワークになったこと。運動不足の解消を兼ねて、それまで電車通勤だった時間を、近所を歩くことに充てました。

今では、雨の日も散歩に行かないと落ち着かない犬のように、すっかり歩く習慣が身についています。先月の1日平均歩数は13,000歩を超えました。

自分の庭が広がった

片道30分ほどの距離を、日常的に歩くようになると起こること。
それは家を起点に、自分の庭が同心円状に広がっていくような感覚です。
ちなみに、実際はマンション暮らしで庭は持っていません。

改めて周囲を見渡すと、緑道が整備されているなど、かなり歩きやすい環境が整っていることにも気づきました。その緑道に沿って、歌になりそうな小川も流れています。

春の小川はさらさらいくよ

「こんなところにこんな植物があって、こんな花が咲くんだ」という発見もありました。

今が見頃の紅梅(2月)
枝が必ず3つに分かれるミツマタ(3月)
その名の通り美しい、スパニッシュ ビューティー(5月)
なんだこのフサフサした花は、マユハケオモト(11月)
情報量が多すぎる!グレヴィレア・ピーチズアンドクリーム(5月)

そうやって近所を歩き回っていると、カフェ、定食屋、ラーメン店、カレー店、スタンドコーヒー、寿司屋、蕎麦屋、和菓子屋、器屋、園芸店など、個人経営の魅力的なお店にも次々と出会いました。

そんな出会いの中で、特に印象に残っているのが、創業120年のパン屋さんです。詳細はこちらの記事にまとめているので、のぞいてみてください。

性格が良くなった

体力がついて、ネガティブな思考も減ったように感じます。

今から思えば、体調の悪さに引っ張られて、不安定で抑うつ的な気分に陥りやすかったのでしょう。小さな問題が大きく感じられ、一つのことに異常に固執してしまう。

今では、歩くことが良い気分転換になっています。嫌なことがあっても、30分も歩けば不思議と気持ちが軽くなる。これは気のせいではなく、運動によってセロトニンなどの神経伝達物質が分泌され、気分が安定するためだと言われています。煮詰まった頭が、リセットされるような感覚です。

体力がつくと、性格も良くなり、日々の暮らしが安定する。

体力とは、単に体が丈夫になることではなく、人生を好転させる力そのものであることに気づいたのでした。


体力をつける方法

では、虚弱傾向にあった私が、どうやって今の状態に至ったのか。

特別なことは何もしていません。世の中で散々語られている「運動・食事・睡眠」という3点を、ただ地道に整えただけです。

電車通勤からリモートワークへの生活の変化が、生活習慣を見直す良いきっかけとなりました。

まずは、自分の現在地を知ることから始めることが大切です。
やみくもに始めるのではなく、現状把握をした上で理想とのギャップを測り、そのギャップを埋めるために行動する──仕事でよく使われる手法です。

また、自己判断ではなく信頼できる情報を参照することもポイントです。

まずは現状を把握する

以下の項目の、今の自分を数値を確認してみましょう。

体重・体脂肪率・BMI:体組成計に乗って確認
歩数:スマートウォッチ等で1日の歩数を確認
食事内容:食事管理アプリ等を使って、1日の摂取カロリーなどを確認
睡眠時間:スマートウォッチ等で1日何時間寝ているか確認

「なんとなく運動不足」「なんとなく食べ過ぎ」ではなく、数字で見ることで、初めて自分の状態が客観的にわかります。

理想とのギャップを知る

現状がわかったら、次は理想と比較します。ここで参考にするのは、厚生労働省が出している基準です。

体重・体脂肪率・BMI:健康診断等で示される値を参照
運動成人 1日8,000歩以上、適度な筋力トレーニング
食事年齢・性別・身長・体重に応じた適切なカロリーと栄養バランス
睡眠成人 1日6時間以上

私自身、運動に関しては歩数が足りていない自覚がありました。加えて、食事に関しては想像以上にギャップがありました。

ギャップがわかったら、次はそれを埋めるための行動です。

運動:まずは歩く習慣から

筋トレやジム通い、ランニングを続けている人は本当に素晴らしいと思います。おそらく、すでに十分な体力があるはずです。

でも、私のように過去にそれらが続かなかった人には、まず「歩く習慣」をおすすめします。歩くだけでも、十分効果を出せます

  • 通勤や買い物での移動を歩きに変える

  • 一駅分歩く、階段を使う、徒歩で買い物に行く

  • 少し遠いスーパーで買い物しようなど、目的を持って散歩する

無理な目標は立てず、今より少し多く歩くくらいの気持ちで始めてみてください。私も最初は20分ほど歩くことから始め、徐々に時間や距離を伸ばしていきました。

毎日8,000歩以上の歩く習慣がついたら、筋トレ効果のある歩き方をおすすめします。筋肉はもちろん、心肺機能が高まり、体力の向上が実感できるはずです。

食事:まずは現状把握から

あすけんなど、食事管理アプリを使うと、現状把握と理想との比較が一緒にできます。

初めて自分の食事の状態を確認したときの衝撃は、今でも忘れられません。野菜を食べることを心がけ、バランスの良い食生活を送っているつもりでした。しかし実際は、タンパク質が全然足りておらず、脂質と炭水化物を摂り過ぎている状態でした。

「これじゃ運動をしても筋肉がつかない」ということが、一目でわかりました。

あすけんでは、厚生労働省のデータに基づいて、身長・体重・目標(痩せたい/維持したい/増やしたい)に応じた1日の摂取カロリーと栄養素の目安が確認できます。

私の場合、5ヶ月で5kgを落とした後、現在は以下のような食事パターンで、だいたい目標とする数値を守れています。

  • 朝ごはん:納豆ごはん、柑橘類、牛乳、豆乳

  • 昼ごはん:タンパク質がしっかり摂れる食事であればOK

  • 夜ごはん:足りていないカロリーや栄養素を埋めていく

食事管理を始める前は、食べたいものが食べられなくなる、面倒くさいといった後ろ向きの感情がありました。やってみると、案外唐揚げなども食べてバランスが取れるし、理想とのギャップを埋めるパズルみたいで楽しめるという発見があったので、まずは試してみることをおすすめします。

睡眠:スマートウォッチと保険

Apple Watch など、スマートウォッチをつけて寝ると、毎日の睡眠状態をデータで確認できます。

もともと不眠傾向にあったのですが、最近は睡眠時間は7時間以上、睡眠スコアとしては非常に高い状態を保てています。

その理由として、毎日1時間全身を使う運動・歩く習慣ができたことで、体が適度に疲れるようになったこともあると思います。

日付が変わっても眠れない夜もあります。特に私の場合、季節の変わり目など花粉が飛ぶ季節は、眠りにくくなることがあります。

そんなときは、睡眠薬を使うことも選択肢の一つとして持っています。
眠れないまま朝を迎えて翌日がボロボロになるよりも、薬の力を借りてでもしっかり眠った方が、結果的に次の日を気持ちよく過ごせます。

大切なのは、毎日のパフォーマンスを保つこと。そのために、自分にとって必要な保険を用意しておくと気持ち的にも楽になります。

大切なのは、続けられる習慣にすること

ポイントは、無理をしないこと。頑張らないとできないことは、長くは続けられません。

完璧を求めず、できる範囲で少しずつ。測定して、比較して、調整する。
このサイクルを回し続けることです。

なぜなら、人生はこの先も続くからです。

1ヶ月だけ頑張って体力をつけても、やめてしまえば元に戻ります。大切なのは、1年後も、3年後も、10年後も続けられる生活習慣を設計すること。

続けていれば、自ずと体力もついてきます。継続は力なり。


体力は、人生を好転させる力

今回は、体力を手に入れてできるようになったこと、そしてその方法についてお話ししてきました。まとめると、

・体力がつくと、日常の「できない」が「できる」に変わる
ネガティブ思考が減り、よく眠れるようになる
体力をつけるには、まずは歩く習慣から

ということです。

体力は、あなたに人生を好転させる力を与えてくれます。
そしてその体力は、歩くだけでも十分つけることができます。

実は私自身、少し前まで、歩くことを「運動効果の薄い、ただの移動」だと思っていました。筋トレブームの影響もあって、運動といえば汗をかいて息が上がるもの。頑張ってこそ意味がある、そんなイメージを強く持っていました。

ところが、この素朴な運動を続けるだけで、ここ数年は筋力や体力レベルを示す指標も高い水準を保てています。

今年こそ体力をつけたいと思っている方、これから暖かい季節になっていく、今がそのチャンスです。

無理のない範囲で少しずつ、いつもより少しだけ多く歩いてみてください。
1年後のあなたが、今日の一歩に感謝する日が来るはずです。

私たちが目指すのは、オリンピック選手のような超人的な身体能力ではありません。日常生活を楽に過ごせるくらいの体力──それで十分です。

歩く習慣で、体力をつけて、毎日を楽しく過ごしていきましょう。


関連記事

いいなと思ったら応援しよう!