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第27回通常総会・特別セミナー 開催リポートPart2「立野会長特別セミナー&爽快!ピアトレ」

日本キャリア開発協会(JCDA)公式noteです。いつもご愛読いただきありがとうございます。

2026年6月27日(土)に、TKPガーデンシティPREMIUM神保町にて、第27回JCDA通常総会・特別セミナーを開催いたしました。
先日は、この総会での様子をお伝えいたしました。

「CDAとは何か?」という問いを受け、午後はその学びをさらに深め、実践に移すための特別企画が行われました。

今回は、立野了嗣会長の特別セミナー「“ゆらぎ”への問いかけ~悩み、とは何か~」、そしてPFA企画「爽快!ピアトレ~経験代謝の世界へ~」の様子をお伝えいたします。


立野了嗣会長特別セミナー
「“ゆらぎ”への問いかけ~悩み、とは何か~」


総会前日の6月26日に、「問いかける辞書 経験代謝の世界」が発刊されました。

今回はその発刊を記念し、経験代謝の概念の礎となる「ゆらぎ」について、参加者同士で対話を重ねながら考える特別セミナーが開催されました。


キャリアカウンセリングの場では、相談者は自身の経験を語るなかで、さまざまな悩みを口にします。

経験代謝では、その悩みを、これまで当たり前として過ごしてきた「日常」に対して、「あれ?」「おや?」と感じる出来事が生じ、その結果として心の中にもやもややざわざわが生まれる「ゆらぎ」のプロセスとして捉えます。

そこには、
・相談者は何にゆらいでいるのか
・きっかけとなった出来事をどのように受け止めているのか
・それまでどのようなものの見方や考え方で日常を送ってきたのか
という問いが自然と立ち上がってきます。


私たちはこれまで、「経験=出来事+感情・思考」と表現してきました。
しかし今回、立野会長からはさらに一歩踏み込んだ表現を提示されました。

それは、
「経験とは、出来事が自己概念によって翻訳されたモノである」
という考え方です。

同じ出来事を経験しても、人によって受け取り方が異なるのはなぜでしょうか。

それは、出来事そのものを見ているのではなく、自分が大切にしてきたものの見方や考え方、つまり自己概念を通して出来事を翻訳しているからです。

楽しい、うれしい、悲しい、苦しいといった感情も、その翻訳の結果として生まれてきます。

私たちは普段、自分のものの見方や考え方を通じて物事に意味づけをしています。この自己概念に基づいて受け取られた意味を、「慣習的意味」と呼びます。

しかし対話を通じて、
「私はそう受け取っていたのかもしれない」
と、自分自身の受け止め方を少し距離を置いて見つめられるようになることがあります。
そのとき立ち現れてくるのが「メタ認知的意味」です。


ゆらぎが起こるのは、これまで大切にしてきた見方や考え方だけでは受け止めきれない出来事に出会ったときです。その出来事によって、それまでの自己概念が揺さぶられるからこそ、悩みが生まれます。

そして立野会長は、
悩みは、始まりがあって終わりがある一連のプロセスである
と語られました。

私たちが悩むのは、単に出来事が起きたからではありません。その出来事からどのような意味を受け取り、その意味によってどのような自己概念が揺らいだのか。その過程の中に悩みがあります。

だからこそ、CDAに求められるのは問題そのものを追うことではなく、
・何が起きたのかではなく、どう受け取ったのかを聴く
・その意味によって、どのような自己概念が揺らいだのかを聴く
・そのゆらぎの奥にある、ありたい自分への問いに耳を傾ける
という関わり方なのだと示されました。

さらに、立野会長は、
「思いやりを念頭に置いて関わる」
というCDAの姿勢を繰り返し語られました。


今回のセミナーは、悩みを解決すべき問題として捉えるのではなく、その奥にある自己概念のゆらぎや、ありたい自分への問いに目を向ける機会となりました。

私たちが誰かの悩みに寄り添うとき、あるいは自分自身の悩みと向き合うときも、「何が起きたか」だけではなく、「私はそれをどう受け取ったのだろう」という問いを持つことが、新たな経験代謝の入り口になるのかもしれません。



PFA企画「爽快!ピアトレ」が学びを実践へと変えた


JCDAの文化ともいえる学びの場「ピアトレーニング(ピアトレ)」。 これまでもnoteで何度かご紹介してきました。

この学びの場をつくり、促進する役割を担っているのがPF(ピアファシリテーター)です。現在は全国で70名を超えるPFが、それぞれの支部地区で活躍しています。

さらに、そのPFを支え、育み、成長を後押しする役割がPFA(ピアファシリテーターアドバイザー)です。

今回は、そのPFA有志によって、立野会長の特別セミナーでの学びを実践へとつなげるためのピアトレーニングが企画されました。

題して、「爽快!ピアトレ ~経験代謝の世界へ~」

今回だけの特別なピアトレは、参加者一人ひとりの思いが大切に扱われる、趣深く、思いやりにあふれた時間となりました。


いくつかのグループに分かれて行われたピアトレーニング。ロールプレイとはいえ、相談者もCDAもオブザーブも、誰もが“役”を超えていました。

本当に揺らいだ経験を語り、その思いを本気で受け止めようとする姿が、そこかしこで見られました。

特に印象に残ったのは、
「何が起きたのかではなく、どう受け取ったのかを聴く」
という姿勢を、参加者のみなさんが早速実践されていたことです。

出来事そのものを聴くだけではなく、その出来事をどのような自己概念を通して受け止めたのか。その人がどんな意味づけをしてきたのか。
相談者の内側に広がる世界へと理解を向けようとする、愛のある関わりが印象的でした。

これまでの日常の中で「当たり前」としてきたものの見方や考え方を改めて見つめながら、
「いったい自分は何に揺らいだのだろう」
と自らに問いかける相談者。

その傍らでは、ありたい自分の存在を少しずつ感じ取りながら内的世界へ意識を向けていく相談者を、CDAとオブザーブが温かなまなざしで見守り、寄り添っていました。

各グループで語られていた内容はそれぞれ異なっていました。
けれども、どのグループにも共通していたものがあります。

相談者を慮るように見つめるまなざし。
優しく、温かな声かけ。
そして、相手が自分自身を見つめる時間を急かすことなく待つ姿勢。

その光景は、会場のあちらこちらで自然に生まれていました。
それはまるで、会場全体が思いやりに包まれているかのようでした。


「思いやりを念頭に置いて関わる」

立野会長がお話しされていた言葉が、まさにこの場で実践されていました。その様子を間近で見ていた私自身も、何度となく心を揺さぶられました。

人が人を理解しようとすること。
その人の経験を受け止めようとすること。

その営みの尊さを、改めて感じさせてもらった時間でもありました。


さいごに


今回の立野了嗣会長による特別セミナー 「“ゆらぎ”への問いかけ ~悩み、とは何か~」 そしてPFA企画 「爽快!ピアトレ ~経験代謝の世界へ~」 は、一度限りの特別企画でした。

ですが、そこで見られた関わりは、決して今回だけの特別なものではありません。

それは、JCDAが26年という時間をかけて育み続けてきた、CDAとしての在り方であり、人との関わり方そのものだったように思います。

「キャリアカウンセリング機能を社会システムとして具現化する」

JCDAのビジョンは、確かに実践の中に息づいている――私は今回、そのことを強く実感しました。

この営みを支えてくださっているのは、全国2万人を超えるJCDA会員のみなさまです。そして、JCDAの活動に共感し、応援してくださっている多くのみなさまの存在です。

日頃より私たちJCDAの活動を支えてくださり、本当にありがとうございます。改めて心より感謝申し上げます。

そして、これからのJCDAの歩みにも、ぜひ温かい応援をお寄せいただけましたら幸いです。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。


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