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JCDAのピアトレーニングは「倫理綱領を学び直す場」 ―― 基本に戻りあり方を見つめ直すために

こんにちは。日本キャリア開発協会 公式noteです。
いつもご愛読いただきありがとうございます。

先日、ピアトレーニングの動画公開のお知らせをいたしました。
おかげさまでたくさんの方にご視聴いただいているようです。
JCDAの活動に興味を持ってくださり、感謝申し上げます。

さて、今日はその「ピアトレーニング」がどのような目的で行われているのか、キャリアコンサルタントとしての学びの位置づけなどについて、お伝えしたいと思います。


ピアトレーニングは基本に立ち返る場


剣豪、宮本武蔵はこう語りました。
「千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を錬とす」
派手な技よりも、日々の反復の中にこそ、実力の芯が育つということです。

それはすなわち、
「上達とは、つねに基本に戻ること」
という意味を示しています。

これはキャリアカウンセリングにも通じます。
知識を増やすだけでは、相談者の語りに最後まで寄り添いきれません。
基本に立ち返るための“場”が必要です。

私たちJCDAには、同じ目的を持つ会員がいつでも/どこでも/何度でも気軽に参加できる学習の場「ピアトレーニング」があります。

ピア(peer)は「仲間・同等」を意味し、相互学習のための無料の学びの機会として設計しております。
運営は講師ではなくピアファシリテーター。中立の進行役として、教えるのではなく気づきを促す役割を担います。
オンライン開催も増え、参加のハードルは大きく下がりました。

プログラムは、
● 経験代謝ピアトレーニング(経験の再現と内省を重ねるロールプレイ)
● ピアワークショップ(事例を持ち寄る対話)
● 金の糸ピアトレーニング(すごろくで自分らしさの源を確かめる学び)
の三本柱 ―― いずれも“仲間とともに”学び合う構造が特徴です。


倫理綱領に基づく「学び直し」


ピアトレーニングは、キャリアコンサルタント倫理綱領を“守るべき規則”としてではなく、現場で何度も学び直すための拠り所として扱います。

キャリアコンサルタント倫理綱領は令和6年1月1日に改正され、相談者の利益の第一義、多様性の尊重、説明責任、守秘、リファーや訓練範囲の遵守、そして不断の自己研鑽が改めて明確化されました。

キャリアコンサルタント倫理綱領】全文はこちら
<https://www.career-cc.org/files/rinrikoryo20240101.pdf>

  • 第1条は、カウンセリングが相談者の人生全般に影響することを自覚し、相談者の利益を第一義とする姿勢を求めます。

  • 第4条は、社会の変化に応じて専門性を維持・深化すること。

  • 第6条は、人としての成長と不断の自己研鑽を要請します。

  • 第8条は、訓練を受けた範囲での手法実施を規定し、トレーニングの必然性を指し示します。

条文を読むだけでは身につきません。
ロールプレイ→観察→振り返り→再挑戦の循環のなかで、
「自分は本当に相談者の利益を第一にできているか」
「先入観なしに聴けているか」
「この手法は訓練済みか」
を、体験の言葉で確かめ直していきます。
これが、ピアトレーニングで言う“基本に戻る”ということです。


上手下手、良い悪いを評価する場ではなく、あり方・関わり方を学ぶ場


「相談業務を行っていないので、参加しても良いか迷います」
「合格したばかりで、上手く聞くことができずに不安です」
「先輩たちの中で、自分の問いかけが間違っていないか心配になります」

このような声を聞くことがあります。
ですが安心してください。
ピアトレーニングは評価の場ではありません。
互いの安全と尊重を前提とした試行錯誤の場です。

むしろ、
「うまくいかなかった経験」
「問いが浅かったと感じた瞬間」
「言葉にならない違和感」
――それらはすべて学びの素材
となります。
ですから、先ほどの迷いや不安、心配を持ったまま参加してください。

場を進行するピアファシリテーターは評価者ではなく促進者です。
参加者同士の関わりを促し、そこから立ち現れる気づきを学びへと変えていく役割を果たします。

実際の参加者の実感には、こんな声があります。

自分のキャリアカウンセリングの特徴や癖を、他の参加者とのやり取りの中で気づくことができた。」
「カウンセラー役・相談者役に加え、オブザーブも“カウンセラー目線”で関わるため、とても学びになると実感した。」
「経験を聴くだけでなく、“自分らしさ”を意識して問いかけることが、内省のきっかけになるとわかった。」
「それぞれが持ち寄った事例に対し、全員での関わりから学びが深まり、場をともにつくっていく感覚を味わえた。」
先入観を持たずに聴くことの難しさと大切さを、あらためて感じた。」
「思っていた以上に、小学生時代から変わらない私らしさが、今に影響を与えていることに驚いた。」

私自身、参加した際の振り返りで自らの“焦りの声”に気づきます。
「キャリアカウンセラーとして相談者の役に立たねば」という心の声です。
その声が強いほど、自分自身の評価へと引っ張られ、相談者への好意的関心が薄れていく感覚に陥ります。まさに「心ここにあらず」です。

そんなときこそ、宮本武蔵の言葉を思い出して心を整えます。
上達とは、つねに基本に戻ること
ピアトレーニングは、評価ではなくあり方・関わり方に意識を向けて、語り手の言葉に耳を傾けながら、キャリアカウンセリングの基本である傾聴や好意的関心を持つことを思い出させてくれます。


倫理綱領を身体化するために


改めて、ピアトレーニングの学びの方向を確かめます。

  • 基本に戻る:聴く・待つ・尊重する。判断を急がず、語りの「いまここ」に留まる。

  • 倫理に根づかせる:条文と体験を往復し、迷ったら第1条・第6条に立ち返る。

  • 仲間と磨く:ピアファシリテーターの促進のもと、ロールプレイと対話で自分の癖を言語化する。

スキルを身につけ、上達してから参加するような戦いの場ではありません。
むしろ日頃の悩みや弱さを抱えながらも、ありのままの自分で参加する、“万日の稽古”の場です。

そのねらいは、倫理綱領を身体化することにあります。
キャリアの専門家として、自己研鑽をするためにも、同じ資格を持った仲間同士で、安心安全の場で学び合ってみませんか?

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