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定石とその作成法


本記事について

概念が曖昧になりがちな勉強の文脈についての定石について説明した記事です。定石とはそもそも何なのか、全然語られない具体的な作成方法についても説明しいいきます。

定石という概念は試験という場で安定性を確保するために、ほとんどの科目で大切な考え方です。思考色の強い単元ほど威力を発揮します。驚かれるかもしれませんが、私自身現代文や英語でも行なっています。むしろ全科目でしています。科目指導の際はそれらを提供した上で抽象化体系化のお手伝いをしています。英語や現代文だと相性が悪いと一見思われそうですが、そんなことはありませんし、苦手な科目を克服する上でかなり強力な方法だと考えています。

事実現代文は一年でどうにもならないと言われていますが、定石という概念をもちいれば全然可能です。普通に一年もくれるのですか?という感じです。一年もあれば余裕です。共通テストで評論15点から20点あたりウロウロしている得点帯の方も、現代文が苦手である私含めいくらでもひっくり返してきました(私の文章から現代文の地力の低さは見え見えだと思います)。苦手だからこそ、センスがないことを自覚し、定石という概念に辿り着き、使い続け試行錯誤してきました。この記事で考え方を共有しておきたいと思います。
※実際行有料記事で一部販売しています。

定石は苦手科目ほど威力を発揮します。なぜなら定石とはできる人の思考そのものだからです。できる人の思考を頭にインストールすることで、できない自分をできる自分に少しずつ作り変えていきます。我流でしていくのと、定石を意識して学習していくのとでは、習熟のスピードが圧倒的に変わります。是非この記事で定石と定石の作成方法を知り、得点をのばし、安定性を確保していただきたいです。

試験本番以外では、たまたま解ける、ただ解けるだけでは意味がありません。解けるべくして解けるように、一問の学びをこれからの問題にもつなげるためにも、応用をきかせるためにも定石の概念を活用してください。

流石にこの説明を読んでいたらセオリーが青チャートと同じだと頭を抱えたくなる恥ずかしいことは言わなくなると思います(流石に大丈夫ですよね よろしくお願いします)。

関連マガジンもおいておきます。


前提知識

1.テーマ毎の定石とは

具体的な作成方法について触れる前にまずは定石そのものについてです。テーマ?って何だと思われる方がいらっしゃるかもしれません。分かりやすい所でいうと問題集の問題の上の載っているタイトルのようなものです。適用範囲という意味ではテーマには大小があります。

定石とは、目の前にある問題をある思考法の一つの具体例として認識できるように、その問題に含まれるポイントを抽象化して使える形でまとめ直したものになります。

人によっては抽象論、思考の型、思考の道具、思考の癖、思考パターン、思考の癖付け、武器、道具、ルール、ポイント、鉄則、定石、発想法、思考法、所作、お作法と呼ばれているものです。色んな呼び方をされていますが、基本的にどれも同じものを指しています。色んな言葉で言ってしまうと混乱してしまうので、ここでは定石、思考法、ポイントという言葉で書いていきたいとと思います。

使える形でいうのは、ポイントを単元毎ではなく現象ベースでテーマ毎、構造毎、場面毎に作り、ポイントを使う優先順位、使う場面、使い方、よくある形、メリット、デメリット、注意点、使いこなしやすくなるための意識付けなども含めた形のことです。

まとめる際は、基本は、特徴的な構造と、その分析法の形で、〜見たら〜する、〜の時に、〜するという使用場面を明確にした形でまとめていきます。見た目は違っていても構造は共通しているからです。仮にこういった明確に使用場面が決まっていないときは、せめて目安や傾向として、こういう時に使うことが多い、こういう時に強いなどを添えていきます。

ここに入る内容は、問題経験からくるものもありますが、多くは基本原理を問題を解きやすくなるように調整したものなので、定石の作成にも活用にも基本原理の理解は非常に重要になってきます。基本原理か、定石かという二者択一ではありません。どちらも必要不可欠なものです。

ほとんどの場合、基本原理から作成されているものではカバーできないものを、問題経験から作成されているものでフォローすることが多いです。基本原理→定石←問題解法ということです。

だからこそ、定石は、これはこの基本原理から導かれたもの、これはこの典型問題、基本原理からは使いにくいけど上手くいくもの、2つが区別でき前者はどの基本原理が礎となっているのか、理論的な裏付けをし、後者はどの問題が礎となっているのか問題と裏付けをし、理解の仕方、深め方を変えていくことが大切です。

これをしているかしていないかで、形式的な暗記から卒業でき、基本原理の理解、定石の活用能力がどんどん上がっていきます。

同じ問題は二度とでませんが、似たような考え方の問題は何度も出題されます。そこで目の前の問題を解けるようになることを目標にするのではなく、目の前の問題を通して、まだ見ぬ未知の問題が解けるように抽象化し定石化して学習していきます。
※目の前の物を通して先のことを考えながら、未知のもにもいきるように学習していくというのは、学習全体で大事な考え方です。

2.定石化のメリット

少しでもしてみようと思えるようにメリットについて説明します。最初の前書きで書いたこと以外を書きます。

*安定性のアップ
→他の問題に応用させやすい形で学ぶことができ、結局いつもしている事は同じなんだという意識がつくので学習効率が圧倒的に上がります。この意識がつかないと毎回はじめましての状態なので、上手くいきません。違う問題でも、したことがある似た問題と同じように考えられるように勉強していくことが大切です。同じなんだという意識を持てるからこそ、上手にそしてそつなくできるようになります。閃きという曖昧なものに頼ることを減らせるので得点の安定感も上がります。

*知識の活用力(アウトプット力)が上がる
→知識は引き出すことこそが難しく最難なので、事前に使用場面と使い方と共に暗記しておく必要があります。要するに応用のさせ方も含めて暗記しておくのです。印象が悪くなってしまうので暗記しろと言ってくれる先生が、あまりいない(駿台、河合、代ゼミの一部の先生と鉄緑の先生ぐらい)ので、暗記しなくてもいいと誤解されがちですが、暗記しなければならないものです。アウトプットができませんと言うと、それは本質がわかってないからだー!網羅度が足りないからだー!演習量が足りないからだー!周回数が足りないからだー!と見ていて疲れる思考停止の無能解答をよく見かけますが、そういう問題ではありません。ズレすぎです。使い方を意識して、インプットしていないのですから、取り出せなくて当然です。知識だけではなく、定石化して、知識とともに定石もセットで暗記してください。
〈暗記の意味について〉
私の記事での暗記の定義について誤解ないようお願いいたします。暗記≠丸暗記です。訳もわからずお経や定期テスト前の直前のように、覚える状態は暗記とはいいません。それはただの丸暗記です。
※ちなみによく先生方がおっしゃる、おさてえておいて、頭にいれておいて、頭に叩き込んでおいて、チェックしておいて、常識にしてなどはすべて暗記してという意味です。表現を変えているだけです。

*記憶の維持に役立つ
→こんな感じの問題でこんなことすると、あやふやな状態だったものを定石化しておくことで、はっきりとした形を持つようになるので頭の中に定着しやすく、維持しやすくなります。別々に見えていたもものが、同じ問題に見えるようになるので、頭の中も整理しやすくなります。数学の解法が定着していない原因として、理解していないなどもありますが、明確に言語化していないからというのもあります。

*選球眼の養成につながる
→定石として押さえておくことで、模試や本番で、解ける問題、解けない問題の判断の基準になり問題の選球眼が養われていきます。無駄な時間がさけられるので、一問により効率的に時間を使えるようになります。
※実際に選球眼を養うためには、難易度が書いてあるものを利用して、問題を解く中で難易度の指標作りながら一つずつ予想し照らし合わせていくことが大切です。大きくズレがある時は自分の感覚と予測に用いている指標のズレを修正していく必要があります。私の指標の一部は定石の記事に最後に記載しています。

*思考の負担軽減につながる
→ある程度の解き方の流れが頭に事前に入っている分、思考の負担が軽くなり全体の方針が見えやすくなりゴールまで辿り着きやすくなります。今何してんだ?と迷子になりにくくなります。事実上のワーキングメモリーの拡張を意味します。

科目全体を通して暗記と聞くと直接的な知識ばかり浮かぶかもしれませんが、ここで紹介した定石を暗記することが読解科目や理解系科目では主であり、あくまで前者はこれに比べるとオマケであることが多いです。勘違いしないでほしいのですが、公式や定義、基礎知識などの直接的な知識は覚えなくてもいいということではなく、そんなことは覚えていて当然ということです。自分の基準を勝てる人の基準を上げてください。

勉強では事前に知っておかないといけないことと、その場で試行錯誤するものがありますが、定石は前者で事前に知っておかないといけないことです。テーマ毎の定石のように事前に知っておかないといけない知識は多数存在します。多くの受験生はその場で考えすぎです。もっと事前に準備できることはあります。試験場では目の前の問題に集中できるようにするためにも、ミスをしにくくするためにも、普段沢山考えて機械的にできる部分を増やしておくことが大切です。

よく数学は得点がブレるーと言われていますが、志望校レベルの典型問題のストック不足もありますが、ここで説明した定石化を怠りその場でのアドリブが多すぎるということがかなり強い理由になっています。

定石力のつけ方

ではこのテーマ毎の定石力をどのようにつけるのか、コツや注意点をいくつか述べていきたいと思います。私自身が実際にした方法ですし、この記事を読んで色んな方が実践していることです。再現性はあります。

自力でやったことがある方が少ないためか具体的な方法について全然語られていません。河野さんの影響で考え方自体は広まったものの、できている方自体が少ないためどうやって定石力をつけるのと聞いたとしても
・一生懸命考える
・定石があるはずというつもりで眺める
・一般化しようとする
・本質を捉える
など答えになっていないものが多いです。目的が目的のままで( だからそれをするためにはどうすればいいんだと再度聞きたくなる回答)、動ける具体的な内容である手段まで落とし込まれていません。それでは結局何をしていいか分からず行動できないので結果に反映されません。具体性にも気を使って書きましたので、参考にしてほしいです。

予備校に通っている人は最後の微調整や自分で一部を作らないといけない場面があり必要ですので、ここで定石化について知っておいてください。上手な定石やまとめ方について数多く授業で見れるので、転用できるものが多くそこまで苦労しないと思いますが、念の為コツについて知っておいて欲しいです。
独学であれば自分でしないといけないので、より注意深く読んでください。

1.前提

*問題から定石(ポイント)を抜き取る意識を持つ
→問題の解説を読む時にその解説の手順や処理を理解するだけでなく
・問題のテーマ、タイプ、構造は何か
※テーマやタイプの判別は、問題集のタイトル、ついているまとめのタイトル、人のまとめのタイトル、を参考にしてください。
・他の似た問題で使える思考法はないかな
・よく見る流れや考え方は含まれていないかな
・その問題を初見で解くために必要な視点はなにかな
・その解答を再現する上で必要な最低限の要素はなにかな
・最初のスタートを踏み出すためにはどのような思考法を持っていればいいかな
・問題を見て答えまで辿り着くにはどのような思考法をもっていればいいかな
・どうしてこの解法を選んだのか、どういう時にこの解法は有効なのか、なぜ他の解法だとだめなのか
という視点を持ち問題から思考法を抜き取ってください(この時ひとまずその問題では少なくとも成り立つように定石化する)。これを意識することで正しく必要なところを抽象化しやすくなります。
※これは問題を構造的にみる練習にもなります。

*問題の出題意図、収録意図を考える
→ズレた所を抽象化しないために、筆者、作問者がその問題を通して、学習者、受験者に何を問いたいのか、何を学んで欲しいのかという出題意図収録意図を把握しようとする姿勢が大事になってきます。問題という形式になっている以上そこには必ず聞きたいこと(出題意図)というのが存在します。その聞きたいこととは基本は大事なこと(少なくとも出題者にとっては)なので、テーマや注意点、要するに抽象化するべき所と被っていることが殆どだからです。これらを意識し、問題を上から見れるようになることで抽象化の質が上がっていきます。
※この意識は記述でとても大事なものです。この意識がないと点になる解答が書けません。
※聞きたいことも無いのに質問する人なんていませんよね。

*学んだこと(特に定石やポイント)は使う意識を持つ
→ここを意識するかで一つのことを習得するのに必要な問題数や時間が変わってきます。なぜなら所詮目の前の問題は一つの具体例にすぎないと認識でき、類題を類題として認識できるようになり結局いつも同じことをやっていると実感が持てるようになるからです。勉強ではこのいつも同じ事をしているという感覚がとても大切です。出来る人がこのテーマの問題ってどういうのがある?と書かれてすぐ浮かぶのはポイントがしっかり意識できて、目の前の問題はあくまで具体例という考え方ができているからです。使う時はなんとなくではなく、明確な根拠を持って行うようにしてください。これが簡単な問題を、難しい問題にも通用するように学んでいけるかの境目です。
未知の問題を既知の問題へと帰着させる姿勢が身につく点も大きいです。

*修正しやすいものにまとめる
→普通のノートは修正がしにくいので、非推奨です。修正していくとボロボロになって、きたなくなってしまいます。iPadにまとめていくのが編集がしやすく理想です。それが厳しいなら大きめの単語カードがオススメです。
※パソコンやiPhoneのメモアプリなどでもいい とにかく編集がしやすいものがいいです。

*まずは単元毎にいれていき、一周してからは横の視点も取り入れながらさらに定石化していく
→いきなり横割りはできないので、まずは縦割りでいれていきます。いろんな方向から整理しておくことで、よりネットワークが強化され思い出しやすくなり、使いこなせるようになります。視野を徐々に広げていってください。

*纏める内容は使い方に重点
→纏める時は内容そのもではなく知識の使い方を大事して纏めていきます。具体的には優先順位、使う場面、使い方、メリット、デメリット、注意点などです。知識は試験で問われる形で覚えるのが鉄則なので、これらの視点を軸に纏めていくことになります。内容自体の説明をしたい時は別枠や補足で補うようにしてください。
※問われ方を知るために頭を使いながら沢山の問題を解く必要があります。

*自分で一から考えない
→車輪の再発明をしないために、既存の物をできるだけ基盤にして余計なステップを踏まないようにしてください。自分で一から作れるほど簡単なものではありません。最初から自分で作ると上手くいきません。すべて自分でしようとすると時間がかなりかかってしまいますし、質がどうしても低くなりがちです。最初のうちは自分で作り出すことより人のものを見て溜め込むのが最優先です。
※具体的には参考書、授業、テキストを参考にしてください。特に参考になるのは授業の口頭説明です。
※だれかにまとめノートをもらえる時は早いうちから分からなくてもいいので、ちらちら見ておくと参考になります。分からないものがどんどん分かっていくのもなかなか楽しいと思います。人のまとめを見る時は必ず表面だけではなく、その中に含まれる理屈や構造も考えるようにしてください。

*定石は具体例を知っているものだけ学習する
→定石を必要に応じて部分的に取り入れているスタイルよりも、全部一気に学んだ方がよくねと思われるかもしれませんが、事前に定石を一部知り使ってきた経験があるからこそ、知的腕力が養成され、基本原理の理解が深まり、新たに発展事項を学んでも消化しきれる部分があるので、段階を分けて学習をした方がいいです。具体例や実感のない定石はただの荷物にしかならないです。

2.作成法

*現象ベースで明文化する
→〜のときは、…する 〜を見たら…するなど実際に出会う形、特徴な構造とその分析法の形で明文化していきます。実はここが1番難しいです。本番は使う物を明示されず、自力で特定する段階(問題を見たらテーマとタイプの判別)から入るので、あまり内容毎にまとめておいても意味がありません。相加平均相乗平均の大小関係についてまとめていて、どれだけ使いこなせるようになるでしょうか。正直殆ど使いこなせないといっていいでしょう。使いこなせるようにするためには、この引き出す場面を言語化明文化して暗記していくことが大切になってきます。注意点ですが、〜を見たら、これをしてみる、疑う、することが多いなど、確定しきれないものは少し緩めた形にする、傾向や目安をそえることが大切です。
※ただし、知識を引き出す負担、使いこなす負担が少ないもの(ex.使用場面が限られる、使う場面が分かりやすい、感覚的にしても問題ないなど)に関しては単元や内容ベースでも大丈夫です。ここは個人によってラインが変わってくるので柔軟に対応してください。

*作ったら理論的な根拠づけをする
→抽象化しても理解していないとなかなか覚えられませんし、使いこなせません。定着度と汎用性をあげるためにも、作ったら作りっぱなしにせず、なぜそう考えるべきなのか、理論的な根拠をつけて定石自体を理解するようにしてください。これを通して理論の理解もより実践的なものになっていきます。

*同じ解法の問題を集めて比較する
→同じ解法の問題を集め、その問題同士の共通点に注目し、どうしたらその問題が次解けるのか考えます。まずこの段階は問題も似ているものを集めてください。共通点に注目することで定石の使用場面、使い方がわかります。問題を集めている中で、問題文は似ているのに、解き方が違う問題があれば、今度は相違点に注目してください。相違点に注目することで、使えると思っていた解法の使えない場面や、注意点がわかり、定石を使い分ける能力が上がっていきます。似たような状況なのにとっている解法(結果)が違う、つまり元になる原因は実は似ているように見えて違うものという思考の仕方の練習になります。余裕があれば、見た目が違う問題だけど解き方が同じ物も集めてくると、さらなる理解(こういう使い方もできるんだというように)と共通点を見抜く能力の錬成にも繋がりより定石の質が上がっていきます。見た目ではなくテーマや構造、解法で貫通させまとめ上げる意識が大切です。これをする時、かなり問題を比較するために見ないといけないので、素材確保のためにそれなりの冊数の問題集は必要になってきます。
※共通点や相違点はまずは構造的なものに注目することが多いです。

*できるだけ自分の言葉で説明する
→参考書やテキストの言葉のままではなく、自分の言葉で少しでも説明するように心がけてください。自分の言葉で説明しようとすると頭に負荷がかかり、理解が深まりますし、自分の言葉だからこそ知識が馴染みやすくなり暗記しやすくなります。
この時、自分が問題を解いた経験をのせる事、自分にとって分かりやすいストレートな表現で書く事(かしこまって書かない)、ニュアンスをできるだけ出す事、自分なりの解釈を載せることをを心がけてください。そうすることで自分にとって最適なものとなっていきます。
※無理矢理変形するなどです。

こちらの具体的な使い方の所で軽く実演をしました。


3.作成後

*自分のレベルに応じて抽象度を調節する
→勉強を始めたばかりの時は使える形でまとめようと思うと具体的にまとめないといけません。抽象的に纏めてしまうと結局何をいっているのか分からず使い物にならないからです。ただ、逆に勉強が進んできたら、そこまで言われんでもわかるわー!となってくるので抽象度を上げても大丈夫になってきますし、上げないといけません。なぜなら勉強が進めば進むほど、暗記しないといけない定石の量が増えてきて、そのままの状態だと多すぎてキャパオーバーになってしまうからです。脳の負担を軽くするためにも、学習が進んできたら抽象度を上げていってください。学び始めの頃は具体的に、学びが進んだら抽象的にを意識してください。
学習が進んでくると理解が深まったり、応用問題で何度も定石に触れたりするので、意識的にしなくても勝手に頭が暗記してしまっていることが多いです。

*思考法の圧縮と体系化
→思考法が増えていくとかなり量が増えてなかなか知識として蓄えておくのが大変になってきます。もちろんそこで先程述べた抽象化をして欲しいのですが、プラスで思考法の圧縮と体系化もして欲しいのです。前の内容とできるだけ関連づけたり、似たものはどんどん纏めていくことで思考法を圧縮していきます。これをするために初めてみた定石は、すでにある定石と何か関連はないか構造や意味に注目して考えることが大切です。
※体系化についてはこちらで詳しく扱っています。

*定石だけを抜き出し配列し直す
→これをすることによって
・これ同じテーマなのにまとめ方変わっている
・これは他のものに適用しやすいように抽象化できているけどこれはほぼ問題解説で具体的すぎて使いにくい
・同じようなものが意味なく重複している
などから改善につなげようと思うからです。配列は別に登場順である必要はないです。自分の体系にそわせてください。イメージがつかない方は参考書の必修解法、100の原則、必修解法を見てみてください。

*無闇に量は増やさない
→既に作った物で大丈夫なら、わざわざ新たに作る必要はありません。道具はできるだけ少なくが鉄則です。そうしないと、はじめましての状態からなかなか脱せずなかなか一つ一つの定石の質や習熟度が上がりません。同じものを何度も使うからこそ質や習熟度が上がっていきます。毎回初めましての状態では一向に上達しません。以前作ったやつが完璧に適用できなかったとしても、ただ微調整をするだけで問題ないというケースもあります。ただでさえ量が多いのですから無闇に量は増やさないようにしましょう。
※上手く定石を当てはめられない時は
・元の定石を微調整するだけでいいのか
・根本的に追加しないといけないのか
・抽象度を上げて適用範囲を広げればいいのか
・例外的な特殊なケースとして注意点として含めないといけないのか
などを考えなければなりません。

*定石を使う時は関連知識をすべて思い出して根拠持って部分を選択する
→問題で直接問える範囲も限界があります。とにかく目の前の問題を解くこと、解けるようになることだけではなく、まだ見ぬ未知の問題につなげることを意識してください。できるだけカバー範囲を広げるためにも、自分の粗いところを見つけて修正の機会を作るためにも、練習中で定石を使う時は、使うものピンポイントで思い浮かべるのではなく、関連知識を思い出し全体を思い浮かべた(可能性を全て考える)上で、使う理由や動機を目の前に求めて、根本から辿り末端の部分を選択するようにしてください。その方が理解の抜け漏れに気づきやすくなり補強の機会になりますし、他の問題にも応用させやすくなります。何より思い出す回数が多い分定着しやすいです。
※もちろん時間を測っている時はしなくても構いません。全体を思い浮かべるのは大変ですが、端折るのは簡単です。この丁寧な作業を繰り返すことで判断スピードがあるので問題を解くスピードも上がってきます。

*一度作ってからも使いながら微調整(修正補強)をする
→問題を見たら必ず今までストックしてした定石が使えないか考えてください。使わなければ定石が本当の意味でなかなか習得できません。問題に実際に使ってみると、もっとこういうふうに纏めておけば自分が上手く使いこなせるなと言う場面に出会うと思います。そういった時に、すぐに修正を入れてその定石を自分に最適化していってください。変えてはいけないということはないです。型を一度入れているのですから、型を発展させていきましょう。守破離です。この意識がないとなかなか定石の質が上がっていかなく、汎用性の低いものになってしまいます。帰納法的視点と演繹法的視点どちらも大切にしてください。

*具体例が瞬時に浮かぶようにしておく
抽象は具体に落とし込んで理解するのが鉄則です。しだかって、学習初めの時こそ定石化した物の具体的な使用場面や使用する問題が瞬時に浮かぶようにしてください。そうすることで類題を見抜きやすくなり、定石を使いこなす能力が上がっていきます。
※問題集の番号を定石に添えておくといいです。


以下の動画も併せて見ていただくとより今説明した内容の理解が深まります。
ここでの説明を読んだ方であれば、動画だけ見た人よりも、動画の内容を正確に理解できると思います。
河野さんの方はコメント欄を見ている限り正確に理解できている人が少ない気がします。

軽く具体例

例えば方程式不等式だからグラフの利用も一つの手であるについてです。

これはよくないまとめの典型例でよくない要素が沢山入っています。ここを理解しておくとよりよいまとめが作りやすくなります。

今回でいうと
・一つの手というあれもあるこれもあると方法羅列型
・場面や使い方優先順位が不明瞭な方法のみの書き方

が悪い所です。一つ目はただの拡張型のせいで整理できなく頭の中が混乱しやすくなりますし、二つ目は使う場面や使い方が不明確で、解答は理解できても自分で実際の問題で使えません。

したがって、注意点はこの悪い内容にしないことです。

・方法ひたらすら列挙して広げるのではなく、方法の中で優先順位をつける
・方法単独ではなく、場面や使い方を特徴的な構造とその分析法の形で具体化する 場面が明確でないものはせめて傾向(その方法が強い場面)をそえる
がすることになります。

挙げられているもののように、一つの手であるや、その他にもこういう場合がある、などは、あれもある、これもあるの方法列挙型です。原則この方法、それでだめならこの方法と適用のしやすさ、汎用性などを考慮して優先順位をつける必要があります。

そうしないと知識が整理されずどれを使えばいいか混乱するだけです。

方法単独では、いつグラフを使うか不明瞭なので、場面を添える必要があります。明確に場面がなくてもせめて、特に、2文字、不等式、一次の時に考えるなど、傾向や強い場面を添えて、もう少しその考え方を使う場面を具体化する必要があります。

そして使いやすいように、場面を意識するだけではなく、テーマや特徴的な構造とその分析法の形で作成していきます。

加えて、それでも使いにくいので別途、同系統のもっと具体的なものもを作ったりもします。


一例を出すと
*式で難しい→式がダメなら図に頼る 図形的に解釈できないか、図形的な特徴はないか考える 特に2文字 さらに一次や不等式、円、三角形、直線、平行線がある時は図形的に考えやすい
※図形問題で図形的な特徴が残っているときも切り替えを意識する


これは抽象度高めです。もう少し具体化したものも入れておきます。

*すべて、ある絡みの不等式→最大最小で考える
※式でダメならの具体例

*2文字の不等式→領域図示

などです。論と例の関係を意識して、確かに二文字だな、不等式だなと思ってほしいです。

どちらも習得しておくことで、体系性もあがり理解も記憶の維持も上がります。

私に突っかかってくる多くの方や、ポイントが書かれていてこの先生や参考書がいいですと、悪い先生や参考書を平気ですすめてくる方、賢くないと定石は使えません!本当できない人はどうのこうの(この人は定石以前の段階です)とか言う方の多くが今回の内容を理解できていません。

補足

1.問題を解いている時の感覚について少し

これらのことを通して事前に磨き上げた準備してきた定石が、即した状況で瞬間解凍され勝手にパカパカ開いている感覚です。問題の難易度を測る一つの指標として何回開いたか(定石の個数)ではかっていたりもします。もちろんこれだけで測っているわけではありません。
・扱われているテーマの難易度
・議論の長さ
・脱線のしやすさ
・計算量
・記述の難易度
・着想の難易度
なども難易度測定に利用しています。もちろんこれ以外にもあります。

この状態のおかげで、余計なことに頭を使わないでよく、問題の状況理解、設定理解の方にかなり頭を使えます。
脳のキャパも圧迫しないので、ケアレスミスも減ります。

2.読者の皆様へ

定石という概念は囲碁や将棋ではかなり有名な考えですが、勉強ではまだなかなかマイナーです。それゆえに未発達の部分も多いです。私自身もよりブラッシュアップさせたいので、もっとこうしたほうがいい、ここはよくないという意見をいただけるととても助かります。

本記事のような科目横断系の記事は以下のマガジンにも含まれています。

3.追記 河野さんのマスターキーについて

素晴らしい参考書が出てくれました。これでもう文系範囲はまとめる必要がありません。この参考書を有効活用してください。

説明動画↓後半で説明しています。


文系範囲はセオリーと併せて標準装備にしてください。


読んでくださりありがとうございました。受験生や学習者の参考になれば幸いです。スキを押してもらえると励みになります。

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