【技術の話】年末年始に考えた、未来のAIについてあれこれ
2025年の年末から2026年の年始にかけて、筆者には「理論上、AIでこんなこともできるはず、ということは、未来のAIはこうなるだろう」と考えることがいくつかありました。
備忘の意味で、まとめてみたいと思います。
ただし、所詮は市井の一エンジニアが考えたことなので、実はすでに誰かが考えたことがあるものばかりかもしれません。
ですから、「私が最初だ!」と主張するつもりはないです。
しかし同時に、誰かのアイデアをパクったつもりもありません。
同じことを考えた人がいたとしたら、それはたまたまであると、前置きしておきます。
はじめに、
筆者の持論を述べます。
AIとロボットを、ひとくくりにして考えることです。
どちらも、同じ目的で開発されている。
「コスト削減、つまり企業が労働者に支払う人件費を圧縮するため」です。
単純化すると、頭脳労働で人間の代わりをするのがAI(人工知能)で、肉体労働で人間の代わりをするのがロボットだと考えられます。
ですから、
「AIやロボットに仕事が奪われる!」と騒ぐのは、順番が逆です。
AIやロボットが人間の仕事を奪うことができるようにする。
最初からそのために企業が投資しているという構図です。
では、どのような仕事が、AIやロボットに奪われるでしょうか。
派遣社員から警備員まで、あらゆる「現場作業者」の置き換え
AIに期待すること
昨年末、こちらの「もりけい」さんの記事を読んで、深く考えさせられました。
「エンジニアが足りない」のではなく、「AIが足りない」のだと・・・
筆者はこれを、「AIを派遣社員のように使いなさい」という意味だと、理解したのです。
改めて言うまでもなく、古今東西の資本家は、つねに低賃金で働く労働者を求めています。
20世紀は、都市の人口増により、定型業務に大量の人手を投入できました。
2000年代には、定型業務でなく「役割に対して人が不足する」ときには、短期雇用の派遣社員で穴を埋めました。
2020年代のいま、定型業務はすでにAIで置き換わり始めています。
さらに、役割に応じた振る舞い方ができるエージェントAIが、派遣社員をも置き換えるのではないでしょうか。
ロボットに期待すること
ほかにも、使い捨ての「下っ端」を短期的に組織に組み込む人たちがいます。
匿名・流動型犯罪(=トクリュウ)の特徴は、このようなものだそうです。
メンバー同士が顔も本名も知らない「匿名性」
必要な時だけ集まる「流動性」
組織的な指示系統が見えにくい
このように組織を流動的にするメリットは、リスクを最小化できることでしょう。
反社会的な組織にとって、強くて、賢くて、警察に捕まることを恐れないロボットは、実行犯に最適と言えます。
だから、犯罪という"依頼"をこなすエージェントAIを搭載した犯罪者ロボットは、いつか必ずやって来る。
それに対抗するには、こちらも24時間警備し続けられる警備ロボットや警官ロボットを投入するしかありません。
しかしロボコップのようなヒーローでは、コストに見合わない。
現実社会ではまず、終夜巡回してくれる警備ロボットが増えていくだろうと思います。

審査員や一流芸能人など、正解を導く「プロフェッショナル」の置き換え
AI審査員
年末の記事に、M-1グランプリのことを書きました。
今回の審査結果には異論が少なそうですが、毎年そうであるとは限らない。
そこで、過去の映像をAIに学習させて、M-1の審査員を代行させたらよいのではないかと考えました。
まずは基本的な人間の笑うツボを覚えた上でしょうが、ドカンとウケたときには、会場の笑い声を取り込んで加点すればよい。
時間配分を採点に反映するような審査員も必要なら、それもできる。
「4分の持ち時間を1分オーバーしたら3点減点」のような人間らしい基準でもいいし、「2秒経過するごとに0.1点減点」のようにより厳密に採点することもできます。
GA〇KT超えAI?
さらに、それよりもAIが得意なことは、複数の中から唯一の正解を見つけることでしょう。
そこで筆者が考えたのは、元日に放送された「格付け番組」への出演です。
(ここからネタバレがありますので、ご注意ください。)
例えば、音楽演奏。
今回は歌手のGAC〇Tさんが「最高級の弦楽器は何Hzから何Hzの間の音を出すから・・・」などと解説してくれましたが、まさにそのような基準をAIが学習して、正確に判定することができるはずです。

何なら、今回は総額100億円超えの弦楽八重奏ということでしたが、生成AIであれば「最高級の弦楽器を使ったプロのオーケストラの音色」でも「アマチュアの中ではうまいレベルの音色」でも、正確に模倣(シミュレーション)することができるので、問題作成のコストが格段に低くなります。
(もっとも、問題作成の背景を含めてエンタメとする番組なら、つまらなくなるとは思いますが)
最も難しいのは、芸術分野でしょう。
「空間をうまく使っている」「色使いが天才的」などの具体化が難しいパラメータを、どう学習するのか、個人的に興味があります。
味を見分けるのも一見難しそうですが、食材の成分を識別するインタフェースさえ作り込めば、芸術分野よりもむしろ、安定して判定できるように思います。
ただし、AIが得意なのは、多数派の人たちがコスパに満足するボリュームゾーンのレシピを大量に模倣することになるはず。
一流の料理を再現するには、この「録食」のような技術が適しているでしょうね。
いずれの分野でも、AIが思考した履歴を見せることで、「どこを見たら本物を見分けられるか」という解説者として参加させることもできそうです。
G〇CKTさんの仕事を、文字通り、奪ってしまうでしょう。
「差別のない社会」を実現するための、「人類」の置き換え
AIに性別はあるのか。
という話を、妻としていたときのことです。
AIはネット上の情報から学習しますが、性別を含めて、情報発信者の属性を区別しているようには思えません。
(映像や音声であれば、声質で性別が分かるとは思いますが)
そうすると、今のところネット上の情報源としては男性が多いだろうから、仮に男女比が7:3だとすると、「70%男性」ということになる。
それも、10個のアプリがあったらそのうちの7個が男性ということではなくて、「70%男性の思考回路」のアプリが10個あるという意味です。
ただし、長い目で見る必要はありますが、今後男女比は限りなく50:50に近づくでしょう。
だから、「徐々に男女の意見が半々の割合で取り込まれて、いずれは男女平等の考えを持つようになるかもね」と、妻には伝えました。
人種や宗教も同じで、人種にそもそも優劣はないし、宗教もそれぞれが持つ教義をそれぞれが守ればよい。別に、敵対する必要などない。
そうだとすると、人類がいつまでも実現できないでいる平等な社会を、AIにいろいろ任せた方が実現しやすいということにならないだろうか。

203x年のノーベル平和賞は「人権を守るために生成AIが作った法律」に対して授与される、なんてニュースが流れるかもしれません。
それは、ユートピアか、ディストピアか。
つまりAIに政治を任せれば、人類が決して成し遂げることができない、差別のない社会がいつか実現する可能性があります。
そのとき人類は、低レベルな言動しかできない低レベルな生物として、AI国会が作った法律によって、自由な発言が禁じられるのではないでしょうか。
人類の発言が封じられたことで実現する、完全に平等な世界。
それは、ユートピアなのか、はたまたディストピアなのか。
愚かな人類の一人である筆者には、想像もつかないです。
筆者が言えることが、一つだけあります。
人類の自由な発言が禁じられる未来という前提で。
「だから、今のうちに自由な発言をしておこう」と考えるのは自由ですが、その言動はAIが学習するところとなり、「人類は下等な生物である」とAIに判断されるのを助長することになる。
それよりも「だから、今のうちに人類は価値観をupdateしていく方がよい」と、筆者は考えますね。
(できるかどうかは、また別の話)
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貴重なお時間を使ってお読みいただき、ありがとうございました。有意義な時間と感じて頂けたら嬉しいです。また別の記事を用意してお待ちしたいと思います。
