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建設DXに関する特許を出願しました ―― 現場の知見を、技術として守るという理由

建設DXに関する特許を出願しました ―― 現場の知見を、技術として守るという理由

先日、建設DXに関する特許を、ひとつ出願しました。権利化に向けた、第一歩です。今日は、その報告と、「なぜ出したのか」という話をします。

ひとつだけ、先にお伝えしておくと、これは「守りを固めて囲い込む」という話ではありません。むしろ逆に近い。そのあたりの、私の気持ちの動きを、正直に書いてみます。

何の特許か(ここは、ぼかします)

まず、何についての特許かというと――ざっくり言えば、現場を3Dのデータにして、図面やBIMといった“使える形”に変えていく領域の技術に関するものです。私たちが、ずっと取り組んできたところですね。

ただ、これ以上の中身――どうやって解いているのか、どんな仕組みなのか――は、ここには書きません。まだ公開前の出願でもあるので、現時点では、詳細を控えます。今日お伝えしたいのは、技術の中身ではなく、「なぜ出したのか」という、私の側の話です。

先に、正直なところを ―― これは「取った」ではありません

ひとつ、はっきりさせておきたいことがあります。

「特許を出願した」というのは、「特許を取った」ということでは、ありません。今後、審査請求を含む必要な手続きを進め、審査を受けることになります。登録されるかどうかは、まだ分かりません。だからこれは、勝ち誇る話ではなく、「一歩を踏み出しました」という、途中経過の報告です。

「業界初」とか「特許取得」とか、そういう景気のいい言葉は、使いません。まだ、その段階ではないので。

「特許=囲い込み」だと思っていた、少し前まで

正直に打ち明けると、私はもともと、特許というものに、少し身構えていました。

私は、連載やブログで、考え方をわりとオープンに書いてきたほうだと思います。「こう考えると、こう見える」というのを、なるべく開いて共有したい。そういう性分です。だから、特許=技術を囲い込んで、人に使わせないようにするもの、というイメージがあって、どこか「自分の柄じゃないな」と感じていました。

出すかどうか、ずいぶん考えました。良い面は、はっきりしています。現場から生まれた核を、権利として守るための手続きを始めること。そして、「技術を発明として整理し、権利化を目指している会社なんだ」と、外に示す一歩になること。一方で、迷いもありました。手間もお金もかかるし、出願した内容は、原則として、一定期間ののちに公開されます。つまり、手の内を一部見せることにもなる。オープンにやってきた自分との、折り合いの問題です。

でも、これは「守り」じゃない、と思えたんです

それでも出そう、と決められたのは、あるとき、考え方が変わったからでした。

守るべきなのは、「考え方」ではないな、と気づいたんです。考え方や、ものの見方は、書ける範囲で、これからもできるだけ開いていきます。出し惜しみするつもりはありません。守りたいのは、そこではなくて――現場を歩いて、泥くさく積み上げて、ようやく形になった、具体的な発明のほう。そこだけは、自分たちの発明として整理して、きちんと権利化を目指したい。

もちろん、特許権が一定期間の独占権であることは、変わりません。ただ、私たちがそれを目指す理由は、技術を閉じ込めることではなく、安心して外に開き、誰かと組める土台をつくることでした。名前のない“なんとなくの工夫”のままだと、実は、人に共有するのも、誰かと組むのも、難しい。「うちには、こういう技術があります」と、はっきり形にできて初めて、堂々と外に出せるし、堂々と手を組める。

形にするから、開ける。

私にとっての特許は、囲い込むための壁ではなく、むしろ、前に進むための土台に近いものでした。守るところは守る。でも、それは、もっと大きく開くため。そう思えたら、迷いが、すっと消えました。

現場の知見は、じつは宝物です

書きながら、あらためて思うことがあります。

現場の知見って、本当は宝物なんです。毎日“あたりまえ”のようにやっている工夫が、外から見ると、立派な発明だったりする。でも、その多くは、名前もつけられないまま、個人の頭の中や、チームの空気の中に、埋もれていってしまう。

もし、現場でものづくりをしている方や、これから何かを立ち上げる方がいたら、ひとつだけ伝えたいことがあります。あなたが「こんなの、普通ですよ」と言っていることの中に、守る価値のあるものが、混ざっているかもしれません。 守る手段があると知っておくだけで、選択肢が変わります。私も、専門家(弁理士さん)にずいぶん助けてもらいました。手続きの詳しい話は、その道のプロにお任せするのがいちばんです。

守るところは守り、開くところは開く

これからも、私は、考え方や学びは、書ける範囲で、どんどん開いていきます。連載も、こうしたブログも、変わらず続けます。そのうえで、現場から生まれた核は、きちんと形にして、守るところは守る。その両方を、大事にしていきたいと思っています。

もし「うちの現場にも、実はすごい知見が眠っているかも」とか、「点群やBIMまわりで、具体的に一緒に開発できないか・相談したい」と感じることがあれば、そんな入り口からでも大歓迎です。よければ onetech.jp から、お気軽にどうぞ。

囲い込むためではなく、前に進むために、守る。今回の一歩で、私はそう考えるようになりました。まだ入り口に立ったばかりですが、この先も、現場の知見を、使える技術に変えていきたいと思います。今日も、現場の面倒をひとつ、軽くする一日にしていきます。

WHAT A WONDERFUL DAY TODAY!

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