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唐揚げはたくさん食べられなくなりました。

誕生日の思い出。
小学校の低学年の頃。
仲良くしている友達の「お誕生会」にお呼ばれすることがあった。
友達の家の玄関をくぐると、ぷ~んと揚げ物のいい香りがして。
そう、私が子どもの頃のごちそうと言えば、「唐揚げ」
テーブルには、山盛りの唐揚げとオレンジジュース。
真っ白いクリームの上に、ピンクや薄緑でできた花の形のアイシング。
チョコのプレートには、友達の名前が書かれたケーキ。
なんだか、いつもの友達がお嬢様みたいに見えて。

友達に「プレゼント」を渡したばかりなのに、「お返し」の品を頂いて。
誕生日の友達がその日の主人公。
みんながその子のために集まる日。

そんな夢の様な時間を一度でいいから味わいたくて、母に何度も何度もお願いした。
呼ばれるばかりじゃなくて、友達を呼びたい。
食事にお返しの品の準備など、親の負担は大きかったと今になってわかるけど、小学生だった私には親の苦労なんて、みじんも理解できず。
何度もしつこくお願いして、ようやく母が動いてくれた。

もちろん我が家のテーブルにも、「唐揚げ」が山盛りで。
一番のお気に入りのワンピースを着て、たくさんのプレゼントを手にして、ケーキとジュースでおもてなしをした。
例にならってみんなに「お返しの品」を渡して、解散。

友達を呼んでの誕生会は、後にも先にも「あの1回」のみ。
一度でいいから、経験したかったのかな。
だけど、形だけで思っていたのと少し違ったのかもしれない。
料理にお返しの品の準備と、母がとにかく大変そうだった記憶がある。
また開きたいって、お願いした記憶がなくて。
「また、誕生会したい」って、思わなかったんだよな。
そう、私は、パリピにはなれなかったんだ。

今日は、誕生日。
帰宅するとテーブルに小さな花とケーキ。
唐揚げはたくさん食べられなくなった。





書くことを楽しんでいるおはぎとけいこへのオマージュ。


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