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ひのまどか『メンデルスゾーン』~大人も子供も泣ける超一級品の伝記!

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『音楽家の伝記 はじめに読む1冊メンデルスゾーン』あらすじと感想~伝説の名著の新装復刊!ユダヤ人天才音楽家の驚異の生涯を知れるおすすめ作品!

今回ご紹介するのは2023年にヤマハミュージックエンターテインメントホールディングスより発行されたひのまどか著『音楽家の伝記 はじめに読む1冊メンデルスゾーン』です。

早速この本について見ていきましょう。

受難の時を超えて、音楽はよみがえる

《真夏の夜の夢》や《ヴァイオリン協奏曲》などの名曲でいまも親しまれるメンデルスゾーン。
富と才能に恵まれながら、ユダヤ人としての出自に死後も翻弄され続ける作曲家の光と影を描き出します。

【音楽家の伝記シリーズ】
10歳から読めて、大人にも本物の感動を。
歴史上の偉大な音楽家たちの生涯を、物語のように読みやすく。

10歳から読めるクラシック音楽入門書。音楽が試聴できるQRコード付き!

●小学校5年生以上で習う漢字には、すべてルビをふっています。
●本の中に出てくる楽曲を、その場で試聴できるQRコード付き。
●音楽家の関連地図、人生年表などの付属資料も充実。
●図版も多数掲載。
●著者が選ぶ、おすすめの楽曲リスト「はじめにきく1曲」を紹介。

Amazon商品紹介ページより

本作『音楽家の伝記 はじめに読む1冊メンデルスゾーン』は私が待ちに待った作品でした。

と言いますのも本作の主人公メンデルスゾーンは私が一番好きなクラシック音楽家だからです。

私がメンデルスゾーンと出会ったきっかけはチェコの偉大な作曲家スメタナでした。私は数年前、チェコの歴史を学ぶ流れで本書の著者でもありますひのまどかさんの『スメタナ―音楽はチェコ人の命! (作曲家の物語シリーズ)』を読むことになりました。この「作曲家の物語シリーズ」は現在発刊されている「音楽家の伝記 はじめに読む1冊」シリーズの前身になります。

このスメタナの伝記があまりに面白く、20冊ある「作曲家の物語シリーズ」を一気に読んでいった私だったのですが、その中でも一番好きになった人物がメンデルスゾーンでした。そして本作『音楽家の伝記 はじめに読む1冊メンデルスゾーン』こそ、かつて私が読んで感動した『メンデルスゾーン―美しくも厳しき人生 (作曲家の物語シリーズ)』の新装復刊版になります。私はこの本を読んで泣きました。メンデルスゾーンの生涯があまりにドラマチックで感動せずにはいられなかったのです。こんなにもすごい人がいたのかと私は衝撃を受けました。

そして何と言ってもひのまどかさんの語り口の素晴らしさです。

上の本紹介にもありますように、ひのまどかさんの作品は「10歳から読めて、大人にも本物の感動を。歴史上の偉大な音楽家たちの生涯を、物語のように読みやすく」というコンセプトで書かれています。これは言うは易しですがどれほど困難なことか!

ですが、本書はこのコンセプトが見事に体現されています!私はこれまで古今東西、数多くの偉人の伝記を貪るように読んできましたが、ひのまどかさんの伝記は群を抜いたクオリティーです。そしてその中でも最高傑作と言えるのがこのメンデルスゾーンの伝記と言えるでしょう。

旧版の『メンデルスゾーン―美しくも厳しき人生 (作曲家の物語シリーズ)』は残念ながら絶版となっており、この素晴らしい作品は入手することすら困難な状況となっていました。

しかし、ついに満を持しての復刊です!そしてさらに数々のリニューアルも施されることになりました。

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●本の中に出てくる楽曲を、その場で試聴できるQRコード付き。
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この中でも、本を読みながらすぐに音楽を視聴できるシステムというのは特に画期的です。やはりそこに書かれていた音楽を実際に聴けるとより物語に入っていけますよね。これは時代が進んだからこその新システムです。

そして絵や写真、図版も豊富に掲載されているのも嬉しいです。こうした配慮があるおかげでより情景をイメージしやすくなっています。ひのまどかさんの素晴らしい語りと相まって非常に読みやすい作品となっています。

私もこの本にあまりに感動したため、母にこの本を貸したことがあります。以前母が入院した時に、「何かいい本があれば読んでみたい」と頼まれたのです。「普段本を読まないけどそれでも面白く読める本を」というリクエストでしたので私は迷わずひのまどかさんの本をチョイスしました。そしてその反応はと言いますと、母も泣いたそうです。そしてその読みやすさに驚いたようでした。

中学校や短大の授業でも読書初心者の人にこそぜひ読んでほしい作品として生徒・学生達におすすめしています。そして彼らからも読みやすくて面白かったと好評でした。

今回の新装復刊ではそんな素晴らしい作品にさらなる改良がなされていますので、さらに自信を持っておすすめできる作品となっています。

驚異の音楽家メンデルスゾーンの代表曲とそのすごさについて

さて、ここから本作の主人公メンデルスゾーンについても少しだけお話ししていきます。

メンデルスゾーン(1809-1847)Wikipediaより

メンデルスゾーンはドイツ、ハンブルクの大銀行家の息子として生まれました。その後ナポレオンの進軍により一家はベルリンへ拠点を移すことになります。メンデルスゾーン家はここでも有数の銀行家として繁栄することになりますが、ユダヤ人であったことから差別や迫害を受けることにもなりました。

また、メンデルスゾーンは幼い頃より神童ぶりを発揮していました。そして家柄もよく、その文化水準の高さによってメンデルスゾーン家のサロンには錚々たる顔ぶれがそこに集まっていました。ベルリン大学を創立した言語学者フンボルトや哲学者のヘーゲル、ガンス、作家のホフマンなど当時の最高レベルの知識人が集う中でメンデルスゾーンは育っています。これを知った時は思わず驚きで声を上げてしまいました。

メンデルスゾーンで有名なのは、あのシェイクスピアの『夏の夜の夢』を題材にして作られた『夏の夜の夢』です。

その中でも以下の曲はものすごく有名です。

結婚式といえばこの曲ですが、まさかこの曲を作ったのがメンデルスゾーンだったとは!これには驚きました。

そして下の動画も聴き惚れてしまうほど素晴らしい演奏です。解説もついているのでぜひご視聴ください。こちらはメンデルスゾーンの代表曲『バイオリン協奏曲ホ短調』です。

メンデルスゾーンについては以下の解説動画が非常にわかりやすく面白いですのでこの動画もおすすめです。ぜひご覧になってください。メンデルスゾーンがどんな人物だったのか、そしてその音楽の特徴を知ることができます。

また、メンデルスゾーンはモーツァルトに並ぶ神童と呼ばれ幼い頃から抜群の才能を示していましたが、彼にはなんと絵の才能までありました。

この記事で紹介している画集ではそんなメンデルスゾーンの素晴らしい絵を堪能することができます。

ここでその一つを紹介しましょう。

ダーラムのカテドラル=イギリス 1829年

こちらは画集の表紙に出ていました絵です。これが作曲家のメンデルスゾーンによる作品だというのは驚きですよね。対象物の精密さから色彩の優しさ、絶妙な構図取りなど、もはやプロ顔負けです。初めて観た時は衝撃でした。

私はメンデルスゾーンの絵にすっかり惚れ込んでしまいました。

何か彼の絵から優しくて柔らかい印象を受けるのです。そして穏やかで調和的なものも感じます。きっと彼の性格が出ているのではないだろうかと思ってしまいました。

仮にこれらの絵がメンデルスゾーンによるものだと知らなかったとしても、私はこの絵を好きになったと思います。それほど魅力的な作品でした。

『メンデルスゾーン(夢人館7)』にはずっと見ていたくなるような癒される絵がたくさん収録されています。音楽家としてのメンデルスゾーンだけでなく、画家としての顔も見れるこの画集には大満足でした。もちろん、本書『音楽家の伝記 はじめに読む1冊メンデルスゾーン』にもモノクロではありますが彼の絵が一枚掲載されていますのぜひ堪能して頂ければと思います。

そして最後になりますが、こちらの「ドイツの天才作曲家メンデルスゾーン記事一覧~驚異の家系とその生涯、作品を知るのにおすすめの書籍もご紹介」の記事ではメンデルスゾーンをさらに知るためのおすすめ記事をまとめています。

目次
1 ひのまどか『メンデルスゾーン―「美しくも厳しき人生」』
2 H・C・ヴォルプス『大作曲家 メンデルスゾーン』
3 『メンデルスゾーン家の人々―三代のユダヤ人』
4 大作曲家の祖父モーゼス・メンデルスゾーンとは~カントも尊敬したユダヤ人哲学者の偉業
5 大銀行家アブラハムとメンデルスゾーン銀行の繁栄
6 山下剛『もう一人のメンデルスゾーン ファニー・メンデルスゾーン=ヘンゼルの生涯』
7 池辺晋一郎『メンデルスゾーンの音符たち 池辺晋一郎の「新メンデルスゾーン考」』
8 中野京子『芸術家たちの秘めた恋―メンデルスゾーン、アンデルセンとその時代』
9 星野宏美『メンデルスゾーンのスコットランド交響曲』
10 中島俊郎『英国流 旅の作法 グランド・ツアーから庭園文化まで』
11 『メンデルスゾーン(夢人館7)』
12 シェイクスピア『夏の夜の夢』
13 メンデルスゾーン20歳のロンドン公演の衝撃
14 メンデルスゾーンのスコットランド旅行と文学のつながり
15 メンデルスゾーンとゲーテの交流と友情~『イタリア紀行』に強い影響を受けたメンデルスゾーン
16 星野宏美『メンデルスゾーンの宗教音楽』

「ドイツの天才作曲家メンデルスゾーン記事一覧~驚異の家系とその生涯、作品を知るのにおすすめの書籍もご紹介」より

ひのまどかさんのスメタナの伝記から始まった私とクラシック音楽との出会い。

これまで全くクラシックに関心のなかった私でしたが、まさかこんなにはまるとは思ってもいませんでした。

そしてその中でもやはりメンデルスゾーンと出会えたのが何より大きかった・・・!

なぜ私はこんなにも彼に惹かれたのか。

音楽はもちろん、彼の生涯、性格、そして文学とのつながりなどなど、考えてみればきりがないのですが、上の記事で紹介した内容を読んで頂ければきっとその魅力が伝わってくれるのではないかと思います。

クラシックと出会えたことでヨーロッパの歴史や文化に対する見え方がまた変わってきたのを感じます。

本当に素晴らしい出会いでした。

メンデルスゾーンの魅力をぜひ体感して頂ければ嬉しく思います。その入り口としてひのまどかさんの『音楽家の伝記 はじめに読む1冊メンデルスゾーン』は最高の一冊です。

ぜひぜひおすすめしたい名著中の名著です!この本がもっともっと世に広まりますように!

おわりに~「伝記のすばらしさ」とは

さて、ここまでメンデルスゾーンのおすすめ伝記についてお話ししてきましたが、ここでもうひとつお伝えしたいことがあります。特に学生の皆さん、よく聞いていてください。

私はこれまで「親鸞とドストエフスキー」というテーマでヨーロッパの歴史、文化、文学を学んできました。そしてそこに音楽という視点が加わったことで新たな世界を見ることができたように感じます。また何より、世界のあらゆるものは繋がっているんだということを感じることができたのはとても大きな経験となりました。

当noteやブログではこれまで様々な本を紹介してきましたが、これまで学んできた文学、歴史などと音楽が繋がった時の衝撃、喜びは言葉で言い尽くせません。頭の中でピカっとくるものがそこにはありました。こうした読書体験ができる本は非常に貴重です。

このシリーズは児童書として書かれたものですが、どんな世代の方にも響く作品だと思います。

逆に言えば、大人でも感動する本を子ども時代に読めるというのはどれだけ大きな体験となることでしょう。

読んで頂ければわかりますが、ひのまどかさんの伝記シリーズは決して子供向け感満載に書かれた本ではありません。言葉遣いも「ひとりの人間」に対し、本気で語りかけてくるような雰囲気です。児童書だからといって決して子ども扱いをしません。

中学高校生くらいの子たちにはぜひ読んで頂きたいなと思います。きっと音楽が好きになると思います。

そしてそれだけではありません、このシリーズを読んでいて強く感じたのは「伝記のすばらしさ」です。

伝記にはある時代、社会におけるその人の生き様、死に様がリアルに描かれます。

偉人達の生き様、死に様を通して学べることは私たちが想像するよりはるかに多いと私は確信しました。

偉人達が置かれた状況は困難に満ち、波乱万丈な出来事がこれでもかと続きます。

天才であるが故に自ら破滅へと突き進んだり、あるいは逆境でもこつこつこつこつ努力を惜しまず、苦労を経て成功を掴むということもあります。

そして突然の病や大切な人の死にもぶつかります。

18世紀、19世紀頃の伝記を読んで気付くのはとにかく病や死が多いということです。大切な我が子を何人も失った作曲家たちの苦しみにも私たちは直面することになります。

そうした桁違いのスケールを持つ偉人達の人生を、栄光と苦悩のどちらも目の当たりにしながら学べること。

そしてそれと共に彼らが生きた時代背景、歴史を学ぶことで私たちが生きる現代世界とは何なのかということも考えられること。

これが伝記の素晴らしい点なのではないかと思います。

たくさんの知識を頭に入れることも大切です。それは間違いありません。

ですが「偉人の生き様、死に様」から、

「じゃあ、私達が生きるというのはどういうことなのだろうか」
「私の生き様って何なのだろう」
「私の死に様はどうなるのだろう」
「どんな生き様、どんな死に様を私はしたいのだろう」
「偉人たちが生きていた時代はああだったけれど、今の時代は一体どうなんだろう。もし未来の人達が私達の世界を見たらどう思うのだろう」

などなど、じっくりと考えることも大切なのではないでしょうか。

そのことを教えてくれるのが伝記なのではないかと思います。

偉人達の歓び、悲しみ、苦悩すべてを見ることができるのが伝記です。

ぜひ偉人達の「生き様」「死に様」を目の当たりにし、そこから皆さんも何かを感じて頂けたらなと思います。

そしてその最上級の伝記として私はひのまどかさんの「伝記シリーズ」をおすすめします!

そしてぜひ全巻読んでみて下さい。読めば読むほど味わいが増してきます。様々な作曲家の人生がどんどんクロスしていき、18世紀以降の世界がどんどん見えてくるようになってきます。

こんな読書体験は滅多にありません。これは断言します。

「気に入った作家さんの本は全部読むべし」というのはあの小林秀雄も述べていました。

私も以前そうしてドストエフスキー沼にはまっていったのですが、多くの作品を読むことで見えてくるものは確実にあります。ひのまどかさんの「伝記シリーズ」もまさしくそういう作品たちであることを確信しています。

ぜひぜひひのまどかさんの「伝記シリーズ」を読んで頂けたらなと思います。読めばわかります。本当に素晴らしい作品です。強く強くおすすめします。

以上、「ひのまどか『メンデルスゾーン』~大人も子供も泣ける超一級品の伝記!」でした。

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