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本当にもったいないのは、『物を手放すこと』ではありません。

「もったいない」

「高かったから」

「まだ使えるし」

「せっかくもらった物だから」

片付けに悩む方から、一番よく聞く言葉がこれです。

私も40歳ころまで、この言葉で家を物だらけにしていました。

子どもの頃は、可愛いノートや香り付き消しゴム、キャラクターのシール。

大人になってからは、クローゼットを埋め尽くす200着以上の服やバッグ。セールで安かったからと買い溜めた、大量の日用品のストック。

「いつか使うから、捨てるのはもったいない」

そうやって、家の中にギュウギュウに物を詰め込んでいたのです。

けれど、10回の引越しを経て、60平米の賃貸で「必要な物を、必要なだけ」持つ暮らしにシフトした今の私は、あの頃とは全く違う意味で、こう思うようになりました。

本当にもったいないのは、物を手放すことではありません。

「使わない物」を家に溜め込み続ける、その時間とお金と心のメモリです。

私が「もったいない」の呪縛を手放せた、4つの理由をお話しさせてください。

1. 「使わないまま劣化させる」のが、一番もったいない

どんなに良い物でも、使わずに箱に仕舞い込んでいる間に、時代は変わり、素材は劣化していきます。

そして最後、その大量の遺品を処分するときに一番苦しむのは「残された家族」です。

テレビで「実家じまい」の特集番組を見るたびに、胸が締め付けられます。我が家には息子が1人いますが、将来、私たちの片付けで絶対に負担をかけたくありません。

だから私は、40代の今から「終活」のような気持ちで、日々持ち物を厳選しています。今、手放すことは、未来の家族への最高の優しさです。

2. 「高かった」の元は、もう一生取れない

「これ、高かったから……」と、着ていないブランド服や、使い勝手が悪くて飾っているだけの高級食器を眺めていませんか。

経済学の世界には「サンクコスト(埋没費用)」という言葉があります。すでに払ってしまい、もう二度と戻ってこないお金のことです。

厳しい現実ですが、その高い服をクローゼットに10年眠らせておいても、1円もお金は生み出しません。資産価値が本当にあるもの(今の私なら、物ではなく、投資信託など無形なものを選びます)以外は、早めに処分して「空間の余白」を手に入れた方が、長い目で見れば絶対に得をします。

その服を見るたびに「高かったのに着ていない」と思い出す時間の方が、私にはもったいなく感じるようになりました。

3. 「まだ使える」なら、自分で責任を持って手放す

「まだ使える」と思うなら、今すぐそれを必要としている人のところへ行く方が、物にとっても幸せです。

ただし、ここで一つ注意したいことがあります。

「自分が捨てる罪悪感から逃れるために、人に押し付ける」のは絶対にダメです。

相手が心から「本当に欲しい!」と言ってくれる物だけを譲り、それ以外の売れない・譲れない物は、自分の手で責任を持って処分する。

私もこれまでの断捨離で、たくさんの物を処分してきました。胸が痛む罪悪感も、捨てる際の手間やコストも、すべて体で覚えています。だからこそ、「もう絶対に、余分な物は家に入れない」と強く誓えるようになったのです。

4. 「もらった物」の役目は、受け取った瞬間に終わっている

「プレゼントされた物だから、捨てたら申し訳ない」

そう思う必要は、全くありません。物はもらった瞬間から、100%自分のものです。

贈り主があなたに一番届けたかったのは、物そのものではなく、「あなたを喜ばせたい」という気持ちのはず。まさか、そのプレゼントがあなたの家を狭くし、心を悩ませる「負担」になってほしいなんて、相手は1ミリも願っていません。感謝して、手放して良いのです。

そして、人生で一番「もったいない」のは。

使わない物を減らした先に残った、今の我が家です。

「もったいない」の視点を、物から「自分の人生」へと移してみてください。

家が使わない物で溢れているとき、私たちはどれだけ多くのものを失っているでしょうか。

物が多すぎるせいで、すでにあるストックを忘れて、同じ物を何度も買い直すこと。

「あれどこだっけ?」と、毎日探し物をして大切な時間を失うこと。

片付かないからと、広い家に引っ越したり、外部の倉庫を借りたりして、「物を維持するためだけ」に高いお金を払い続けること。

これらのお金や時間も、もちろんものすごくもったいないです。

でも、それ以上に一番もったいないのは、

「片付けなさい」と家族にイライラしたり、「どうしてうちは狭いんだろう」と、毎日『家のこと』を考え続けて、心のメモリを無駄遣いしてしまう、あなたの大切な毎日です。

物の一生のために、あなたの人生の貴重な時間を差し出す必要なんてありません。

本当に大切なのは、物の命ではなく、いまのあなたの「脳のゆとり」です。

そのことに気づけたとき、目の前の景色はスッと軽くなり、引き算の暮らしが始まります。

家の主役は物ではありません。

あなたと、あなたの家族です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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