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物を減らして、一番増えたもの。

「ミニマリストって、不便そう。」

実際、そのイメージは間違っていません。

我が家には服も少ない。
食器も少ない。
防災用品以外のストックもほとんどありません。

でも、不思議なことに、物を減らしてから私の人生には"あるもの"がどんどん増えていきました。

それは、お金でも収納スペースでもありません。


我が家は現在、60平米の限られた賃貸マンションで、激務の夫と発達に少し特性のある息子の3人で暮らしています。

今でこそミニマリストを名乗り、「家のことを考え続けなくていい暮らし」の仕組みを発信していますが、昔の私はまったく違う世界に生きていました。

もともと、空間を整えたり収納を作ったりすることは得意だったのです。けれど、とにかく家の中の「物量」が多すぎました。

大量の服、溢れる文房具、大好きな手芸グッズ、過剰なまでの日用品のストック。

さらに子どもが生まれてからは、癇癪を起こす息子の機嫌を少しでもとりたくて、ありとあらゆるおもちゃを買い与えては部屋を埋め尽くしていました。

おもちゃで心を満たそうとしていた

当時の私の頭の中は、24時間、常に「家のこと」で支配されていました。

「何か買わなきゃ」 「季節が変わったから、新しい服を見に行かなきゃ」 「物が入らなくなってきたから、新しい収納ケースを買い足さなきゃ」 「もっと家が広ければ、すべて解決するのに……」

常に何かに追われ、焦り、足りないものを探す日々。 そんなとき、私はミニマリズムと、やましたひでこさんの「断捨離」という概念に出会いました。「こんな世界があるのか」と目の前が開けるような衝撃を受け、まずは衣類ケースを1箱ずつ、減らしていくことにしたのです。

(ちなみに、家中の物を徹底的に引き算していく過程で、気がつけばメルカリの販売実績は700件を超えていました)

使わなくなったゴルフバッグ、かつての2人用のミニテーブル、似合わなくなった大量の服、そして役割を終えたおもちゃたち。 それらを必死で手放していった結果、我が家には少しだけ「不便になったこと」が生まれました。

少しだけ不便になった、我が家の日常

正直に言うと、物を減らしたことで不便になったことはあります。

でも、その小さな不便と引き換えに、以前の私が何より欲しかったものが手に入りました。

家のことを考え続けなくていい毎日」です。

  • 服が少ない:毎日のコーディネートのバリエーションはあまりありません。

  • 食べ切れるだけの食料:冷蔵庫に食べ切れる分だけ。ほぼ毎日スーパーに行って食料を調達します。

  • 食器も最小限:使ったらすぐに洗わないと、次の食事の器が足りなくなります。

  • ストックもあまり持たない:切らしたらその都度買いに行く必要があります。

「そんな暮らし、面倒くさそう」「大変じゃない?」と思う方もいるかもしれません。 しかし、このほんの少しの不便さと引き換えに、私の人生には、以前とは比べものにならないほどの「莫大な豊かさ」が流れ込んできたのです。

物を減らして、私の人生に増えた6つのもの

① 心のゆとり(脳のメモリの解放)

朝、クローゼットを開けて「今日何着よう?」と悩む時間が完全にゼロになりました。

平面に無駄な雑貨や物を置かないため、毎日の掃除は驚くほどラクです。サッと拭いて、掃除機をかけるだけ。

家事のハードルが下がったことで、ズボラな私が今では毎週ラグをめくってソファの裏まで掃除機をかける時間的なゆとりすら生まれました。 ホコリが少ないおかげか、小さいとき喘息の症状があった息子も今は症状は全く出ていません。

また、ネットのセールに参戦したり、ウィンドウショッピングに費やしていた膨大な時間が丸ごと浮いたため、焦りの感覚が消え去りました。

最近では、夫のリクエストで窓際で「しそ」と「パセリ」を育て始めました。昔のキャパオーバーな私なら「そんな面倒なこと絶対に無理」と一蹴し、「そんなの自分でやってよ」とイライラを夫にぶつけていたはずです。

今は毎日、小さな緑の成長を眺めるのが愛おしく、間引いた葉を夕食にそっと添える時間を心から楽しんでいます。

窓辺で元気に育っています

② 揺るぎない自信

「私は、これだけの物があれば十分に心地よく暮らしていける」 その確信が、私の中に強い軸を作ってくれました。家が狭くても大丈夫。高級な物がなくても大丈夫。

仮にこれから家計の収入が減るようなことがあっても、私たちはいくらでも軽やかに生きていける。

そう思えたからこそ、世間のレールを外れ、本当に自分がやりたい得意なことで生きていこうと、片付けサポート(Meguru Living)を立ち上げる勇気が出たのです。

③ 驚くほど増えたお金

かつては毎月、服や装飾品、コスメにいくら使ったのか分からず、クレジットカードの利用履歴を見るのが怖いほど、お金の感覚が麻痺していました。

買い物のノイズが消えた今、我が家のお金は驚くほど手元に残るようになり、将来のための貯蓄や投資へ回せるようになりました。

そして何より、大切だと思える「経験」に、迷わずお金を使えるようになったのです。

昨年は、息子のたってのリクエストで遠方にも関わらず万博へ合計10日間も通いました。

一生の思い出になりました

以前のように物に囲まれ、毎日家のことで頭がいっぱいだった頃の私なら、ここまでリクエストに答える余裕すらなかったと思います。

広大な会場を一緒に歩き、未来の技術に目を輝かせ、何度も笑い合った時間。

あれは、私たち家族にとって間違いなく「一生に一度」の思い出になりました。

来年は息子が初めてとなる海外旅行に挑戦しようと思っています。

物ではなく、消えない経験にお金を使えること。

それが、今の私にとって何より豊かなことだと感じています。

④ 暮らしの中の「罪悪感」の消滅

使い切れる量しか持たないため、我が家からは以下の3つの「罪悪感」が消えました。

  • 賞味期限切れで食材を捨てること

  • 一度も着ていない服をクローゼットに眠らせておくこと

  • 出番のないコスメをドレッサーに放置すること

先日、愛用していたアイブロウペンシルがなくなったため店舗へ買いに行きました。しかし、うっかりいつもより細いタイプを間違えて買ってしまったのです。

多少使い心地が気に入らなくても
最後まで使い切ります

昔なら「使いにくいから」とすぐに買い直して古い方を放置していたかもしれません。でも、今の私は「物を無駄に増やしたくない」という想いから、その1本を最後まで大切に使い切ることを選びました。その選択が、とても心地いいのです。

私のクローゼットには、厳選された20着の服しかありません。だからこそ、1着1着を本当に大切にお手入れして着るようになりました。

息子と私の共有クローゼット
服はこれだけに厳選しました

↓厳選に厳選を重ねた私の20着はこちら


新しく我が家に入ってきたものへの扱いも変わりました。先日、夫が取引先の方から「固形石鹸」をいただいて帰ってきたのです。昔の私なら、引き出しの奥にしまって存在を忘れるか、「ハンドソープのストックがあるから」と処分していたかもしれません。

でも今の私は、その石鹸を小さなお気に入りの豆皿に載せ、洗面台にそっと置いて毎日大切に使っています。

今だけ石鹸とハンドソープの二刀流です

心に余白があるからこそ、日常の小さな戴き物にも丁寧に命を吹き込むことができるのです。

⑤ 他人と比べなくなり、自分の暮らしが好きになった

我が家には、20年ほど前に100円ショップで買った収納カゴが、今でも現役で働いています。

何回引越しをしても
場所を変えて活用しています


今はSNSを開けば、白や透明で統一された、美しく「映える収納ケース」がたくさん紹介されています。

以前の私なら、「私も揃えたい」と飛びついていたかもしれません。

でも今の我が家には必要ありません。

誰かに見せるための収納ではなく、暮らしを回すための収納。

映えなくても、それが物を収めるという役割を果たしていて、使いやすければ私はこれで十分です。

物を減らしたことで、「誰かの正解」ではなく、「我が家の正解」を選べるようになりました。

SNSに映る誰かの暮らしと比べて、「もっと広い家なら」「もっとおしゃれな収納なら」と思うことも、ほとんどなくなりました。

画面の向こう側の正解ではなく、この60平米の部屋で、私と夫、そして息子が笑って過ごせている。

その等身大の暮らしが、今はたまらなく愛おしくて、大好きです。

「足りないもの」を探していた頃より、「今あるもので十分」と思える今の自分の方が、私はずっと好きになりました。

最後に

私は、ただ「部屋をきれいに片付けたかった」わけではありませんでした。

毎日の暮らしの中で、「あれどこだっけ?」「早く片付けなきゃ」と、家のことを考え続けなくていい毎日が欲しかった。

いつも脳のメモリを満タンにして、家族に笑顔で向き合える、静かな「心の余裕」が欲しかったのです。

私にとって片付けとは、部屋を美しく飾るための目的ではなく、自分の人生の主権を取り戻し、家族との幸せな時間を1分でも増やすための「最強の手段」でした。

だから私は、これからも収納ではなく、「家のことを考え続けなくていい暮らし」を届けていきたいと思っています。

もし今、あなたが大量の物に追われ、頭の中が家事のノイズでいっぱいになっているなら、一度その手を止めて、仕組みの「引き算」を始めてみませんか。

物を減らして増えたものは、収納スペースではありません。

人生を楽しむための余白でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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