「心と言葉のグローバル日英作文」(7)作業手順1:日本語元原稿の準備(1)
ここからは、「グローバル日英作文」のそれぞれの作業手順について説明します。
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手順1:日本語元原稿の作成・入手
まず、日本語で書かれた元原稿を用意します。
元原稿は自分で作成するか、他者がつくったものを使うかのどちらかです。
どちらの場合も「グローバル日英作文」と呼びます。
なお他者がつくった日本語原稿を使う場合の一部が「グローバル日英翻訳」と呼ばれます。
ここでは「日本の古都であり1200年以上の歴史を持つ京都には数多くの寺や神社がある。」という元原稿を用意して、それをベースとして、その後の手順について説明します。
【日本語元原稿】
日本の古都であり1200年以上の歴史を持つ京都には、数多くの寺や神社がある。

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手順2:日本語での原子命題表現の作成
続いて、作成・入手した日本語原稿から、日本語の原子命題に対応する表現をつくります。
「心と言葉モデル」における「原子命題」とは「思考のまとまりの最小単位」のことです。言語表現そのもののことではありませんが、ここではそれに対応する複数の言語表現のなかから適切なものを選び出して利用します。
なお「原子命題」に関する説明については「心と言葉モデル」のテキストにあるので、そちらを参考にしてください。
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実際の日本語文から原子命題表現をつくる作業は、例えていえば、料理のために魚をさばくのと同じです。
魚をさばく際には、頭を切り落としたり、鱗をとったり、内臓をとったりしてから、三枚におろしますね。
原子命題表現においても、こうした「下ごしらえ」をおこないます。
具体的には、以下のようなものです。

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下ごしらえの実施
1)モダリティ要素・文体要素の削除
元の日本語の表現に含まれているモダリティ要素・文体要素をできるかぎり削ぎ落して命題と情報構造だけにします。
日本語は、モダリティ表現が極めて強い言語です。
たとえば、この文章で用いている「です・ます」体も「相手に対するていねいさ」という対人的モダリティの表現形式です。
いっぽう、英語はモダリティの表現が非常に弱い言語です。
そのため、「です・ます」で表現される「ていねいさ」という対人的モダリティを英語で表現することは極めて困難です。
そこで「下ごしらえ」として「です・ます」を「である・だ」に変えるわけです[1]。
文体も、できるかぎりニュートラルなものに変えます。
[1] ただし日本語の場合、「です・ます」体を「である・だ」体に変えると「相手に対するていねいさのなさ」という「です・ます」とは反対方向の対人的モダリティが表現されてしまいます。
このように日本語は本質的にモダリティ表現から逃れようのない言語なのです。
それでも「です・ます」から「である・だ」に変えて口語体から文語体へとシフトすると、元の日本語が持っていたい「モダリティ臭」が大幅に減ります。
[2] 「は」に関する詳しい説明は「心と言葉の日本語文法」をみてください。
[3] 外国人に教えるための日本語文法では「名詞+だ」構文、動詞構文、イ形容詞構文などと呼ばれています。
(つづきは↓)
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