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【🎨展覧会レポ】多治見市モザイクタイルミュージアム「タイルは語るーあの日の記憶・創造のカケラー」ほか

【#333、約文4,900字、写真約70枚】
多治見市モザイクタイルミュージアム(岐阜県)に初めて行き「タイルは語るーあの日の記憶・創造のカケラー」などを鑑賞しました。その感想・レビューを書きます。

▶︎ 結論

岐阜県多治見市までわざわざ足を運んだ価値がありました!それは主に、1)藤森照信による唯一無二の建築が面白い、2)ワンコイン体験工房は子どもも楽しめる、3)普段見逃していたタイルの歴史や特徴を知ることができたためです。岐阜駅からは非常に遠いため、スケジュールは計画的に

注意点:体験工房は鑑賞前に実施すべし!

おすすめ度:★★★☆☆
会話できる度:★★★☆☆
混み具合:★★★☆☆
展覧会名:タイルは語るーあの日の記憶・創造のカケラー
場所:多治見市モザイクタイルミュージアム
会期:2026年2月11日(水・祝)~5月24日(日)
休館日:月曜日
開館時間: 午前9時〜午後5時
住所:岐阜県多治見市笠原町2082−5
アクセス:多治見駅からバスで約15分、さらに歩いて約15分
入場料(一般):500円
事前予約:ー
所要時間:約1時間半
撮影:すべて可能
巡回:ー
URL:こちら


▶︎ 訪問のきっかけ

訪問のきっかけは、2025年8月にラコリーナ近江八幡(滋賀県)に行って、藤森照信による建築の面白さに触れたためです。モザイクタイルミュージアム(以下、タイルミュージアム)について、インターネットで体験記を多く読んだことがあったため、行きたいと考えていました。

▶︎ アクセス

岐阜駅(遅延が発生)

私は、多治見駅からバスに約15分乗って「笠原車庫前」で下車。そこから約15分歩いてタイルミュージアムへ到着しました。バスの本数が少ないことに加え、乗るバスによって、バス停も変わります。

そもそも私は、多治見市の位置をわかっていませんでした。調べてびっくり、岐阜県の左端から右端へ。県内移動でも、岐阜駅から多治見駅に行くだけで、1時間40分もかかりました😅

やっと多治見駅に到着
「やくならマグカップも」って語呂悪くないかい…?
バスでミュージアムへ
本来は9:40発に乗るはずだったものの、電車が遅延。
10:10分発のバスに乗車
笠原車庫前から約15分歩いて、
ミュージアムに到着。

なお帰りは、バスの時刻表を事前に確認した上で、バス停「モザイクタイルミュージアム」から多治見駅まで乗車しました。

バスの本数が少ない!

▶︎ 多治見市モザイクタイルミュージアムとは?

設計は、独創的な建築で世界的な評価の高い建築家、藤森照信氏。(略)膨大なタイルのコレクションを基盤に、この地域で培われてきたタイルの情報や知識、技術を発信。さらに、訪れた方々がタイルの楽しさに触れ、タイルを介して交流して、モザイクタイルのように大きな新しい絵を描いていける、そんなミュージアムを目指します。

公式サイトより

タイルミュージアムは、2016年に開館。多治見市は、施釉磁器モザイクタイル発祥の地であり、全国一の生産量、国内のシェア8割以上を誇ります。

年報第1号には、藤森照信の「あいさつ」があります。そこには、タイルミュージアムがつくられた経緯や、建築の背景なども書かれています。藤森照信の文章は面白いため、一読をオススメします。

タイルの博物館はすでに常滑にあるから、日本に二館はいらないと思った。…あんな真似はガウディのスペイン的造形力のたまもの。真似た例はどれも失敗している。…私の想像力も創造力も、タイル壁に阻まれ行き詰まってしまった。…あれこれ悩んでいるうちに、“タイルを使わなければいい ”と思い到った。…でも顔は心配そう。

藤森照信の言葉

なお、何気なく使われる「タイル」の定義は以下です。

  • タイル…建築物の表面に使われる陶磁器製の薄片に対する総称

  • モザイクタイル…表面積が50㎠以下の小さなタイル

アクセスが大変だったタイルミュージアムですが、到着すると館内には、思いの外、たくさんの観覧者がいました。中でも「体験工房」は、開店1時間後で待ちができるほど人気でした。

ミュージアムの中身は「美術館」と言うより「博物館」に近いと感じました。私は、バスの発車時刻を考慮して、約1時間半で切り上げました。「体験工房」も含め、ゆっくりと展示を見た場合、約2時間はかかると思います。

すべてを見終わった後、今まで見過ごしていたタイルに対して「あ、これもあれもタイルや!」と、改めて意識が向かうようになりました。

✔️ 目玉は藤森照信による建築!

1/150の模型

タイルミュージアム最大の特徴は、藤森照信による建築だと思います。このインパクトのある形状がないと、私は多治見まではるばる来なかったです。

藤森照信曰く、ガウディ的表現をイメージしつつ、外観には、あえてタイルをほとんど使わず、タイルの原料である土を全面に見せたとのことです。

このフォルムをインターネットで見た時「ラコリーナ近江八幡のような駘蕩たいとうで、自然いっぱいの場所に位置するんやろうなぁ」と思っていました。しかし到着してみると、意外にもミュージアムは住宅地に囲まれた場所にありました(もともと、多治見市立笠原小学校があった場所)。

周りは住宅街(画像引用

建物の端には、松のような植物が生えています。これは、ラコリーナ近江八幡の「土塔」のまんまでした。

ラコリーナ近江八幡の土塔(2025年10月撮影)
側面から松が生えている(同上)

タイルミュージアムの駐車場から、曲がりくねった一本道を進むと、かわいい入り口に到着します。

壁にある点々は、
お茶碗や、
陶器の欠片。

建築については、以下のnote投稿が詳しいです。

広場には、
果物タイルのベンチ。

館内は4階建て。受付で、4階→3階→2階のルートをオススメされました。なお、まずは1階の「体験工房」を実施した方がいいです。そうすれば、すべて見終わった頃に、工作のボンドが乾いています。

画像引用

✔️ 1階:体験工房

1階では、来館者が体験できる500円のワンコイン工作を行っています。

来館した人のほとんどが、ワンコイン工作をしていました。オープン1時間後の11時前に伺ったところ、すでに数人の待ちが発生。中には、展示を見ずに、体験工房のみ実施している人もいたほど人気でした。

受付にあった見本

ワンコイン工作でつくれるものは3種類(フォトフレーム、コースター、オーナメント)。工房の中は、体験1名につき、付き添い1名まで入室が可能でした。

モザイクタイルの種類がたくさん!

私は普段、美術館でアクティビティを体験しません。しかし、これは体験して良かったです(むしろ来館者全員がやるべき)。私の子どもは、1泊2日の岐阜旅行の中で、この体験工房が一番楽しかった!とのことでした。

子どもの作品
来館者たちの作品
子どもの作品が完成!
何も指示しなかったにもかかわらず、結構上手!
家での使用状況

✔️ 4階:展示室1

4階は、藤森照信が選んだタイル空間。空間すべてが白いタイルに覆われています。その中には、モザイクタイル画の壁面、銭湯の絵タイル、洗面台や浴槽などが設置されていました。「展示室」というよりは「遊び場」という印象でした。

その中でも、一際目が行くのが、穴があいた天井につながる、蜘蛛の巣のようなタイル作品でした。

何か一つ世界初のタイル利用を、と考え、思いついたのは “線状のタイル利用 ”だった。夏休み、信州の田舎の家に各務さんから各種モザイクタイルとタイル用ボンドを送ってもらい、試すとうまくいく。

藤森照信の言葉
ワイヤーにタイルがくっついている
天気のいい日は踊っちゃうほど、気持ちがいい
マリリンモンローのモザイクタイルアート
階段にも藤森照信味があふれる

✔️ 3階:展示室2

モザイクタイルの先駆者・山内逸三

3階も、4階のような「遊び場」だと思ったら、モザイクタイルの製造工程や歴史などをしっかり説明していました。奥には、特別展示を開催するギャラリーも設置しています。

ここで、タイルについてのいくつかの疑問が晴れました。

疑問1)なぜ、多治見でタイルが興隆したのか?

多治見付近ではタイルづくりに必要な陶土など、良質な原料が豊富に採れたことが、産業発展につながりました。そのため、古くから「美濃焼」の産地として1,300年以上の歴史があります。

その後、多治見市笠原町付近では、原料生産や成形、焼成、企画、販売にいたるまで、各製造過程を担う分業体制が確立しました。最盛期には、100以上のタイル工場があったそうです。もちろん、生産量、生産シェアともに日本一です。

疑問2)誰が「モザイクタイル」をつくったのか?

1935年頃、笠原生まれの山内逸三が、施釉(釉薬うわぐすりを塗る)磁器質モザイクタイルの量産化を全国で初めて成功しました。

手作業でタイルをつくっていた時の道具

それまでは単色で地味だったタイルが、カラフルで耐水性の高いものへと進化。それにより、高度経済成長期に風呂場、トイレ、台所などの水回りや、外壁用として普及したそうです。

当時のモザイクタイル営業道具

モザイクタイルは、小さなタイルを連続的に並べることで、さまざまなバリエーションをつくることができます。まるで、テキスタイルを印刷する機械を思い出しました。

▼ テキスタイルの展覧会

✔️ 企画展「タイルは語るーあの日の記憶・創造のカケラー」

レスキュータイル(解体現場などから救い出されたタイルの断片)や、建築を彩ってきた作家によるタイル壁画の断片、モザイク作品を紹介します。(略)写真資料とともに、タイルが人々の暮らしの中でどのように息づいていたのかを追体験します。

公式サイトより
岐阜県庁の床面

「タイル」と言っても、小さなモザイクタイルから、大きなレリーフまで、さまざまな種類があることに気づきました。

龍城温泉(愛知県)の内装タイル
柳湯(京都府)
平安神宮のタイルアート

タイルは陶器なので、完全に同じものはできません。そのため、微妙なムラがあります。また、それを組み合わせる時、完全な直線にはなりません。そこに手仕事による温もりがあると感じました。

それにしても、タイル作品を収集・保存するのは、物理的にも負担のかかる作業だな、と思いました😅

✔️ 2階:展示室3

2階は、(一財)たじみ・笠原タイル館が運営する産業振興エリアです。

家庭用・工業用のタイルを販売
意外と安い

近年、建築内装などにも使われている例も設置されていました。

バーでタイルの使用例

数十年前、実家のトイレや浴室は、総タイル張りでした。汚れがタイルとタイルの隙間に飛び散ったり、タイルの上にカチャッと音が鳴る勢いでものを置くと、親から注意されたことを思い出しました。

子ども部屋でタイルの使用例

しかし現在、実家や私が住む家では、タイルはなく、強化プラスチックや塩化ビニール製の床材が使われています。シンプルな見た目やお手入れ・改装のしやすさなどを考えると、タイルを選ぶ人は少数でしょう。

全国陶磁器生産実績」などもとに集計

調べると、タイルの生産量は、1990年の1億2千㎡をピークにして、2025年には9千㎡と、初めて100万㎡を切りました(ピーク時のたった7.3%)。今もタイルに一定の需要はあるものの、イノベーションがない限り業界に未来はなさそうです。

3階や2階を通して、タイルの歴史や特徴を知ることにより、普段の生活の中で子どもが「あ、これはタイル!」と言うなど、私も含めて、改めてタイルの存在に目が行くようになりました。

▶︎ まとめ

買ったポストカード

いかがだったでしょうか?藤森照信による建築を味わうために、わざわざ岐阜県多治見まで訪れた価値がありました。日常の中のタイルにも、改めて注目するようになり、視野を広げることができました。また、ワンコインで楽しめる体験工房はステキな思い出になること間違いなしです!

▶︎ 今日の美術館飯

★3.3/モスバーガー アスティ岐阜店 (岐阜県/岐阜駅) ー モーニングドッグ ドリンクセット (¥440)
★3.5/トラントドゥ (岐阜県/多治見駅) ー ガレットコース (¥1,300)
パスタコース (¥1,500)
デザートクレープ

▶︎ 次回予告

次回は、大井競馬場で実施されたイベント「東京メガイルミ」(2025年1月参加)の感想を投稿する予定です。


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