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【展覧会レポ】東京都写真美術館「ルイジ・ギッリ 終わらない風景」

【#273、約2,700文字、写真約30枚】
東京都写真美術館で開催中の企画展「ルイジ・ギッリ 終わらない風景」を鑑賞しました。その感想・レビューを書きます。

▶︎ 結論

観覧者がいっぱいで驚きました。ソール・ライターを彷彿とさせる作風は、日本人的感性とも相性がいいと感じました。現代のインスタでも人気を得そうな作風です。日本では珍しい、イタリアでは有名な写真家・ギッリの個展。この機会に是非、訪問をオススメします。

おすすめ度:★★★☆☆
会話できる度:★★★☆☆
混み具合:★★★☆☆
展覧会名:ルイジ・ギッリ 終わらない風景
場所:東京都写真美術館
会期:2025.7.3(木)—9.28(日)
休館日:月曜日
開館時間:10:00~18:00
住所:東京都目黒区三田1丁目13−3 恵比寿ガーデンプレイス内
アクセス:恵比寿駅から徒歩約5分
入場料(一般):800円
事前予約:不要
所要時間:約40分
撮影:すべて可能(1点撮影は不可)
巡回:ー
URL:こちら 


▶︎ 「ルイジ・ギッリ 終わらない風景」感想

イタリアを代表する写真家ルイジ・ギッリ(1943-1992)の個展を開催します。(略)本展では、1970年代から晩年にかけてギッリが撮影した(略)多様な視覚的断片によって構成された風景表現を紹介します。(略)ギッリが探求し続けた、終わりのない風景に対する解釈とその世界観に触れる機会となれば幸いです。

公式サイトより

日本で開催されたルイジ・ギッリ(以下、ギッリ)の個展は、「Works from the 1970s」@タカ・イシイギャラリー東京(2017年5月27日~6月24日)以来。日本でギッリが取り上げられるのは珍しいようです。

✔️ ルイジ・ギッリって誰?

イタリアのレッジョ・エミリア県スカンディアーノ生まれ。1970年代より本格的に写真制作に取り組む。色彩、空間、光に対する類まれな美的感覚と、ありふれたものをユーモラスに視覚化する才能によって、主にカラー写真による実験的な写真表現を探求してきた。

公式サイトより

イタリア生まれの写真家の中で、有名な方のようです。同日開催中だった展覧会「TOPコレクション トランスフィジカル」で展示されていた作品には、同じくイタリア生まれのマリオ・ジャコメッリの作品もありました。

マリオ・ジャコメッリ 《自分の顔を撫でる手もない》
ギッリと同じくイタリア生まれの作家

✔️ 展示室内は大賑わい

ほぼ初日に訪れたこともあり、ものすごく人が多かったです。「モネやゴッホの展覧会でもないのに、ギッリってこんなに人気なん?!」と不思議に思いました。

✔️ 稀に見るシンプルな展示構成

展示方法は、すべて白い壁、そこにズラズラ写真が掛けてあるだけ。特徴的なキャプションやイラストもなし。とてもシンプルな構成でした。近年、力を入れているTOPのコレクション展とは印象が大きく違いました。ギッリの作風に合わせて、あえて単調な見せ方にしているのでしょうか。

✔️ ほんのりユーモア

モノをメインに撮る、要素が少ない、物質的、そのような一本の筋が通っており、全体的にコンセプチュアルでキレのある芸風でした。イタリア人はこのような気質があるのでしょうか。

写真家本人の性格も「他の人と同じことを嫌う」「目立ちたいけど、目立ちたくない」など、一癖ありそうな人柄が透けて見えました。また、どことなく、作品に8%くらいのほんのりとしたユーモアも感じました。現代のインスタでも人気を集めそうな写真です。

✔️ ソール・ライター味

ギッリの作品には、風景の中に、別の違和感を心地よく差し込むことが多いです。このような一癖ある写真はユーモアがあって、私は好きです。

雰囲気は違えど、ソール・ライターに似ている気がしました。ソールと同様に、つい真似したくなる構図と被写体選びです。間の使い方は、どことなく日本人的な感性も感じました。

曇っている窓ガラス越しに撮影した、まさにソール的な写真もありました。過去に訪問したソール・ライター展は大人気だったため、それと同じ要領で、ルイジ・ギッリ展も人気だったのでしょうか。

✔️ 欧州的生活空間

ヨーロッパの写真を見たり、実際に訪れた際、彼らのスッキリした生活スタイルに驚きます。日本で家の中を撮ると、ごちゃごちゃした生活感がむき出しの風景になりそうです。イタリアで連綿と続いてきた感性が影響しているのでしょうか。モノの少ない統一感のある空間は心が落ち着きそうです。

✔️ 一番気に入った写真は、

右《ブラーイエス、1979》

ギッリのように「写真を撮る人を撮った写真」「作品を見る人を撮った写真」を撮りたくなる気持ちにすごく共感しました。私は写真をたくさん撮りますが、写真を撮る行為自体も好きです。そのため、この展覧会の中で《ブラーイエス、1979》が最も気に入りました。

✔️ 一点撮りはダメ

展示室前の注意書きに「一点撮り」はダメと書いてありました。しかし、会場内では、それを実施している人もいました。会場前に言葉で書いても見ない人は多いです。そのため、このような注意書きは、イラストやアイコンを使って、誰が見てもパッと意味がわかる方法にすべきだと思います。

撮影禁止ではなく「一点撮り」禁止にする背景は、1)著作権保護、2)作品保護、3)鑑賞体験の担保、4)商業利用の防止、があるようです。

近年、ハイスペックなデジカメを展覧会に持ち込む人も多いため、1)はあまり説得力がないです。また、図録は写真だけでなく解説やインタビューなどが重要であるため、4)もピンときません。

一方で、作品に近づいて破損するおそれや、作品の近くで撮影のために長い時間占拠することを鑑みると、2)3)は納得感があります。

観覧者の立場からすると「1つも撮っちゃダメ!」と言われると「くそぅ…」と感じます(鑑賞に集中できるメリットはありますが)。一方で「遠目でなら撮っていいよ」と言われると「撮らせてくれてありがたや🙏」と思います。「撮れない」「撮れる」には、心理的に大きな違いがあります。

これら総合すると「一点撮り」禁止は、運営面でも、鑑賞者の気持ち面でも、中間をとった選択なのかもしれません。とはいえ、なぜ「一点撮り」禁止なのか、一言でもいいので、その美術館の「考え」を併記いただけると、納得感をもって鑑賞できる人が増えると思いました。

なお、当日、TOPで開催中だった他の展覧会も「一点撮り」が禁止でした。

▶︎ まとめ

チケット

いかがだったでしょうか?日本人に親和性のありそうな作風は、作品を見ていてどこか心が惹かれました。日本でも珍しいギッリの個展は、このタイミングで行って損はないかもしれません。


ほぼ父親の記憶のないご息女のインタビュー。
あまり参考にならず
ギッリを少し意識して撮影

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Naota_t Thank you for your support!