【展覧会レポ】東京都写真美術館「被爆80年企画展 ヒロシマ1945」
【約3,000文字、写真約35枚】
東京都写真美術館で「被爆80年企画展 ヒロシマ1945」を鑑賞しました。その感想を書きます。
▶︎ 結論
いつもの東京都写真美術館の展覧会と違い、「知る」「学ぶ」貴重な機会となりました。それは主に「写真のチカラ」と詳細なキャプションによって、当時の原爆投下に関する事実を具体的に理解できたためです。鑑賞した人が新しいアクションを起こすことで、1つでも笑顔が増える未来を願います。展覧会は8月17日までのため、お早めに!
おすすめ度:★★★☆☆
会話できる度:★★☆☆☆
混み具合:★★★☆☆
展覧会名:被爆80年企画展 ヒロシマ1945
場所:東京都写真美術館
会期:2025.5.31(土)—8.17(日)
休館日:毎週月曜日
開館時間:10:00~18:00
住所:東京都目黒区三田1丁目13−3 恵比寿ガーデンプレイス内
アクセス:恵比寿駅から徒歩で約5分
入場料(一般):800円
事前予約:ー
所要時間:1時間〜1時間半
撮影:すべて可能(1枚撮りは不可)
巡回:ー
URL:https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-5175.html
▶︎ 「被爆80年企画展 ヒロシマ1945」感想

第2次世界大戦末期の1945年8月6日午前8時15分、米軍がB29爆撃機「エノラ・ゲイ」から人類史上初めて、都市の上空に原子爆弾を投下しました。(略)広島では年末までに推計で14万人が犠牲になったとされます。(略)世界各地で戦火が絶えない今こそ、被爆者の「決して繰り返させてはならない」という訴えとともに、原爆写真と映像を広く共有しなければなりません。このたび、広島市民、報道機関のカメラマンや写真家の手による広島原爆写真約160点と映像2点を公開します。


✔️ 過去を知って、未来をつくる
歳を重ねるごとに歴史に興味が湧いてきます。それは自分が死(寿命)に向かうからこそ、残りの人生をどう生きるかに関心が増しているからなのかもしれません。
▼ 読んで心に残った歴史などに関する本
広島平和記念資料館もいつか行きたいと思うようになりました。修学旅行で行きましたが、同級生が館内でピースサインをして撮影したため、先生が怒った記憶しかありません。

✔️ あれからすでに80年

今年は原爆投下から80年目。近い将来、生き証人はいなくなるでしょう。そこで、各団体は記憶継承に力を入れています。しかし、本人が語るのか、関係者が語るのかで、インパクトも大きく変わります。そのうち、同じ歴史が繰り返されないことを祈ります。

✔️ 「写真」を撮る意味、残す意味

このような悲惨な歴史は、写真を撮ったからこそ、後世に伝えられる側面があります。どれだけ優秀なライターが文字で表現しても、一枚の絵に勝てないことも多いです。その意味で「写真のチカラ」は、アートだけでなく、教育などにも貢献した大発明だと思いました。

✔️ 伝える苦しみ、受け取る覚悟

破壊された建物の写真は、状況が具体的に伝わります。それに増して、人が写った写真は、ダイレクトに心に刺さりました。
当時、カメラマンはシャッターを押すことが苦痛だったそうです。「命令とはいえ、あまりに残酷じゃないか」「写すときに視線が合うんです」「撮られる者の身になれば、こんな無残な光景をさらされちゃあ」と、会場ではカメラマンの苦しみも伝えていました。
また、私はアニメ「この世界の片隅に」を映画館で見たことがあります。
アニメはアニメの良さがあると思いますが、この展覧会に並んでいる被害者、遺体の写真を見た時、息を呑みました。特に、全身火傷の写真は衝撃が大きかったです。

熱戦や爆風のほか、放射線による被害もありました。被曝することで、毛が抜け、歯根から出血し、紫斑が身体中・顔に現れ、うわごとを言って亡くなる人が続出しました。これは当時「原爆症」と言われました。

✔️ 「知る」「考える」展覧会

これは「知る」「考える」ための展覧会だと思いました。このような社会性のある展覧会を、公立である東京都写真美術館で実施することは、大きな意義があります。

この展覧会では、キャプションをしっかり読んでから写真を見るようにしました。写真によるインパクトに加え、その背景にある情報を知ることも、私にとっては重要でした。
写真を見て衝撃を覚えるものの、あまりリアリティはありません。しかし「今この状況が起こったらどうなるだろう?」と考えることはできます。

例えば「難民」と言われても、なかなか身近に感じることができません。しかし、原爆で被災した人たちの中には、国内避難民(難民)となった人もいるでしょう。そう考えると、難民・国内避難民をグッと身近に感じます。
展覧会全体を通して、強い思想的なメッセージはなく、ニュートラルな印象を受けました。これらを見て、未来のために何を考え、何を実行するか。それは私たち次第だと思いました。
✔️ 若い視線に抱く希望

会場内には、来館者が多くてびっくり。なかでも、若い人が多いのが印象的でした。どのような動機で、この展覧会へ訪れたのでしょうか(尊敬の念しかない!)。私が同じ年頃は、絶対に行ってなかったと思います。

また、会場には外国人の方も多かったです。キャプションには、ややこしい地名なども含めて、すべてに日英併記だった点に感心しました。外国人の方は、どのような気持ちでこの展覧会を見ていたのか、少し気になりました。

✔️ 撮影可能、ただし…

展示室内は「作品1点のみの撮影不可」でした。最近の展覧会で、たまに見る形式です。受付の方曰く、被害者の写真も写っているため、精細な写真撮影を遠慮しているとのこと(中国新聞社の意向だそうです)。

同館2階で実施中の「ルイジ・ギッリ 終わらない風景」も「作品1点のみの撮影不可」でした。展覧会によって、規制の理由は変わるのでしょうか。積極的に撮影してほしくないけど、来館者が撮りたいニーズもあるし、その折衷案的な対応なのかもしれません。
✔️ その他


会場内には、動画が2つ流れていました。NHK所蔵には英語字幕はあった一方、国立映画アーカイヴ所蔵には英語字幕がありませんでした。日本人以外にも伝えるべき重要な資料であるため、英語字幕は必要だと思いました。





撮影者の紹介が書かれていることに加え、すべてのキャプションには、爆心地「⚫︎メートル」と記載があることは、この展覧会ならではの工夫でした。


中でも、迷子収容所の写真は悲しかったです。もし、自分の子どもが、この悲惨な状況で迷子になってしまったらどうしようと、心が痛くなりました。



▶︎ まとめ

いかがだったでしょうか?被曝80年として、広島への原爆投下について知り、考える貴重な機会となりなりました。約160点の写真と、それに伴う詳細なキャプションは大変参考になりました。原爆を直接体験した人が減っていくなか、このような機会を大切にして、私たちはより良い未来をつくっていかないといけません。展覧会は8月17日までのため、お早めに!
▶︎ 今日の美術館飯

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