🇫🇷クリストフルのフランス美学. カサドシュ&セルのモーツァルトピアノ協奏曲17,20,21,22,27番.気品ある美しさ🇫🇷

一番最初にフランスに行った時の話は、「コンコルド広場の椅子」に書いているけれど、まだユーロになる前だったので、大体、日本の半額で買い物が出来た。
その中でも御目当ては、フランスが誇るクリストフルのカトラリー。
といっても高いので、もう少しお手頃で小さくて持ち帰りやすくて、先々絶対に後悔しない物を買おうと決めていた。
そこで、日本の雑誌に載っていたクリストフルの子猫の置物にしようと雑誌の切り抜きをクリストフルまで持って行ったのだ。
クリストフルは1830年創業で、フランス王ルイ.フィリップから王室御用達の認定を受けており、フランスを代表する「卓上の芸術品」の銀製品ブランドである。

あの頃はちょうど、ホテルリッツのある、ヴァンドーム広場の周辺に、クリストフルはあった様な気がする。
そもそも、日本人でそういう物を欲しがる人は少ないらしくて、店員も驚いた様子で、店頭には無い商品の為に、わざわざ倉庫まで探しに行ってくれた。
そして、こう言うのであった。
「親子でどうですか? 2つで1万2千円でどうですか?」
親猫は日本の定価で約3万円、子猫が1万2千円なので、約4万2千円の物が、1万2千円なら安いので、二つ返事で喜んで買って帰った。
そのシリーズは、雑誌ヴァンサンカンに載っていた商品である。
その時は、フランス在住の画家の先生が一緒だった事もあり、お店側の愛想も大変良かった様に思う。

その当時クリストフルは、まだ日本ではあまり知られていなくて、日本人がお店に入って来る事は少なかったそうだ。
そのクリストフルの親子猫は、今でも大切にキャビネットに飾ってあるけれど、日本で認知される様になる頃には、バブルも弾けてしまい、そういった商品は日本には一切入って来なくなった。

クリストフルでは、この猫とは別に鳥も製造していて、一度だけ見せてもらった事がある。
見せて下さったのは、フィニッシング.スクールの先生で、かわいらしいクリストフルの鳥を見せて下さった。
その時に、「私は、猫を持っています」と話したら、とても喜んで下さった。日本人で持っている人は少ないのだそうだ。

こういう物をテーブルや、コンソールにちょっと置いておく事で、そこから話題が出来るので、ヨーロッパのテーブル.コーディネートには欠かせないものだから、と喜んで下さった。
パリでクリストフルの猫を買ったお陰で、先生とも話題が出来て良かったと思っている。
日本の茶道で、飾られている掛け軸を見て、話をする事と似ているところもある様に思う。

でも、決定的に違う事を、そこで学んだ。
日本は、いくら素晴らしくても、一番にはなれないのだとハッキリと理解した。
世界の上流階級では、全てフランスがトップに来る。
日本がトップに来る事は絶対にないのだ。
宮中晩餐会でも、ノーベル賞の時でも、全てフランス料理であり、イタリア料理ではない。
ヨーロッパの上流階級では、フランス語が話せる事が判断材料となっており、決してイタリア語ではない。

イギリスのパーティーで招待状が届いた場合、下の方にR.S.V.P.という4文字が書かれているけれど、英語で書かれた招待状であっても、この4文字だけは “フランス語” なのである。
これは「御返事をお待ちしております。」という意味になる。
何故ここだけがフランス語なのか?
これは、上流階級の共通語が18世紀頃は英語ではなく、フランス語であった慣習から来ているもので、「パーティーに参加する様な教養人たるもの、たしなみとしてフランス語を理解すべきである。」という特権意識から生まれた考え方である。

その様な事も、このクリストフルの猫をパリで買ったからこそ、わかった事である。
クリストフルの猫に感謝!である。
やっぱり、旅は若いうちにしておくべきだと、今になってつくづく思う。
懐かしいフランスの旅に、乾杯! 🇫🇷

セルとの、最高傑作の20番!素晴らしい!!
21番は大好きです!
22番も、良いですよね!
27番も素晴らしい!
ピアニストのカサドシュは、1899年にパリ郊外の音楽の名家に生まれた最もスタイリッシュで洗練された表現の持ち主であり、フランスの国宝級的長老ピアニストである。
10歳の時にパリ音楽院に入学し、13歳からフランス第一の名教授ルイ.ディエメに学び、14歳で同音楽院を一等賞で卒業する。
フランスの作家、アンドレ.モーロワはカザドシュを讃えて、「力と簡潔さをあわせ持ち、深い感動を呼び起こすが、常に清潔でわかりやすく上品で、過剰なものは何もない。昔のギリシャの天才にあやかる、真にフランス的な偉大な芸術家」と記述している。
1972年に、カサドシュはお亡くなりになった。
エッシェンバッハ、クララ.ハスキル、ゼルキン、カーゾン、ミケランジェリ、ポリーニ、内田光子様と並び、私が好きなピアニストのひとりである。
カザドシュの演奏は、非常に品が良く、天然ナチュラルで純粋な真珠の様な美しさであり、クリストフルの輝きと似ているのかもしれない。🇫🇷


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