ハルザキヤマガラシは他人事
この黄色い花は、アブラナ、ヤマガラシなどの種類らしかった。
随分と前から咲いてた。
スイセンが枯れはじめた頃から、入れ替わるようにどんどん数を増やしていったんだ。
子ども達は、背丈が低く、密度の薄い、密やかな花を好んだ。
だからなのか?
こんなに目立って、たくさんあったのに、この花にだけ見向きもしない。
少しだけ調べてみた事もある。
けれどAIの判定はいつも曖昧だったから、特定の種類に絞り込めずに、
『見てごらん、この花は◯◯だよ。』
とも言えなかった。
何が物事を分つのだろう?
これはおそらく、ハルザキヤマガラシなのだと思う。
子ども達にとってどうでもよいならば、私も取り上げないつもりだった。
けど、2才の娘がてっぺんを小さくむしってきたから、ほんの少しだけ、興味を向けてみたんだ。
しかし残念ながら、私の中で、存在感の割に思い入れも湧かなかった。
なにせ、何も起こらずに、随分と長くそこにありすぎた。
だから淡々とした感情が漂っただけだったんだ。
人はいちいち花に名前を付けたがったが、多くの命は特に何も求めてない。
そして私も、すべての植物をわざわざ把握しようとは思わなかった。
まぁ、君たちだってその方が良いだろう?
私たちに摘み取られる心配をする必要もないのだからね。
むしろそこで穏やかに枯れていく事こそ望む所であるのだろう。
などと考えたら、ようやく少しだけ愛着が持てた気がした。

